旅は道連れと腐れ縁
空は晴れ爽やかな風が吹いていた。
「何トナク、ソウイウ気ハシテイタ・・・」
魔王は頭を抱えていた。
「あれー、護衛役の人たちって、お兄さん達だったのかな」
「領主に土下座されて頼まれてたからなぁ」
「あの兄は、本当にしょうがないですわね、帰ったらお仕置きですわ」
「早く行くキル、魔物狩るキル、キルキルキル、行くキル、狩るキル、斬り刻むキル」
「くっ・・・あの女が居るぅ・・・僕を見下しに来たのかぁ・・・ぁあそうだ・・・コキャってやればぁ・・・」
「ハク、魔導棺桶車両を馬車に取り付けたぞ!これで馬より早く移動できるぞい」
見慣れないドワーフまで増えていたが、旅の護衛はハク達の勇者パーティだった。
もう呪われてるんじゃないかと魔王は思い始めていた。
「ドラン、なんでお前まで来たんだよ」
「東方にあるっていう珍しい素材が欲しくなってなぁ!まーいいじゃねえか俺様とお前と仲じゃねーか」
ドランというらしいドワーフが、ハクの背中をバンバン叩いている。
普通の人間だと死にそうなレベルの威力なのだが大丈夫なのか?
「奥様、俺様とお前の仲ですってー素敵ですわねぇ」
腐ってるのが近くいたっぽい。
この手は気を抜くと出現するので注意しよう。
「あの棺桶野郎、うらやましい・・・」
「ちきしょう、俺にもっと剣術の才能があればついていけたのに」
「ぁあマオちゃんが、行ってしまう、僕の心の癒やしが行ってしまう」
「明日からどう生きれば・・・」
「俺・・・まだご褒美もらってないのにぃい」
「行く前に儂を踏んで欲しいのじゃぁああ」
「マオちゃんハフハフ、マオちゃんハァハァ」
憲兵さんこっちです。
こっそりと数百人が魔王達の旅立ちを見守っていた。樽も当然いた。
「ハク君の筋肉は俺のもの、誰にも渡さん」
黒いぴっちりの革ジャンを着た、マッチョなお兄さんだった。上腕三頭筋を魅せつけるようにサイドトライセプスをしていた。
「アカネちん斬ってー斬ってーぇええ」
ナイフを舐め舐めしているローブを着た細い目つきの怪しい男だった。
「クロクロ様のジト目最高です、鞭でぶって下さい」
全身を縄で縛っている男だった、路上に転がりときどきブヒーっといってる。ふよふよ近づいてきた火の玉に焼かれていた。
「アオイきゅん、君との夜の思い出は最高だったよ」
スラっとした絵になるイケメンだった、だが何故か尻を押さえていた・・・
「ミリたぁああんペロペロ、ふひふひひひひ、ミリたんはぼくのぉおペロペロするのおぉおナメナメするのぉお」
ハク達の見送りもいた、とりあえず最後の奴は牢にぶちこんでおいて下さい。
「オゥ、貴方様方が護衛の皆さーんデスカー?忙しい所ありがとうゴザイマース」
ダンディなおじ様がハク達に挨拶をしている。レストラン「海の潮騒」の主人兼料理長のピエールさんである。
よく考えると初めて喋ったなこの人。
「貴方様方、とてもトテーモ強い方達と領主様ヨーリ聞いてイマース、道中よろしくお願いシマース」
そういうと、ピエールさんはハク達に深々と頭を下げた。
「レストランの料理うまかったぜ!ピエールさん」
「貴方ーハ、殺人級超メガ盛りパスタ増し増しW盛りを食べキッタ方。今度は負けまセーン、次は地獄街道チャーハンスーパーデラックスエクセレントで勝負デース」
「ふはははは、返り討ちにしてくれるわ!」
ハクとピエールさんがガシっと手を握り合う、いつの間にかハクとピエールさんの次回の勝負が決まった。
アオイが人を殺せそうな目で魔王を見ていた。
クロクロは優雅に紅茶を飲んでいた。
アカネはキルキル言っている、いつもの事だった。
ドランは、なんだかわからない機械類をバンバン積み込んでいた。
「マオさん、大丈夫かな?かな?」
ミリがボーっとしている魔王の体をブンブン振っているが、魔王はぷらんぷらーんとなすがままになっている。
魔王は、腐れ縁というダメージから回復していなかった。
「憂いのあるマオたん、美しすぎるお」
う・・・うん・・・・
新章も変態の集団でスタートとか・・・




