言葉にするということ
「……ボク、クラスで……彼方くんに幻滅されたって思って……」
喉が詰まる。でも、止められない。
「でも、自分では何も言えなくて……ただ……二人には嫌われたくなくて……ガッカリされたくなくて……!
ボク、これからもっと自分に自信持てるようになるから……お願い、嫌わないで……見捨てないで……!」
早口で吐き出した。声が震えていた。
言い終わった瞬間、彼方くんと遼くんは同時に大きなため息をついた。
あ……またガッカリされた……?
胸が冷たくなる。
その瞬間――。
「いだっ!?」「あ、痛っ!」
右の頬を彼方くん、左の頬を遼くんに同時にむぎゅっと引っ張られた。
「い、痛い痛いってば!」
二人は顔を見合わせ、苦笑しながら言った。
「ほんと、蒼はバカだな」
彼方くんが肩を落とす。
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ボクは泣きながら、二人にぎゅっと抱きついた。
嗚咽混じりに震える体を、彼方くんの手が優しく撫でる。
「……蒼にガッカリしてたら、この場所を見せるわけないだろ」
彼方くんの低い声が頭上から降ってきた。
「それに、ガッカリなんてしてねぇ。
クラスであのまま残ってても、余計に話がこじれると思ったから、遼と一緒に出ただけだ」
撫でる手の温かさに、胸がじんとする。
「……もし、それが蒼を苦しめたんなら……悪かったのは俺たちの方だ」
彼方くんの言葉に、ボクの目からまた涙があふれた。
でも今度の涙は、苦しさよりも――温かさに溶かされた涙だった。




