新たなメダル
クロクロが闇精霊に命じ竜の死体をまるごと異空間に収納する。
「これ、いつも使ってくれれば楽なのにぃ」
アオイがぶーたれている。
「嫌ですわ、わらわは運び屋ではないのですわ」
「マオさんが使った魔法って凄いかな、キラキラーってしてて、おっきい岩とかも全部弾くかなー」
ミリは、ピエールさんに魔王がいかに凄かったかを力説していた。
魔王は恥ずかしいのか、ちょっと顔を赤くしていた。
クロクロが魔王をちらっと見ると、魔王にすぅーっと近づいて来た。そしてそっと耳元でささやく。
「先程の事、感謝しておりますわ」
そしてニッコリと笑う。そしてハクの所に向かっていった。
魔王は、少しの間絶句していた。
ハクはドランと話しをしていた、ドランが時々棺桶の上にドラゴンの爪を乗せてジェスチャーをしながら何かを言っているようだった。
多分碌でもない事にちがいない。
ハクの所に着いたクロクロは、ハクに何かを話し指で方向を指示していた。
「おーいお前らー、クロクロがあっちの方に何かあるとか言うから、ちょっと行って見るぞー」
ハクはなんだか引率の先生みたいだった。
その場所にたどり着くと、古そうな石の扉があった。
魔法陣や呪文が描かれており、厳重に封印されているようである。
魔王はちらっと内容を読み取ったが、かなり古い時代の呪文で、解呪するにはかなり面倒なたぐいの封印だった。
「宝かな、宝かな」
アオイが目をキラキラさせている。
「よっし、開けるか」
ハクがそんな事を言う。
魔王は、ハクはこの封印を解けるというのか、ほんとに賢者なのだなと・・・思っていた。
次の瞬間、棺桶で扉をぶん殴って開けるまでは。
「封印ヲ施シタ者ガ、コレヲ見タラ泣クジャロナァ」
そおいや、魔王の執務室もこいつは力技で開けたんだっけと思い出した。
扉の先には神の石像があり、その前に台があった。
その台の上には、古い装飾の施された半透明なメダルが嵌めこんであった・・・えーと。
ハクは台に書かれてある古代文字を読んでいた。
「たぶんヘーラーの神鎧だな」
ハクが触ると、ヘーラーの神鎧のメダルが空中に浮かび上がる。
そして一気に加速したかと思うと、アオイに額に衝突しその手に落ちる。
「いててて・・・ん?ボクが選ばれたの?ボクもうアプロディーテーを持ってるんだけど」
額をさすりながら、ごそごそと懐からアプロディーテーのメダルを出す。
今度はアプロディーテーのメダルが空中に浮かび上がり、ぴゅんとアオイの元から飛び去る。
「ちょ!アプロディーテーどこに行くの!?」
アプロディーテーのメダルは、魔王の目の前で停止し、そのまま魔王の手に落ちて来た。
魔王は手のメダルを見てアワアワしながら目を白黒させている。
「シャッフルですわね」
「メダルがこの場で一番ふさわしい者を選んだって事だな」
「えぇええええ、なっとくできないぃ」
アオイがプンスカしている。
我に神鎧?我に何をさせたいのじゃ?
冷静になった魔王はメダルをじっと見ながら考えていた。
「まぁ、俺のメダルは、そもそもクロクロが持つべき物だしなぁ」
ハクはぼそっと言う。
「貴方にアルテミスは使えませんし、アレースはアカネに必要ですの。ゼウスは勇者専用ですわ。貴方のメダルが手に入ったときにアテーナーは返してもらえればよろしいですわ」
クロクロがため息を付きながら答える。
神鎧に関しても、何やら複雑な事情がありそうだった。
あれ?・・・そういえばゼウスのメダルもあるんですか?




