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勇者はいってます。  作者: 夢見創
三章目 旅は道連れ
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初体験

 ピエールさんがダンジョンの壁で採取したきのこと一緒に肉を焼いていた。

 ダンジョンの階層はすでに二十層を超えている。

 ここまで10時間といったところか・・・

 一層30分とかいろいろ基準がおかしくなりそうである。

 皆、恐ろしいことに無傷だが、流石に疲れ空腹になっていた。


「・・・う・・・うまいな・・・」

「・・・駄目ですわ、止まらないですわ」

「キルキルキル・・・ジューシーキル」

「酒にも合うなぁ・・・もぐもぐ」

 皆、その肉を食べながら複雑そうな顔をしている。


「スマヌ、スマヌ、スマヌ」

 魔王はなんだか知らないが、光を失った目でずーっと謝っていた。


「・・・オークの肉がこんなに旨いとかぁ」

 アオイがボソリといった・・・


 やっぱりオークを料理したのねピエールさん。

「旅ーノ料理ハー現地調達、基本デース」

 皆の中でピエールさんのレベルが何段階か上がった。


「このスライムの御浸シーモおいシーデスヨー」

 さらにピエールさんに追撃される。

「このこの冷たくて、ツルッとした食感がぁああぁあああ」


 いろいろカオスだった。




「さ・・・さて、次の階に進むか」

 皆、腹は満足だったが、精神にはかなりダメージが入ったような気がする。

 この連中にダメージを入れるとか、ピエールさん最強かもしれない。


 次の階に進むと、そこは数百メートル規模の広い空間であった。

 あちこちに溶岩が流れており、ドランがあちこちを削っては「おぉ!」とか叫んでるってことは、いい鉱石があるらしい。

 アオイも岩壁に白い筋の部分を見つけてはゴリゴリやっている。

 アオイの宝に関する嗅覚は間違いないので金の鉱床でもあるのかもしれない。

 ただ金は1トンの鉱石で良くて数十グラムしか取れないため、ちまちま集めてもどうにもならないのだが・・・

 あ・・・ドランからその事を聞いて、ちょっとアオイが涙目になってる。

 アオイはやけになってガンガン壁を破壊し始める、飛び散る破片をドランが拾いニヤニヤしながら吟味していた。



『お主ら・・・何者だ』

 大きく野太い声が聞こえてくる。

 次の瞬間、かれらの目の前に巨大な何かが地響きとともに落下してきた。

 それは全身を硬い鱗で覆われた、翼のない黒く巨大な竜であった。

 体長15メートル、頑強な足には凶悪な爪がぬらぬらと光っている。

 耳まで裂けた口に無数に生えた鋭い牙と牙の間からは、チロチロと炎が見えている。


 竜はハクたちを見下すような強者の目で睨みつける。絶対的な強者がそこにいた。


「竜だよ、竜。竜はお宝いっぱい貯めこむから、きっといっぱい宝があるよぉ」

 やさぐれていたアオイのテンションが急に上がる。

「おぉ、あの鱗、素晴らしい純度の鉱石だ、爪も牙も立派だし加工したら素晴らしい武器ができるぞ」

 すでにドランは竜を素材にしか思っていない。

「素晴らしぃサイズの竜デースねぇ、竜の肉は高級食材なのデース、ガラや骨からもいい出汁がとれるデース」

 竜・・・ピエールさんに食材として認識されてますよ?逃げたほうがいいですよ?

「ここは暑いですわ、水をおねがいしますわ」

「はい、喜んでー!」

 水の精霊王がクロクロに水を差し出していた。ここは何時も通りである。

「キルキルキルキル、ドラゴンってどんな血でるキル?」

「もしかしたら青かもなぁ」

「えーそれは嫌キル、血は赤くないとキルー」

 こっちはこっちで、何を言ってやがる。


『無視すんなオラァあああああああああああああああああああああああああああああ!』

 竜が切れた。当然かも知れない。


 魔王はミリと安全そうな場所に隠れながら竜を観察していた。

 魔王の記憶に無い竜であった。少なくとも竜王配下には、あのような竜はいなかった。

 もしかすると神代に造られた守護龍か?だとすると相当強い力を持っているはずだ。


 魔王は、ミリを中心に魔法陣を展開し防御魔法を張る。キラキラとした光がミリを包み込む。

「ぉおおお、これがマオさんの魔法かな、綺麗かなー」

 ミリもミリで相当肝が座ってる気がする。まぁ、父親がアレだしなぁ・・・


次・・・戦闘回です


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