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第1話

はじめまして、坂井です。

この作品を読みに来て下さり、ありがとうございます。

初めての投稿で少し緊張してます。

「秘密の親友 ~勇者と魔王~ (男ver.)」は、長編小説を書いている合間に、気分転換で書いた作品であり、設定が殆ど無く、完全に流れで書いた作品です。

この作品は既に最後まで書き終わっており、全10話、約25000文字の比較的簡単に読みきれる作品だと思います。

是非最後までお付き合いください。よろしくお願いします。

 ――魔王城。いったいどんな方法で作られたのか、それは魔王以外誰も知らない――とされている。

 城壁は城の周囲を正方形に囲い、監視塔が四隅に建っている。城壁内には巨大な塔が4基。4基の塔の中心には空中回路で繋がった、魔王が住んでいる超巨大な塔が1基。計5基の塔が堂々と建っている。5基の塔は下から見上げても先端が見えない。仰角(ぎょうかく)は90度に(せま)るだろう。

 そんな超巨大な塔の最上階に、全身を鎧で包む1人の男が到達した。塔内の構造を熟知しているかのような速度で最上階まで駆け上がり、道塞ぐ魔物どもを蹴散(けち)らしていた。

 彼は一際大きい扉の前まで来ると、遅れて走ってくる仲間と共にその扉を押し開く。

「起きてるか魔王! 今回こそは勝たせてもらうぞ!」

 彼はそう叫ぶと、小さなアパートが丸々入りそうな部屋の中へと突撃した。その部屋は薄暗く、壁に取り付けられた蝋燭(ろうそく)(あかり)は妖気な明るさを出している。

 部屋の奥には魔族の幹部と思われる者たちが立っている。彼らは王座に座る魔王と呼ばれた男を守るように構えていた。自分の座高以上の背がある王座に座る魔王も、部屋に入ってきた先頭の男と同様に全身鎧姿だ。

 魔王は立ち上がり、数段高いその場所から部屋に突撃してきた男に言い放つ。

「だぁれが寝て待つかぁ! 俺はそこらにいる爺どもより爺だが、そこらの若造どもより動けるわぁ! 勇者こそ足腰ガクガクのカクカクじゃねえのかぁ? 俺に4連敗中だろぅが!」

 部屋に突撃してきた男は、魔王に勇者と呼ばれる。

 勇者と魔王は昔から幾度となく殺しあってきた。2人の成績は1310勝対1313勝。現在魔王が僅かに勝ち越している。

 何故、勇者と魔王はこれだけの殺し合いが出来るのか。それは勇者と魔王が不老不死の力を持つからだ。彼ら2人の容姿は若々しさに満ち溢れている。そして絶世の美男子でもある。

 すれ違う女性は誰しもが振り返り、男性ですら見惚れる容姿。生きているだけで常時【魅了】(チャーム)の魔法が発動しているかのようだ。

 勇者と魔王は絶世の美男子ではあるが、2人が勇者や魔王としての役割を(まっと)うしている時に人の目があるならば、2人は人前で決して兜を取ることはなかった。そのため、容姿に惚れる人間と魔人たちは、その人が誰なのかを知らない。

「はっ! 魔王は俺の実力を知らないわけが無いだろう? 前回など実力の50%も出してないぞ!」

「あぁ~……。そういえば前の戦いでは勇者の腹はゴロゴロピーで、まともに歩けもしなかったなぁ! その時こそまさにガクガクのカクカクで、生まれたての子鹿みたいだったぞ。あれは傑作だった」

「うるせぇ――っ!」

 部屋に魔王と部下の笑い声が響く。勇者は息を荒げ、顔を赤くしながら剣を抜き放つ。それに合わせて勇者の仲間たちも各々の武器を構える。それを見た魔王の部下たちも武器を構えた。

 何度も殺しあっている2人だが、その期間実に1000年を超えている。勇者もしくは魔王が戦いによりたとえ死んだとしても、勇者は人間が住む大陸――人間界に存在する『光の神殿』で、魔王は魔人が住む大陸――魔人界に存在する『闇の神殿』で蘇る。だからこそ、1000回をも超える勝敗がつくのだ。

 2人が戦い続ける理由、それは至極単純だ。人間たちは勇者に頼って悪の思想を持つ魔人たちをこの世から抹殺し、平和な世界を築こうとするから。魔人たちも人間と同じ理由だ。魔人族の最高戦力でもある魔王に頼り、悪の思想を持つ人間たちをこの世から抹殺して平和な世界を築こうとしている。互いに同じ目的ではあるが、日常での考え方の違いや見た目の違いだけで異種族を絶滅させようとしているのだ。

「覚悟しろ魔王! 俺は新たな必殺技を身に付けてきた! 必ずお前の5連勝を止めてやる!」

「勇者様! 魔王を頼みます! 私たちは周りの雑魚たちを殺してみせます! 行くぞお前たち!」

「おぉ――っ!!」

 勇者の仲間たちは、魔族の幹部たちに向かって攻撃を仕掛ける。それを迎え撃つ形で魔族たちも動き始めた。

「それは楽しみだなぁ! どっからでもかかってきやがれぇ!」

「魔王さま! 勇者のやつを頼みます! 必ずやこのもやし共を成敗してみせましょう! 突撃ぃ――っ!」

「おぉ――っ!!」

 自分の仲間たちが戦うのを余所(よそ)に、勇者と魔王は王座の前で対峙(たいじ)する。

「魔王。今度という今度はお前に支払わせてやる。お前のせいで……勇者なのに…………勇者なのにお財布がすごく軽かったんだぞ!」

「くっくっく。あれは絶品だった。……勇者よ。今回も貴様に奢らせてやる。ありがたく思え!」

「そんなの嬉しくねぇ!」

 勇者と魔王は他の誰にも聞こえないような声で話す。

 この世の誰も知らない――誰にも知られてはいけない秘密が、勇者と魔王にはあった。

 2人はジリジリと近づく。勇者が剣に魔力を込めると刀身が光り輝く。勇者の剣は硬度と切れ味が増していった。魔王が右手を横に伸ばすと、手には黒い槍が握られている。魔王の槍は禍々しい魔力で覆われ、一撃の破壊力が高まっていった。

「行くぞ魔王!」「行くぞ勇者!」

 2人が駆ける。

「今度こそ――」「今度も――」

 武器同士が衝突し辺りに魔力風が吹き荒れる。

「奢るのは、お前だ!!」

 勇者と魔王の殺し合いが始まった。


最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

数日内に全10話を投稿しきるつもりです。

次話もよろしくお願いします。

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