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勇者はいってます。  作者: 夢見創
二章目 魔王様がんばる
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港街に来た少女

真ヒロイン登場

 一人の美しい少女が、白い馬とともに街中を歩いていた。


 種族はエルフらしく、ちょっと尖り気味の耳をしている。

 身長は低めだが、芸術品のように均整のとれたプロポーション。

 シミひとつ無い白雪のような白い肌。

 幼さは残るが、女神のごとく美しく整った卵型の顔。

 蝶のような綺麗な髪留めで纏められた長い髪はやわらかな薄桃色のウェーブ。

 人を惹きつけ離さない柔和な目に、きらめく瞳は美しい桃色。

 つやつやとしていて柔らかそうな桃色の唇。

 光がきらきら舞い踊るような可憐な姿に、街の人々は皆、彼女に惹きつけられ目を離せないでいた。


「我、皆ニ見ラレテオル???オカシナ格好ナノカノウ」


 その美少女は魔王の中の人であった。


 魔王は数千年にひとり生まれるというダークエルフのアルビノであり、その本来の姿は神がかってるレベルで美しく可憐だった。

 ダークエルフのアルビノは他に比類なき無尽蔵の魔力と強大な力を持って生まれる。

 力こそ全ての魔族は、その為に彼女を魔王として祀り上げたのだ。

 今までは威厳を保つということで髑髏の仮面と黒のローブをつけ、この可憐な容姿を隠していた。


 自分が変な格好をしてるせいで、街の人に見られると思った魔王は、首を傾げたり、くるくる回ったりしていた。

 その仕草がやたら可愛らしく、さらに衆人の注目を集める事になるが、それはもう不可抗力であろう。


 彼女の着ている服は、薄手の生地にフリルが多めについた可愛らしいワンピースで、彼女にすごく似合っていた。

 この服は彼女の素顔を見て不覚にも萌えてしまった湖の女神様が、ものすごく気合を入れてチョイスした物である。

 女神ぐっじょぶだった。


 ちなみに女神の湖はもう駄目だということだった。

 どんだけなの勇者の毒。


 港町に行くと言ったら、多少の路銀に加え、女神チョイスの大量の服と、それを運ぶ(ユニコーン)を眷属としてつけてくれた。

 女神に足を向けては寝れないと魔王は思った。魔王なのに。


「俺、天使をはじめてみた」

「彼女のためなら、僕は死ねる」

「ワシを踏んでくれんかのぉ・・・」


 当の本人の頭の中は?マークが渦巻いていたが、可愛いのでOKだ。


 というか最後の爺さん・・・


 男たちは互いに牽制し合い、だれも彼女に近づけないでいる。

 隠れた場所で火花が散っていた。



 そこに、とてててててっと12歳位の快活そうな少女が魔王に駆け寄って行った。

「そこの綺麗なお姉さん、どこから来たのかな?」

 綺麗と言われ動揺する魔王。それでも平静を装いながら答える。

「キタ・・・カラジャノ」

 平静は失敗していた。

「ん?発音がこの辺と違うかな、お姉さんもしかして異国の人かな?」

「ア、アア、ソウジャ」

 まさか魔族だとも言えない。

「この街は初めてかな?何しにきたのかな?」

 魔王はちょっと考え答える。

「住ム場所ト、我ニモ出来ル仕事ヲ探シニカノ」


「ほうほう!」

 なぜかその言葉に少女がぐぐっと食いついてくる。

 物理的にも少女の顔が魔王の顔に近づいてきていた。


「なら、私がいい所を知ってるかな!」

 少女はにぱぁと満面の笑みを浮かべた。

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