血染人形
今回は真面目な話
悲鳴を聞いた棺桶で木をなぎ倒しながら、オーガの殺戮現場までやってくる。
ハクは必死な形相をしていた。
クロクロとアオイも、その後ろからついてきている。
現場には、泣きながらうずくまるアカネがいた。
大量の血を浴び凄惨な格好だ。
しかも周りは死臭漂う地獄絵図。
軽くホラーである。
ハクを視認したアカネは、ハクの胸元に飛び込み泣きじゃくる。
「ハク、ハク、ハクーーーーハクお兄ちゃーん、怖い・・・怖いよぉ」
そんなアカネをハクが抱きしめる。
「よしよーし、俺がついてるから大丈夫だ。怖くないぞ」
アカネの頭を優しく撫でる。
「アカネが正気に戻ってるな」
「久々ですわね、一ヶ月ぶりかしら?」
「良いサイズのオーガだねぇ、これならいい値段で売れるよぉ」
一人空気を読んでいない。
泣きつかれたのか、アカネはすぅすぅと寝息を立てている。
「ハク、この呪い本当にどうにも出来ないのかしら?」
クロクロが尋ねる。
その姿から『血染人形』と言われているアカネの殺戮衝動と血の欲求は、アカネ生来の物ではない。
むしろ気弱な性格をしているのだ。
「呪いの本体は、この斬血丸で間違いないんだがな」
アカネが握っている刀を指差す。刀は血を滴らせ、不気味なオーラを放っている。
持ち主に血を求める狂刀「斬血丸」誰が何の目的で打ち造ったのか全く不明の呪われた刀。
「こいつの呪いは東方の古い呪術体系で組まれてる。しかも複雑な上に強力、大賢者の俺の知識を持ってすら解呪の糸口すら掴め無い。嫌らしいことにあちこちに呪いのブービートラップが仕掛けてるから、うかつに解呪するとアカネにどんな影響があるかわからない」
そうハクが唸る。
「本当に厄介ですわね・・・」
「大抵の呪いや封印なら、これでぶん殴ればぶっ壊れるんだけどなぁ」
ぽんぽんと勇者入りの棺桶を叩く。
「だから貴方『脳筋賢者』って呼ばれるのですわ」
クロクロがあきれた表情をする。
あ・・・やっぱり脳筋って呼ばれてたのか。
「そもそも、お前の光の精霊王ですら解呪出来なかっただろ『闇堕皇女』」
「あれはポンコツですの、仕方がないですわ」
クロクロがちょっと拗ね、歳相応の表情がかいま見える。
「まぁ、仲間を救うためだ、頑張っては見るさ。しかし魔王の城にも手がかりが無いとは・・・」
「本当に残念でしたわね、可愛い幼馴染が救えなくて」
クロクロはじっとハクの顔を見ながら言う。
ハクは照れくさそうしながら顔をそむけた。
「おぉ、こいつ魔石持ちだぁ、アカネGJ」
「さっきから、うるせええええええ!『偽装聖女』」
さっきからギャーギャー騒いでるアオイに、落ちていた枝を投げつける。
が・・・裏拳で余裕に迎撃され、枝は見事に粉微塵に粉砕される。
無駄に性能が高いのも問題だった。
二つ名らしき物公開
脳筋賢者ハク
闇堕皇女クロクロ
血染人形アカネ
偽装聖女アオイ




