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勇者はいってます。  作者: 夢見創
七章目 大騒ぎ、縦横無尽
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シャッフル

「結局、力技ですわね」

 クロクロが呆れてジト目になっている。魔王も頭を抱えている。


 床には大穴が開いていた。

 その先には更に下に進む階段が見える。


「ヴィオーラえらい?えらいー?」

 ヴィオーラがふんすと胸をはっている。

「えらいえらい」

 ハクがそんなヴィオーラの頭を撫でると、満面の笑みをヴィオーラは浮かべる。


 呂尚が固まっていた。

 魔帝でも見つけられなかった通路を、こんな短時間で見つけるとは思わなかったようだ。



 ピエールさんがせっかく食事を用意しているので、腹ごしらえをした後、穴の中へと向かうことになった。

 今回の食事は、陸に上がってから、ずっと強行軍だったために流石に新鮮な物は無く、携帯食である魚の干物を焼いた物と干し肉のスープである。

 ゆでたイモと一緒に食べると、塩気がちょうどいい具合になって、なかなか美味だった。

「もう少し食材があれば、もっと良いものが出せたのデース」

 ピエールさんは残念そうにしていたが、この状況でこれだけの料理が出せるのだから、誰も文句なぞ無かった。

 皆、楽しそうに食事をしていた。



 食事が終わると、アオイが、いの一番に穴の中に飛び込んでいった。

「おったからおったからーぁあぁ」

 アオイの何時もの声が、反響しながら穴の中に消えてく。


「また守護獣とかいるのう?」

 ドランが穴を覗き込みながら言う。


「守護獣がいたとしたら、この部屋にいたんじゃ無いかな」

 ドランの疑問にハクが応える。

『もしかしたら魔帝は、そもそもメダルには興味がなく、強いと言われている守護獣と戦ってみたかっただけなのかもしれない。うわさに聞く魔帝の力なら、メダルが目的なら部屋ごと破壊できたはずだしな』

 ハクは穴の中に降りながらそう考察していた。

 ハクの傍には、ヴィオーラとアカネが寄り添っている。


「それは残念じゃ、素材がまた手に入るかと思ったのに」

 ドランが残念そうにしている。


「ドラン、そこは戦わなくて済んで良かったと言う所でしょ?」

 クリスティナが呆れている。


 ピエールさんは、そろそろお眠になっているミリを背負い、にこやかに歩いていた。




「上の部屋と違って、ここは静謐な気に満ちてますわね」

 クロクロは階段を降りながら、気分良さそうにしている。

 クロクロの周りに浮かんでいる精霊王達も、楽しそうに騒いでいる。

 なぜか魔王も気分良さそうだ、魔王・・・




 階段の先は、部屋になっていた。

 その部屋はいつもの神の石像があり、その前に台があった。

 その台の上には、古い装飾の施された半透明なメダルが嵌めこんであった。


 アオイとドランは、すでに到着しており目ぼしい宝がないか物色していた。


「確かにヘルメースのメダルだな」

 ハクがメダルを確認すると、アオイとドランも手を止め台の近くまでやってきた。


「んじゃ、いつものをやるか」

 そう言って、ハクがヘルメースの神鎧のメダルを触る。

 するとヘルメースのメダルは何時ものように空中に浮かびあがり、一気に加速すると、アオイ(・・・)の手元に落ちた。


「え?僕3回め・・・」

 そう言って懐からヘーラーのメダルを出すと、ヘーラーのメダルが浮かび上がり、ひゅんと移動したかと思うとクロクロの手元に落ちる。


 クロクロは、少し納得したように頷くと、懐からアルテミスのメダルを取り出す。

 アルテミスのメダルは、同じように浮かび上がり、ひゅんと移動してアカネの手元に落ちた。

「これで、元の持ち主に戻りましたわね」

 クロクロがにっこりと魅力的な笑みをうかべる。


 アカネはぎゅっとアルテミスのメダルを握る。

 そして懐からアレースのメダルを出す。

「今まで、ありがとう」

 アカネがそう言うと、アレースのメダルが空中に浮かび上がり、全員が納得する人物の手元に落ちる。


 ピエールさんは、手元に落ちてきたメダルをしげしげと眺めていた。

これでメダルは残り一個です。

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