#34 カクテル
なかなか更新できず、すみません……。
「………本当ですか?」
「もちろん。またさらに力を入れて頑張れよ」
「はい!」
前に優也に手伝ってもらって訳したドイツ語の資料。
あれをもとに交渉していたドイツの会社と、うまく提携を結ぶことに成功したのだ。
晴れてその会社に関する庶務は、すべて私の管理下におかれることになったのだ。
仕事がうまくいった日は、優也の店で高めの酒を飲むのが習慣になっていた。
上機嫌で帰宅の準備をし、いつもの道を歩く。
「今日はなんかご機嫌ですね〜。なんかいいことでもありました?」
やっぱり顔にも出てたみたい。
店に行くとすぐに言われた。
「えー、そんなわかりやすい?」
「はい、かなり。来たときからずっと笑ってますよ」
「うっそ、それはキモいな〜」
だって、仕事でうまくいくのって、生きてる〜って実感する唯一の時なんだから。
「今日うまく商談が決まって、私が管理することになったの」
「へぇ〜、すごいじゃないですか!」
カクテルを造りながら嬉しそうに笑ってくれた顔が、なんかすごく温かかった。
「前にドイツ語助けてもらったでしょ、あれのおかげ」
「いや〜、そう言っていただければ光栄です(笑)」
おどけて言う優也は、本当に日だまりみたいな笑顔をくれた。
なんだろう、こんなに優しく私に笑いかけてくれる人って、いたんだ………。
そんな気持ち。
「じゃ、今日は特別なやつ造ってあげます」
そう言って差し出されたのは、透明のエメラルドグリーンのカクテル。
一口ふくむと、口いっぱいに爽やかな味が広がった。
「ど?」
「……おいしぃ………」
「そ?よかった」
そう言って、またカウンターの仕事に戻る。
それからしばらく無言だったけど、カチャカチャと優也がグラスを洗う音が何とも心地よくて、いつのまにか寝入ってしまっていた。
おそらく、かなりのんびりした更新になると思います。 優也に弾かせたい曲などありましたら、ぜひ参考までに作者まで!




