表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

不良なんだ……よ、ね……?

予想外の学校案内


 ――あれ?

 心臓がどくんと跳ねた。


 そういえば……先生が「気をつけろ」と言っていた名前。

 三日月彼方と、九重遼。

 まさに今、目の前にいるこの二人じゃないか――!?


 ボクはひとりで「わ、わ、わ……」と頭の中で混乱していた。

 だが、そんなボクの動揺なんて気づかないふうに、彼方くんが言った。


 「じゃあ――当初の目的通り、学校案内するか」


 そう言って、すたすたと歩き出す。遼くんも「そだなー」と元気よく後に続いた。

 仕方なくボクも二人の背中を追いかける。



---


案外ふつうの二人


 二人は廊下を歩きながら、教室や図書室、理科室、体育館――ごく普通に学校を案内してくれた。

 不良どころか、むしろ面倒見がいいようにすら見える。


 休み時間が残りわずかになった頃、彼方くんが振り返って言う。

 「今日はこれくらいでいいか。教室戻ろう」


 「ん〜、そだなー。お、蒼も行こうぜ!」

 遼くんが笑顔で声をかけてくる。


 名前を呼ばれた瞬間、胸が妙に熱くなるのを感じて、ボクは慌てて小さく頷いた。



---


次々と


 三時間目の休憩時間。

 また二人がやってきた。


 「そういやトイレの場所、教えてなかったな」

 そう言って、また手を引かれて立ち上がらされる。

 「ちょ、ちょっと……!」と抵抗もむなしく、廊下へ連れ出される。


 四時間目が終わると、次は彼方くんが声をかけてきた。

 「学食案内してやるよ」

 またも手を掴まれ、そのまま引っ張られる。


 結局、二人と並んで学食で昼食をとることになった。

 緊張して味なんてよくわからなかったけれど、二人の笑い声に囲まれていると、不思議と嫌じゃなかった。



---


お昼休み


 「よし! まだ案内してねー場所あるからな!」

 昼休みになると、また二人がボクを迎えに来た。


 「わっ……ま、また……」


 けれど二人は笑顔で、当たり前のようにボクを連れ出していく。

 教室の扉の向こうで女子たちの「またあの二人……!」という声が聞こえた気がしたが、もう気にする余裕なんてなかった。


 ただ――胸の奥で、小さな灯りがともるような感覚があった。

 「不良」だと決めつけていた二人に囲まれている時間が、いつの間にか少しだけ楽しいものに変わっていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ