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勇者はいってます。  作者: 夢見創
二章目 魔王様がんばる
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四天王の決意

魔将四天王登場

 魔王城は、上を下への大騒ぎであった。

 四天王の留守中に城が狼藉者に襲われ半壊し、しかも魔王が何処かへと消えてしまったのである。


 元魔王執務室に4体の魔物たちが集まっていた。

 巨大な体と強靭な鱗を持つ竜族の王、竜王ゴウラ。

 無限の増殖力を持つ蟲族の王、蟲王バイラ。

 強大な魔力を誇る夜族の王、夜王マキラ。

 美しい毛並みと鋭い牙を持つ獣族の王、獣王ザキラ。


 魔王軍の将軍であり最大戦力である魔将四天王である。


 完膚なく破壊された執務室で、悔しそうに涙を流している。


「くっ・・・魔王たんフェアに行ってる隙に、このような失態を」

ゴウラが悔しそうに呻く・・・ん?魔王たんフェア?


「言うなブーン・・・これは、四天王全ての責任だブーン」

 巨大な甲虫のような蟲王バイラの横には、魔王の中の人のカードデッキボックスが、ダース箱で何十箱も積み上がりビラミッドになっていた。

「僕は、企業ブースでこのトレカの最新デッキを手に入れる使命があったブーン、このデッキのウルトラレアが出れば魔王たんの秘術が開放されるブーン」

 いつのまにか魔王の中の人のカードゲームが販売されていたらしい。

「でも、出なかったブーン」

 頭頂の触覚が力なく垂れた。


 もう面倒くさいから、これから魔王の中の人は魔王たんで統一する・・・いいね?


「この、もっちり先生描きおろしの魔王たん抱き枕は会場限定品だったのだ・・・」

 背中にコウモリの羽を生やし、燕尾服を優雅に着こなすダンディな男、夜王マキラが、抱き枕を愛おしそうにぎゅっと抱きかかえていた。

 抱き枕の表は普段の黒マント髑髏仮面の魔王様、裏はチョットはだけている魔王たんの絵であった。

「このギャップが、すばらしいんだよぉおおお、そしてこのもっちり先生の素晴らしき画力が、魔王たんのちょっとえっちいな魅力を存分に引き出しておるのだぁあ」

 変態紳士だった。


「この等身大魔王たんフィギュアが、会場オークション出てたんだぞ?外せるわけなかろう」

身長10mを超える竜王ゴウラは、素晴らしい造形の魔王たんの等身大フィギュアを指先で愛でていた。

「棒目老師の珠玉の逸品の一点ものだ、屋敷を売り払ってでもこれを手に入れることは、ワシの最重要案件だったのだ」

竜王・・・フィギュアの為に屋敷を売り払うの巻。


「それを手に入れていたのかブーン、さすが竜王だブーン」

「なんと・・・その一品を・・・羨ましい」

「グルルルルル・・・竜王・・・貴様だったガウ、最後まで膿と張り合ってたのはガウ」

 隆々とした筋肉と見事な銀色の毛並みのザキラが、床をガリガリ引っ掻きながら悔しそうに唸っている。

 そういえば、こいつだけ目立った戦利品が無かった。

 オークションで競って負けたのかよ。


「今回は膿が会場運営をする順番だったのだガウ、あの時・・・クレームが入らなければガウ・・・」

 運営もお前らの持ち回りかよ。


 魔王たんフェア・・・魔族の世界で年2回行われている、コ○ケと、ワ○フェスを混ぜてカオスになったような、魔王たんオンリー即売会であった。

 本人にバレると大変なことになるため、魔王本人には絶対に秘密となっていた。


 会場で大画面上映された、魔王たん隠し撮りお宝動画なぞがバレたら、魔王軍全てが魔王たんにウエルダンに焼かれる。

「「「「あ・・・それはそれでいいかも」」」」


 黙れ変態ども。



 魔王が頭を悩ませていた用途不明な出費はこのフェアの運営予算であった。

 四天王の大事な用事と合わせて、一話の伏線が実にくだらない形で回収される。



「魔王たんを全軍をあげて探さねばなるまい」

「そうだ、我らの魔王たんを取り戻すんだブーン」

「傷心の魔王たんは、私が介抱する」

「グルル、黙れ腐れダンディ・・・頭から食うぞ、グルルル」



 魔王軍、魔王たんを探すだけの為に全軍を動かす。


 そう言えば魔族って力こそ全て・・・って言ってなかったっけ?

 どう見てもそっちでは魔王様に仕えてないよね?アイドルの親衛隊とかそんな方面だよね?


 ここで歴史が動いた・・・動いてしまった・・・もうね・・・

マトモなのいねぇ・・・ツッコミしか出来ねえ

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