#52 告白
†優也side†
香帆さんが、抱きしめてくれる。
彼女の体温がすごく心地よくて、ものすごく久しぶりに心から安心できた。
きっと、自分が玲子さんの実の子じゃないと知ってからは、こんなに落ち着けることってなかったんじゃないかな。
大学にも大悟たちみたいな友達だっているし、幼なじみの遥だっている。
だけど、いつか彼らも自分から離れちゃうんじゃないか。
みんなには悪いけど、そんな不安はずっとあった。
だけど…………
大悟たちに比べたら、出会ってからまだそんなにたってない香帆さんなのに、
彼女なら、もしかしたら大丈夫かもしれない。
彼女なら、過去や弱い自分を見せても、自分から離れないでいてくれるんじゃないか。
そう思えた。
しばらく抱き合ってて、徐々に気持ちが落ち着いてきた。
冷静になってみると、もしかして今すごく恥ずかしいことしてるんじゃ………
わんわん泣いて、抱きしめてもらって。
やべぇ…急に恥ずかしくなってきた……。
香帆さんはなんだか柔らかくて、ほんのりいい香りがした。
なんだかこのままずっといたい気分になってきた………。
戻ってこい、俺!!
せっかく慰めてもらってるのに、妙な気おこしたら軽蔑される!!!
それからしばらくは理性と欲望の葛藤が続いた。
死ぬ気で妙な欲望を振り切り、なんとか香帆さんから体を離した。
ふっと彼女の顔を見下ろすと、香帆さんはずっと泣いていたのか、目が潤んでいた。
彼女がこんなに親身になってくれてたのに、俺って…………っ!
自分が情けなくなりつつも、最後の最後に誘惑に負け、香帆さんの顔を覗き込んでしまった。
ほんのり紅潮した顔に、上目使いで俺を見つめる目が潤んでて………。
「わっ私………!」
「俺……………」
これ以上、自分の気持ちを押さえ込むなんて、無理だった。
「…………香帆さんが、好きです」




