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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異臭

作者: あなざ

僕が大学生の頃の話だ。知り合いに誘われて僕、K、Jの三人でとある廃墟ホテルに行くことになった。行く途中僕らは浮わついてて

「幽霊出たらどうするよ〜?」

「出たら俺速攻逃げるからw」

みたいな大学生特有の軽いノリでやり取りをしてた。廃墟の内部は所々落書きがされてて、天井とかも穴が空いてたりしてなかなか雰囲気があった。ロビー、客室と僕らは転々と廃墟内を探索してた。その途中でKが

「なぁ、なんかここ焦げたような臭いがしねぇ?」

と言って鼻を押さえていた。特に変わった異臭もせずJも何も感じなかったようなので、気のせいだとその場は流していた。歩いてる途中もKは「まじで臭ぇよ、なんだよこれ」だとか言って涙目でずっと鼻を押さえていた。そのまま幽霊や心霊現象にも遭遇することなく僕らは家に帰った。結局Kが言ってた異臭は最後までせずに分からず仕舞いだった。その日の夜Kからメールが来た。中身は空文だった。間違って返信ボタンを押したのだと思い僕は何も返さず、しばらくするとKからまたメールが来た。メールには

「熱い」

とだけ書かれていた。酒でも飲んで酔っ払ってるのだと思い

「酔っぱらいも大概にな」

とだけ打って返信した。その後またメールが届いて、しつこいなと思いうんざりした気持ちでメールを開いた。本文には

「熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い」

とびっしり書かれていた。流石に悪ふざけが過ぎていると思い

「おい、いい加減にしろよ」

とだけ打ってそのまま返事を待たずに寝ることにした。次の日の朝、Kが自宅で焼死体で発見されたとJから電話があった。部屋から異臭がするとアパートの住人から通報があって管理人が部屋の鍵を開けて調べたところ、全身が焼け爛れたKが見つかった。部屋の回りに燃え移った様子はなく、Kだけが焼死していた不可思議な状況だったらしい。

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