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moderato.  作者: 奏多
12/56

#12 学園祭

学祭当日。



会社の有給休暇をとって、再び青葉ヶ丘音大に向かう。




わざわざ有給とったのは、少しでもあの忌ま忌ましい派遣社員を見ないで済むのなら、とあえて平日の金曜日に行くためである。




前に来たときより人で賑わっていて、自分の大学時代の学園祭を思い出す。




もっとも、学祭にはあまり真剣に取り組んでもなかったし、少し顔を出すくらいでほとんど参加していないに等しかったけど。




「あれ、香帆さん?」



ぽ〜っと歩いていた私の背後から、明るい声がした。




「あ……えーっと、優也くんの…………」


「幼なじみの、久住遥です!香帆さんも見に来られたんですか?」




そうそう、たしか久住さんだった。相変わらず明るい子だ。




「見に………って、何を?」


「《千崎優也(ピアノ科首席)と学内オーケストラ夢の共演・ピアノ協奏曲をあなたに》です!」



と言って、おもむろにチラシを取り出した。




この学祭でも目玉イベントらしく、カラープリントの黒いチラシには、ピアノを弾く燕尾服の優也と、ゴージャスな楽器をかまえたオーケストラの写真が、大々的に載せられていた。




「首席なの?」


「はい。まだ3年ですけど、彼がトップなんです」




よほど嬉しいのだろう、頬を緩ませて笑っている。




「見にいくって言っちゃったし、行くつもりだけど………」




彼女はおそらく、彼のことが好きなんだろう。




若いっていいなぁ…と、いやに年おいた発言を心の中で呟く。




「じゃ、行きましょう!もうすぐ始まっちゃいますよ」




半ば強引に引っ張られながら、彼のために必死な彼女に、少し苦笑した。

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