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転生しても俺は魔法が使えない  作者: 佐佑左右
ボーイフレンド(仮)
16/54

第16話「でも断るわ」

「これは推論なのだけれど」


 俺が黙考していると、いい加減焦れたのかこちらの返事を待たずにそう切り出した。

 どうでもいいが目まぐるしく話題がローテーションするせいで頭が混乱してきた。


「死神は何か別の目的があって、そのために私達を利用しようとしているんじゃないかしら」


 耳に刺さる言葉だった。あいつらにそんな思惑はないと思いたいが、しかしそう断言できるほどの根拠もまたないのが事実だ。


「そうでなければ私達の記憶や肉体情報を引き継がせたり、ましてや異能力を授けたりしないはずだもの」


 ……ん、ちょっと待て、今何かおかしな単語が聞こえたぞ。異能力だとかなんとか。


「何を呆けているの? 貴方も死神から授かったでしょう。異能力を」

「授かったというよりは、無理やり貸し付けられたといった方が適切かもね」

「俺だけじゃなかったのか……」


 呆然とする。てっきり自分だけが死神から異能力を受け取ったと思っていたのにこの仕打ちときたもんだ。これじゃあ異能力のバーゲンセールじゃん。


「……貴方もしかして、自分だけが何か特別な存在だと思っていたのかしら?」


 ええ恥ずかしながらその通りでございますですよ畜生め。


「止めておきたまえ。彼は厨二病とやらに罹患しているんだ、もう手の施しようはない」


 ぐふぅ、抉るな、俺の繊細な心をこれ以上抉ってくれるなロリ先輩。おかげで肺に穴が空くかと思ったわ。

 そういやネットの小説でよく「批判や中傷は止めてください、作者のガラスのハートがブレイクしま……げふんげふん」という注意書きがあったりするが、何でどいつもこいつも揃ってこんな感じの文句なの? 

 ブロークンハートとかまんまだろ。


 閑話休題。

 二人の話から事のあらましが見えてきた。

 それを理解すると共に、やはり俺はこの部に所属した方がいいと判断する。

 というのも、今し方の会話で死神に対する猜疑心が植え付けられてしまった。

 相手方の思惑が明らかでない以上、情報を共有する者同士で協力した方が得策だと考える。

 赤信号みんなで渡れば怖くないという間違った格言もあることだし。


「……なあ」


 部長とロリ先輩が同時にこちらを見る。

 そのストレスで腸内にガスが溜まってきやがった。

 やばい出そう。堪えろ。


「やっぱり俺——この部に……、魔法使えない部に入部したい!」

「……そう、そうよね」


 部長は俺の決意表明を聞くと静かに首肯し、


「でも断るわ」


 と正面からバッサリ切り捨てた。

 【悲報】物語終了のお知らせ。  

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