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勇者はいってます。  作者: 夢見創
三章目 旅は道連れ
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竜、キレる

最後にクロクロさんのイラストがあります。

『きさまらぁ、死ねやぁ!死ねやぁ!死にさらせぇええ!』

 竜は切れまくっていた。切れすぎてチンピラのような言い回しになってる。

 竜はところ構わず、火炎のブレスを吐きまくる。超高温なのか着弾地点で水蒸気の大爆発がガンガン起こる。


「うひょおおおおう、スリルあるなぁあ」

 ハクが魔導棺桶車両を楽しそうにカッ飛ばしている。

 アカネはボンネット・・・いや棺桶の上に鎮座して、時々飛んで来る石とか岩を斬り飛ばしている。

「もう少し近づかないと、斬りに行けないキル」

「おうよ!」

 ハクは魔導棺桶車両をドリフトターンすると、今度は竜に向かって一直線に走りだす。

「いまだ飛べ!」

 アカネは魔導棺桶車両の速度をカタパルトのように使い、竜に向かって高速ジャンプする。

 キン!と高い音がすると、硬い鱗が数枚斬り飛ばされる。

「ちっ・・・浅かったキル」

『糞虫が、わが鱗を傷を付けるなぞ!灰になれやぁああああ!』

 竜はキレッキレである。鱗を傷つけたアカネに向かって執拗にブレスを吐きまくる。

 アカネはそのブレスを器用によけながら、接近してきたハクの魔導棺桶車両に飛び乗り竜からの距離を取った。

 攻撃範囲から逃れたアカネを竜は射殺すように睨んでいた。


「よそ見は、よくないよぉ」

 アオイがいつの間にか、竜の右の後ろ足の近くに居た。よそ見の常習犯がなにを言ってる。

 アオイはすっと竜の足首に両手の掌底当てる。

九頭流(クズリュウ)、六の技の一、砕骨発勁」

 ズンという音ともに、メキッメキメキメキと見た目ではあり得ない破砕音が竜の足首を突き抜ける。

『ぐぎゃぁあああああああああああ』

 竜は絶叫したまらず膝をつく、アオイの発勁で竜の足首の骨が粉々に粉砕されたのだ。無駄に攻撃能力の高いクズだった。


「おりゃあああああああああああああああああああ!」

 その隙にドランが竜のそばに駆け寄ってきて、ウォーハンマーで右前足の爪の付け根を粉砕する。

 爪がちぎれ飛び、飛んだその爪を抱きしめるようにキャッチした後、ドランはすたこらと逃げ去っていった。

「竜素材ゲットォお!」


 ・・・ぉい


「これはこれは・・・」

 竜の左ふとももの近くに、両手に包丁を持ったダンディなおじ様が佇んでいた。もちろんピエールさんだ。

 ヒュンと彼が包丁を振ると、硬い鱗を物ともせず竜の太ももが数十センチに渡り斬り裂かれ綺麗にえぐり取られる。

「素晴らしい・・・この色、弾力、香り、第一級の竜のもも肉ですね」

 えぐりとった肉を吟味しながら感動している。この料理人の戦闘力マジでおかしい。というか色々おかしい。


『許さぬ!許さぬ!』

 足を次々に粉砕され思うように動けなくなった竜の怒りが頂点に達した。

 あまりの怒りからか全身から湯気のようなものが立ち上がっている。



「ヘキ、出てくるのですわ」

「あらほらさっさー」

 久々に呼ばれたせいか、地の精霊王が妙なノリになっている。

 クロクロが竜の頭上を指し、そして今度はくぃっと下を指す。

 地の精霊王はそれだけで理解したのかすっと消える。

 消えると同時に竜の頭上に巨大な岩塊が現れる、推定数百トン、当たれば竜といえどもただでは済まない。

『このような物ぉおお』

 竜はブレスで、その岩塊を破壊しようとする。

「バインド」

 静かで美しい声が竜だけに聞こえた。

 次の瞬間、竜の全身の筋肉が何かに拘束されたように硬直する、いくら力を込めようと竜は微動だにも動けない。

 動けぬ!?竜は驚愕する、我の動きを阻害できるほどの力だと!?

 竜は目だけを動かし、声の主を探す。視線の先には幼い少女を守るように立つ桃色の髪の少女がいた。

『お前は・・・』


 直後、岩塊が竜の頭に直撃し竜の意識が飛んだ。


「もう一度行くキル」

「今度は、俺も一緒に行くぜ」

 ハクがハンドル横の黄色ボタンを押すと、魔導棺桶車両に凶悪なドリルが姿を現し爆音とともに高速回転をしはじめる。

「了解キル!やっちゃうキル!」

 ハクはハンドルを握りしめ魔導棺桶車両に大量の魔力を流し込む、魔導棺桶車両はそれに呼応するかのように竜に向かって真っ直ぐに閃光のように加速をしていった。

「行くぞ!しっかりつかまってろよ!」

 ハクは岩の斜面を利用し魔導棺桶車両ごとジャンプする。


 竜の意識がぼんやりと戻った時、目の前には赤い少女と謎の車が目前へと迫っていた。

 次の瞬間、竜はドリルで喉笛をえぐり取られ、頭蓋は水平に断ち斬られていた。


 竜は自分の身に何が起こったのか解らないまま絶命し、血と脳漿を撒き散らしながら轟音とともに崩れ落ちた。


 ギャギャギャという擦れるような音と共に着地した魔導棺桶車両の上で、アカネとハクはサムズアップをしていた。

 全身竜の血で真っ赤であった。アカネはすごく満足そうな顔をしていた。


「竜の血は赤だったキル!」


 そっちかい!





 よく考えたら「お前ら誰?」って聞いたら、さんざん無視されてキレたらぶっ倒されたという・・・

 竜にとってはなかなかひどい話だった。

 せっせと素材を竜から剥ぎ取ってる、お前らの血は何色だ?




挿絵(By みてみん)

クロクロさんを描いてみました。

竜さん・・・なむ

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