表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
moderato.  作者: 奏多
9/56

#9 快晴

「優也、そろそろレッスン終わる?」


「あーそうだね。じゃあみんなでご飯いこ!」



廊下に突っ立っていた私の耳に、学生の会話が聞こえる。



まずい。ここにいたらバレる……!






と思ったが、時すでに遅し。




「……あれっ……あのー、優也に何か用ですか?」



団体の一人が私に気付いて、声をかけてきた。



「え、いや、あの……」


「あっ、もしかして、優也のカノジョさん?」


「うわ、ちょーキレイ……やるねー」



勝手に話をすすめていく彼ら。



早くとめなくては!



「あの、私は……」


「……………何やってんの?」




背後から聞こえてきたのは、昨夜聞いた彼の声。



レッスンが終わり、ドアを開けた彼が、ドアの前でたまっている私たちを見回した。



「おー、優也!今から飯食いに行くから誘いにきたけど、お前カノジョ来てんなら、いーや!」


「だから、私は……」


「カノジョ?」




不思議そうな顔をした彼が、私のほうにゆっくり顔を向けた。




「えっ、香帆さん!?」


「なに、カノジョじゃねーの?」


「ばか。昨日ケータイ拾ってもらったんだょ」



なんかこの状況だと、私が彼に一目ボレして大学まで押しかけたみたいじゃん。



「………」


「あ、そういや昨日の天気予報、はずれちゃいましたもんね。わざわざ大学まで来てくれたんですか?」


「た、たまたまよ。たまたまこっちに用が……」



嘘モロバレだ。



昔から嘘が苦手な私に、彼は温かい笑顔をむけた。



「よかったら、昼ご飯一緒にどうですか?どうって言っても、学内で食べるだけですけど」


「…………」



就職してから、一人で食べることに慣れていた。



しかし誘ってくれた手前、断れない。





「いいよ」




彼と友達に囲まれ、外に出た。




覗くだけのつもりだったのに、帰れなくなってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ