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4 E=MC^2

馬車に乗り1時間ほど駅に着いた。

「なんか、あまり、活気がありませんね」

「しょうがないさ、うちの領地は人口が少ないからね」

…駅の周りには数件の宿谷があるだけだ

感じの駅はそこそこ立派だが…そこそこどまりだ。

「次の列車まであと10分ほど、割とギリギリでしたね」

「それはレイエアが遅かったせいだろう?何をしていたんだ」

「ちょっと、この世界の未来について考えを巡らせていて」

「全く、何をいっているのだか」

「ところで兄さま、今更ですが、伯爵家なのに使用人が少なすぎませんか?というか馬車の護衛すらいないのは流石に予想外でしてよ?」

「…まあ、色々と事情があるんだ、別に資産がないわけではないんだけどな、ちょっと政治的に、ね」

…パウル伯爵家は色々と複雑な事情を抱えているらしい、これは学園についてからも色々ありそうな予感…

そう言えば、ついぞお父様とお母さまに直接会うことはなかったなぁ、そこら辺の事情のお兄様は教えくださらないですし。

と、そんなことを考えていたら列車が見えてきた。

「あれが列車ですか」

「そうだ、すごいだろう」

魔素で駆動する列車、通称「魔列車」。

そのフォルムは、前世の高速鉄道と蒸気機関車をフュージョンしたようなフォルムだ。

「以外と速そうですね」

「ああ、魔法鳥の半分くらいの速度は出るよ」

ということは時速150kmほど、中々に早い、王都まで2時間くらいでついてしまいますね。

列車が停止しドアが開く。

「さぁ、行こうか」

「はい、お兄様」


「あれが王都ですか…」

列車に揺られて1時間半ほど、王都が見えてきた。

なんというかでかい、予想以上にでかい。

高さ十数メートルの壁で楕円形に囲まれた中に石造りの建物がひしめき合っている。

「世界有数の経済大国、ポロ王国の王都だからね、壮観だ」

中心部にはゆうに高さ100mは超えていそうな荘厳な王城がそびえたっているのが見える。

領地では一面の畑、森、という感じであったからすごく新鮮だ。

「あそこに学園があるんですね!」

「ああそうだ、この国最高峰の教育機関かつ研究機関だ」

研究機関、つまりこの世界の最新の知見が得られる場所かぁ。

はてさて核物理の分野はどこまで進んでいるのやら、案外核分裂くらい予言されているかもしれない。

「ではここで最新の物理学が学べるのですね!」

「えーと」

「?」

「…学園の教育も研究も魔法が中心でな、そいうい理学系の学問はあまり、な」

「へ?」

「基礎的な四則演算に、高学年では微分積分?とやらをやるらしいが、他には基礎的な力学をすこしな」

…つまり科学水準はニュートンの時代、程度…と

…はぁ、まあニュートン力学と微積の素養がある点は最悪という程でもないですね。

…というかそれぐらいないといくら魔法の産物だとしても列車は運航できませんよね。

そんなこんな考え込んでいたら学園前駅に到着しました。

「さあ行こう、レイエア」

「はい、お兄様」

さあ、いざ学園へれっつらごー。



学園、まあ想像通りのクラシカルな大学のようなものでした。

今現在はお兄様と離れ自分のクラスを探しています。

えーと1年A組は、ここですね!

とりあえず見つけた自分のクラスの教室。

「お邪魔します!」

挨拶と共に引き戸を引く。

シーン

中には誰もいな…いや一人、教室の右奥の席に座る人影。

「こんにちわ」

「…」

近づいて挨拶をするが無視される。

近くまで来て分かったが黒髪の少年だ。外見はまあ、びっくりするほどの美少年、だが少し影がある感じ。

ふと、その少年が机に置いたあるものを見つめていることに気が付いた。

「…緑魔石?」

そうあのウラン鉱石ならぬ、緑魔石であった。

と、突然少年がこちらも向かず問いかけてくる。

「お前、これがなんだかわかるか?」

これって、緑魔石のことだよね。

「俺は、この悪名高い石、なぜか緑の怪物たちに守られるこの石ころに…何かあるのではないか、と考えている、この世界を救う、何かが」

いやいきなり世界を救うって、それどこから…いや、そうか!

「ちっ、喋りすぎたか、今のは忘れ」

「大正解」

「…は?」

「…あなたも知っているでしょう、魔素の枯渇問題」

「…何を藪から棒に…それがどうした」

「この問題は世界を終わらしかねない、だから解決して、世界を救いたいんでしょ?」

「…だったらどうした」

「その石にはそれを解決する可能性を秘めているんですよ?」

「…何?」

「E=MC^2」

「な…んだ、なんの方程式だ?」

「Eはエネルギー…ジュールです、Mは㎏、Cは光の速度です」

「エネルギーと重さが本質的には同じだと、そう、言いたいのか?それに光速とはなんだ、光がエーテルを伝わる速度か?」

「まあ、エーテル云々は置いといて、光速は3×10^8m/sです」

「なぜ光の速度など知っている?…待て、その値が先ほど方程式に入ると?」

と彼は考え込んで

「質量をエネルギーに変換、つまり物質をエネルギーに変換できれば膨大なエネルギー量となる、だ、と…!?」

「それが実現できれば、エネルギー問題の解決の糸口がつかめると思いませんか?」

「しかし、どうやって物質をエネルギーに変換などという奇跡を…」

「答えはその緑魔石、いえウラン鉱石にありまして、ね」

「この石に…やはりなにかが」

「ねぇ、手を組みませんか?」

「なんだ、相変わらず当然…、確かに興味深い話ではあったが」

「私はそのウラン鉱石からエネルギーを取り出す方法を知っています」

「それは…本当か?」

「本当ですよ、でも一人では困難です、仲間が必要です」

「さっきの話の真偽は置いておいて、なぜ俺…なんだ?」

「ふ、スタンド使いとスタンド使いは惹かれ合う」

……

「は?」

「…こほん、だってあなたも持っているのですよね…イデアスキルを?」

「…なるほど、「あなたも」ということは、お前も持っているのだな」

「もちろんです」

「…自己紹介をしよう、俺はリク・ガナード、イデアスキル【ユミル】の持ち主だ」

「私はレイエア・フォン・パウル、イデアスキル【プロメテウス】の持ち主です」

「プロメテウス、人類に火を与えた神、か」

「ええ、だから私もこの世界の人類に核エネルギーという火を与えるのです、それによってエネルギー問題は解決され、世界は夜明けを迎える、言いなれば…」

「…なんだ?」


「プロメテウスの夜明け、でしょうかね、一緒に、世界を、救いましょ?」


取り敢えず、使えそうな仲間一人、ゲットです!


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