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勇者はいってます。  作者: 夢見創
四章目 砂漠を突き進め
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アプロディーテー

 夕食の片付け後、テントでマオはミリに魔法を教えていた。


 マオは少し大きめの紙にさらさらと複雑怪奇な魔法陣を書く。

「ミリ、コノ魔法陣ノ中心ニチカラヲ注ギコムヨウナ感ジデ集中スルノジャ」

「マオ師匠!わかりましたかな!」


 ミリが魔法陣に手をつき力を込めると、魔法陣からキラキラした光が溢れてくる。


「これ竜と戦った時にマオ師匠が使った魔法かな!」

 魔王は、魔法を一発で発動させたミリの天賦の才能に舌を巻く。

 ミリには言ってはいないが、普通の魔法使いには発動すらする事が出来ない程高度な術式、いわゆる古式魔法だったのだ。


 キラキラとした光がミリのまわりを包み込む。

「キラキラ綺麗かな!」


「これは、凄いですわね」

「っrうぇひゅいおっぴおえy!?」

 突然の声に、ミリとマオは驚き声が裏返る、驚いたためか発動中の魔法は霧散した。

 声がした方向を見ると、そこにはクロクロが立っていた。

 闇に溶け込んでいたので、突然その場ににじみ出たように感じる。

 いつもの様にテントの周りには魔王が邪悪なものを払う結界を張っていたのだが、黒くても聖女、全く影響無しに出入りできるらしい。


 魔王とミリが目を白黒させていると、クロクロはミリを優しく撫でる。

「ちょっとマオさんを借りますわね」




 クロクロは魔王を連れテントの外に出る。


 少し寒い・・・砂漠の夜は、やたらと暑い昼とは逆に肌寒いほど温度が下がる。

 クロクロと魔王は、焚き火の前に腰を落とす。

 炎の精霊王エンが焚き火の中で寝転がっているが気にしないことにする。


「あの()、ヘスティアーを扱える時点で何らかの才能があるとはおもってはおりましたが」

「ミリノ魔導ノ才能ハ、タブン人間種族デハ最上級デス」

「でしょうね。先ほどの術式、宮廷魔術師筆頭でも、まとも使いこなせない代物でしたわね」

 クロクロは先ほどの魔法がどのようなものかやはり見抜いていたらしい。

 魔王がクロクロには、隠し事なんか出来ないんじゃないかと思っていると。


「わらわは今、術を使えぬ身ですが、術式と魔力の流れは読めますのよ?」

 クロクロが術を使えない?そう言えば魔王と戦う時も、本人は戦わずクロクロの周りの精霊王が戦ってはいたが・・・


「聖女様ガ術ヲ使エナイ?」

 魔王が驚く。

「あら、わらわが聖女だと知っていましたのね。ええ、魔術・・・聖女ですので奇跡と言うのですが、今は使えませんわ。わらわは今、かよわい乙女ですのよ?」

 そう言うと、クロクロはやわらかな笑みを見せる。


「ですが大抵の事は、このポンコツ達でどうにかできますので、困ってはいませんの」

 そう言いながら、焚き火の中のエンを棒で突く。

 焚き火の中でエンがアハーンもっとーとか言いながら悶えて火力が上がったが気にしたら負けだ。

 気にしたら変態時空に巻き込まれる。


「それで、貴方はあの(ミリ)をどうするおつもりなのですか?」

「ミリニ請ワレタ防御魔法ト回復系ノ魔法、アトハ護身ノ術ヲ幾ツカ教エマス。アトハミリ次第デスネ」

「攻撃魔法は教えませんの?貴方そちらも使えますわよね?」

「人ヲ傷ツケルノ魔法ハ、ミリニハ似合イマセン。アノレストランデ、ピエールサント一緒ニ、イツモニコニコ笑ッテ皆ヲ明ルクスルノガ彼女ラシイノデス」

 魔王はにっこり笑いながら、そう答えた。


 クロクロはその言葉を聞いて、少し考える。


「貴方なら大丈夫そうですわね、貴方に神鎧アプロディーテーの使い方を教えますわ」

 クロクロはにっこり笑いながらそう言った。




 魔王は半透明のメダルを天にかざす。


「愛ト美ヲ司ルアプロディーテーノ力ヲ示セ」

神鎧(ギガント)降臨!」


 魔王がそう叫ぶと、天にかざしたメダルから眩しい光が発生する。

 メダルの光は天を貫き、空中に複雑で巨大な立体魔法陣が描き出される。

 その魔法陣が星のように光輝くと、その光の中から染み出てくるように、金属製の人型が現出(げんしゅつ)してくる。

 細身で美しい女性のような淡い桃色の巨人であった。


 巨人の色は青から桃色にかわっていた、巨人は呼び出した人に合わせて色を変えるらしい。


 巨人はゆっくりと魔王の元に降りてくる。

 地上に着地した巨人は、従者のように魔王の前に膝を折り(かしず)く。

 巨人の胸元が開き光を放ち、光りに包まれた魔王が吸い込まれていく。

 魔王を収納し胸元が閉じると、息を吹き返すように巨人は立ち上がった。


 アオイが言っていたような狭さは感じない。

 操作法は何故か手を取るようにわかる。


 ふと魔王は違和感を感じる、伝説の武装であるはずの、この巨人には武器らしきものは一切装備されていなかった。


「アプロディーテーは戦闘能力をほぼ持ちませんの。軽いので速度はありますけど手足も細く脆いのですわ。ですので打撃主体のアオイがうまく使えないのは当たり前でしたの」

 武装がないのは元々アオイが徒手空拳で戦うからかと思っていたが、そもそも戦闘に向いていない機体らしい。


「ソレデハドウヤッテ戦ウノデスカ?」

 魔王は疑問を口にする。


「戦いませんわよ?歌い踊り皆を鼓舞するのが、その機体なのですわ」


「歌イ踊ル・・・伝説ノ武装?」

 魔王は巨人の中で目が点になっていた。

ストックがーストックがー|ワ@)ノ

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