神父様(戦争編)
そこは静かなる場所、本来なら静謐で、神聖なはずのその場所には今は大勢の子供達と、一人の神父服を着た男がいるのみである。
そして、突如として会話が始まった。
「ねえ、神父様?」
「ん?何だい、サム」
「何で皆戦争なんてするの?」
「ではサム、君はハンバーガーとホットドックどっちが好きだい」
「え?ハンバーガーが好きだよ」
「私はホットドックが好き、所詮そんなモノなんだよ」
「ねえ神父様?」
「何だい、レイチェル?」
「だったら皆がハンバーガーを好きだったら、争いは起きないの?」
「レイチェル、毎日ハンバーガーを一個貰って君はどう思う?」
「う~ん、毎日じゃ嫌になるわ」
「私は少ないと思う、そんなもんなんだよ」
「ねえ、神父様」
「何だい、ボブ」
「じゃあ、そんな人にはハンバーガーを別のモノにすればいいんじゃないの」
「毎日別のモノに変える人を見て、君は不満に思わないかい」
「神父様?」
「何だい、メアリー」
「毎日別のモノに変えて行けばいいんじゃない?」
「変えた中で苦手なモノや、食べられないモノが出てきて来たら君は嫌な気分にならないかい」
「じゃあ神父様」
「何だい、ジミー」
「皆が別々のモノを持って、分け合えばいいんじゃないかな」
「ではジミー、君のチョコレートを皆に分け合いたいと思うかい」
「なら神父様」
「何だい、アリス」
「争う原因を全て無くしたらいいの?」
「大切なモノを無くされたら、君は怒らないかい」