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勇者はいってます。  作者: 夢見創
七章目 大騒ぎ、縦横無尽
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不壊

「大丈夫かドラン!」

 銃で牽制しながら、ハクが叫ぶ。


「さすがに鈍ったかのう」


 瓦礫の中から、むくりとドランが起き上がる。

 コキッコキッと体を鳴らすと、ブンブン腕を回し調子をみている。

 あれだけの威力の攻撃を受けて、たいした怪我もしていないようだ。

 普通の人間なら間違いなくミンチになっている。

 どんだけ丈夫なんだ、この親父。


『ぐぉ?』

 蚩尤も、ドランの頑丈さに驚いているようだ。

 殴った拳を見て不思議がっている。さもありなん。


「吹き飛ばされる瞬間に、自ら後ろに飛んで衝撃を殺したんじゃよ」

 嘘つけ、ガチに殴られたふっ飛ばされてただろお前。


「流石、元『不壊将軍』ですわね」

 クロクロが呆れたように言う。

 あぁ・・・そういうこと?・・・いや流石に常軌を逸してるだろ。

 きっとこの親父は『ドラン』という種類のなにかに違いない。


「次は私達が行くわ」

 クリスティナとアオイが、同時に蚩尤に向かって駆けていく。

 龍王戦以降、やたらと息が合う二人だった。


 クリスティナは魔力をライトレイピアに流し込み光り輝かせる。

 そして一瞬の内に蚩尤の懐に入り込む。


「九頭流、一の技の奥義『空歩(くうほ)』」

 アオイが蚩尤の頭上へと空中を()け、ヌンチャクを勢い良く振りかざした。


 クリスティナは岩をも貫く刺突で足、アオイは頭頂部を狙った粉砕攻撃を二人同時に放つ。

 どちらも目で追うことも難しい神速の攻撃である、普通には避けることはできない。


 その攻撃が決まるかと思われた瞬間、蚩尤は六本の腕に持った武器(・・)で二人を弾き返す。


 アオイは弾き飛ばされた後、器用にくるんと空中で一回転して勢いを殺し床に着地していた。

「痛いなぁ・・・・さっきまで、手に何も持ってなかったのにぃ」

 アオイのヌンチャクは、蚩尤の攻撃を受けたのか、片側の棒が半分ほど吹き飛んでいる。

 尋常ではない破壊力である。

 もし直撃を受けていたら、アオイは体ごと粉砕されていただろう。


「武器を召喚したのかしら。って、ちょ・・・ちょっとまって、これ無理」

 クリスティナは、蚩尤の六本腕の嵐のような攻撃を捌き・・・きれていない。

 卓越した体捌きと剣技で、なんとか直撃は避けているものの、どんどん後ろに押されていっている。

 もともと大質量の武器相手は、レイピアでは分が悪いのだ。

 またライトレイピアで相手の武器を斬リ、破壊できないのも想定外である。

 魔力でコーティングされているのか、類まれな切断性能をもつライトレイピアの斬撃を受けても、蚩尤の武器には傷ひとつ入らない。


 姉の危機に、クロクロが大鎌を振りかぶり飛び込んでいく。

「蚩尤が最初に『戦う武器』を造ったと、聞いたことがありますわ!ね!」

 クロクロは大鎌でクリスティナに襲いかかっていた攻撃を弾き返す。

 そのまま連続で、蚩尤の攻撃を捌いていく。

 くるくると踊るように大鎌を操るクロクロは実に美しかった。

 というか、クロクロって前衛も出来たのね。


「それ僕知らないよぉ」

 アオイは、ヌンチャクから鉄甲へと武器を切り替え戦線に復帰する。

 戦闘を速度主体に切替えたようだ。


「あの武器欲しいのぉ。ライトレイピアを弾くとか興味があるぞい」

 瓦礫の中から何事もなかったように蘇ったドランも参戦してくる。

 ただし、目的が不純になりかかっている。


 4人は蚩尤を四方から囲むようにして、接近攻撃を再開する。

 だが、ドランの一撃以降、蚩尤にまともな攻撃が入らなくなっている。

 蚩尤は6本の腕を、まるで別の生き物かのように変幻自在に動かし、4人の攻撃をまったく寄せ付けない。

 気を抜くと、狙ったように凶悪な魔法攻撃を飛ばしてくる。

 しかも体が暖まってきたのか、最初より蚩尤の動きが良くなってきている。


 逆に、こちらは徐々に疲れが蓄積していき、息も荒くなってきている。

 特にクロクロは普段は前衛ではないため、体力はそれ程高いわけではない。苦しそうな表情を浮かべている。

 そもそも一撃でも相手の攻撃をまともに受けたら、ドラン以外は死にかねない為、精神的にもきつい状況である。


 クロクロの精霊王達も、隙を見ては精霊魔法で攻撃をしているのだが、蚩尤の周りにある魔力の渦にかき消されている。

 精霊王たちも険しい顔付きになっている。

 いつものヘラヘラした感じがどこにもない。


「これは不味いな・・・」

 ハクは銃で援護をしながら、焦り始めていた。

ドランがとんでも生物であることを認識

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