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朝起きたらスーパー〇〇〇人になっていた件について  作者: 如月


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第1話 覚醒

俺は三谷恵一、しがない中年のサラリーマンだ。


今朝変な夢を見た。


光り輝く雲の上のような場所にいる。

そう、まるで天国のような所だ。


そこにまさに女神のようなきれいな女性がやってきてこう言うのだ。


「あなたは選ばれました、何か一つだけ願いを叶えてあげましょう」


「うーん、これは夢か…?」

とっさに頭を過った。


というのも俺は時々夢を夢だと気付く夢「明晰夢」を見ることがある。


だからなんとなくこれも夢であるという気がした。


でも夢の中だとはいえ、女神さまが何か願いを叶えてくれるというんだからとりあえず何か願い事を言っておかないと損だと思い一つ願い事をすることにした。


俺はド〇ゴンボールの大ファンで、子供の頃はカ〇ハメ波の練習を毎日していたほどのオタクだった。


そんな中で初めて主人公が金髪になり髪が逆立ち、オーラを纏う変身を見せたときはカッコよすぎて失禁しそうになったものだ。


よし、どうせこれは夢だし、現実的な願い(金とか)よりもスーパー〇〇〇人になれるようにお願いしよう。

決断するのに時間はかからなかった。


「スーパー〇〇〇人にしてください」


女神様は

「わかりました」と言ってその後も何か言っていた気がするが、そのまま意識が遠のいていく。


夢の中でこれを夢だと気付くと大体その夢は長く続かない。

それからしばらくして目が覚めてしまうものだ。


「ああ、とりあえず目が覚める前に願い事を言えてよかったな」と思いながらいつものベッドの上で目を覚ました。


変な夢だったなあ…なんて思いながらも今日は平日、会社に出勤しなくてはいけない。


身支度を整えて家を出ることにした。


俺には会社に向かう途中の1つのルーティンがある。


それは会社まで徒歩五分くらいの場所にあるコンビニでコーヒーを買って飲むことだ。


いつも通り俺はコンビニに入る。


ただこの時たまたま偶然朝の夢のことを思い出した。


そういや女神っぽい人にスーパー〇〇〇人にしてくれとか頼んじゃったな…アホらし

自分で言っておいてなんだが、あまりにもくだらない願い事過ぎてクスリと笑ってしまう。


コーヒーのカップを受け取りマシンにセットし、「よし俺はスーパー〇〇〇人だ!」なんて思いながら意気揚々とコーヒーマシンのボタンを押した。


すると

「バキバキバキ!」

大きな音とともにマシンに手がめり込んだ。


「嘘だろ?なんだこれ!?」


正直意味が分からなかった。


即座に店員がやってきたので事情を説明する。


「あ、あの…普通にボタンを押したらこうなってしまいまして…」


店員はいぶかしげな顔をしながらこちらを見る。


「普通にボタンを押しただけではこうはならないと思いますが…」


確かに店員の言うことはもっともだ。

誰だってそう思う。


普通にボタンを押しただけでこうならないどころか、何か道具を使ってぶっ叩きでもしないとこんな壊れ方はしないだろう。


「しばらくお待ちください」店員はそういうと裏に下がっていった。


俺もさすがにこの状況を放置していくわけにもいかず、しばらく壊れたコーヒーマシンの前で待つしかなかった。


数分後コンビニの前にパトカーが到着する。


このことを予感していなかったわけではないがパトカーを目の当たりにしたことで血の気が引く。

警察沙汰になってしまった…


ただいつものようにコーヒーを飲もうとしただけなのに、どんどん事が大きくなっていることに覚えようのない恐怖が全身を包む。


当然だが俺は警察に厄介になったことはない。


しかし警察はなぜか苦手だ。本能的なものと言ってもいい。


車の交通違反でパトカーに乗せられた時でさえ手が震えたくらいだ。


そんな俺が今回は器物破損事件としてガチで取り調べを受けるかもしれない…


やがてパトカーから降りてきた警官2人が店内に入ってくる。


「あーこれは酷いね、なんでこんなことしちゃったの?」


「い、いや、普通にコーヒーを飲もうとボタンを押したらこんなことになってまして…」


「そんなわけないでしょ?なんかむしゃくしゃしてることでもあった?」


当然のように俺の主張は無視される。


「それにしてもなに使ってこんな風にしちゃったの?まあいいや、とりあえず詳しい話は署の方で聞くからパトカー乗って」と警官は言う。


「いや、その前に会社にこの件を報告してきてもいいでしょうか?会社この近所なんで…」とっさに俺の口から出た。


そう、もうとっくに出社時刻は回っている。


このままだと遅刻扱いになる、いや場合によると無断欠勤になるかもしれない。


冷静に考えればそんなことは今の状況にとってはどうでもいいし、全てが済んだ後で報告すればいいはずなのかもしれないが、頭の中がテンパりすぎていて「遅刻だヤバイ

」という考えが頭の中をグルグル回っていた。


社畜根性が染みついていたからかもしれない。


「まあいいから」そう警官が言い放ち、唐突に右手を掴まれた。


俺は突然のことで反射的にその手振り払おうとした。


「ガシャーン!」


手を掴んでいた警官が吹っ飛んで商品棚に激突し、商品が散乱している。


「バカな…軽く手を振り払っただけだぞ、人間があんなに簡単に吹っ飛ぶか!?」

俺は心の中でそう思ったがそれと同時にある疑念が頭をよぎる。


すかさずもう一人の警官が外に飛び出してパトカーの方に向かう。


どうやら応援を呼ぶようだ。


同僚の警官の吹き飛び具合を見て、「こいつは手に負えない」「危険人物だ」と判断されたのだろう。


気が動転して軽くパニック状態になった俺はコンビニを飛び出した。


ここで逃げたら状況は悪くなる一方だろうが、この時の俺はそんな冷静な判断を下せるような精神状態ではなかった。


走りながらも無意識にパトカーにいる警官の方に目が行く。


すると僅かならがら車のガラス越しに映った自分の姿が目に入る。


そこでいつもの見慣れた自分の姿とはまるで違う姿を目撃することになった。

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