少女とスズメ
小さなスズメが脚し引きずって
道路のわきをあるいてた
少女は思わず手を伸ばし
その手でスズメをつつみ込む
だけどスズメはその手をのがれ
少女の手から逃げまどう
気づけば道路の排水溝
小さなスズメは落ちていく
中にはたくさんの落ち葉たち
檻のような排水溝
狭い蓋のすきまでは
少女の手は入らない
差し込むひかりが照らすのは
影の落ちた落ち葉のみ
スズメの姿は見当たらず
スズメの声も聞こえない
行き交うクルマが通りすぎ
道ゆく人もせわしなく
少女も重い腰あげて
自分の家に帰ってく
小さな命はいっぱいあって
だけど少女はもう二度と
小さな命に自らの
手を伸ばすことはなくなった
人間は自然にはなかなか受入れられません。
スズメは脚を怪我してて、多分そのうち野良猫やカラスに食べられていたかもしれません。少女がたとえ善意で手を伸ばしても、そんなことスズメにはわからないのです、ただ大きなものから逃れようと、必死に逃げただけなのです。
排水溝に落ちはスズメは不幸だったのでしょうか。
それは誰にもわかりません。溝の中から見える外は、青い空が広がって、木の葉がチラチラ見えるのかも、外はとても騒がしく、とても怖いところだから。
少し木の葉の中で休憩をして、また空を自由に遊べたら、とてもいいような気がします。だから空が飛べるその時まで、すこし眠ったのかもしれません。