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バナナボートで異世界へ  作者: 秋野 木星
第二章 王都への旅 VS 古民家改修
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再びオータムの町へ

「あの魚、うまかったけど、ちょっと気味悪くね?」


リノが見つけた二匹の魚に鑑定をかけてみたら、「毒なし、食用可」の文言があったので、お昼ごはんに煮つけにして食べてしまった。


兄が言うように、薄気味悪いものも感じるが、食べ物をくれる人なんだから、そんなに悪い人でもないのかな、と思っている。

美味しかったしね。


しかし買っていた米がなくなってしまった。

あの魚をムニエルにでもすれば、主食をパンにして洋風の献立にしたのだが、いかんせんバターの持ち合わせがなかった。お米もリノ一人で四日は持つだろうと思っていたが、大食漢の兄が合流したので、そらぁなくなるわな。


これは食料の補充も考えて、買い物をするべきだろう。


ちなみに今日の昼食は、ご飯、インゲンとナスの焼きびたし、不思議魚の煮物、でした。

食材のほとんどが、もらい物。ありがたいねぇ。



リノとミノルは自身に身体強化をかけ、走ってオータムの町に向かっている。


拠点になった古民家がセンガル村の東の外れにあるので、東にあるオータムの町に行くのには都合がいい。走りながら、昼ごはんや買い物の話をしているうちに、高原を高速で通り抜け、町の近くにある森を抜けると、あっという間に街道近くの食料品店に着いてしまった。


「へー、ここがオータムの町か。あ、獣人だけじゃなくて外人もいる!」


「外人って、考えたらうちらの方が外人なんじゃ……いや、私と兄貴は宇宙人枠かな?」


「なるー、宇宙人か。ちょっとあがる~」


おかしな兄妹である。



「兄貴、この店が食料品を買いに行ってた店。こんにちは~」


リノとミノルが店に入っていくと、いつもの店員さんがすぐに出てきてくれた。


「……いらっしゃいませ、いつもありがとうございます。今日は、何にいたしましょう?」


昨日、旅人用グッズを買ったリノが、男連れでやって来たことで、少し不思議そうな顔をされたが、そのあたりはプロ、すぐににこやかな顔に戻って対応を始めた。

リノもスルーして、買いたいものを言っていく。


「お米って、一俵がおいくらですか?」


「500バルです」


「じゃあ、小麦粉も同じ値段ですね。米と小麦粉を一俵ずつください。ちなみに、料理に使う薄力粉っておいてます? あったら、それをこのガラス瓶に、2枡ください」


「はい、ございますよ。ご用意しますね」


店員さんは、店の他の人に倉庫から俵を運ぶように言い、自分で薄力粉を2枡量ると、いつもの紙袋ではなく、リノが持参したガラス瓶の中に入れてくれた。


「後は、牛乳をこの瓶に2リットルと、バターをこちらの入れ物に二塊。それに、ニンニクとショウガとワサビがあったら、六個ずつお願いします」


リットルなどの単位は自動翻訳されるようで、リノが思っていた分量の品物が揃った。ニンニクなどは、ナスと同じくらいの値段かな、と思って、偶数で注文してみたのだが、それでよかったようだ。ワサビは、思いのほか高かったけどね。


米・一俵 500バル、小麦粉・一俵 500バル、薄力粉・二桝 20バル、牛乳・2リットル 40バル、バター・二塊 160バル、ニンニク・6個 30バル、ショウガ・6個 30バル、ワサビ・6個 60バル。しめて1340バル也~。


合計金額を聞いた時に、兄がビクリと身体を震わせたが、自分の所持金が1300バルしかなかったからだろう。

大丈夫だよ、兄貴。ここはお金持ちのリノさんがおごってしんぜよう。オ~ホッホ。






この後は、分かれて行動することになった。

リノは家に足りないものを買いに行く。ミノルは領事館に行き、異世界人保護基金の申請をし、その後はギルドで冒険者登録だ。


「じゃあ、ギルドの登録が済んだら、オタケ古着店の辺りにいてね」


「わかった。すぐそばに靴屋と武器屋もあるんだよな」


「うん」


兄のことだから、保護基金のお金をもらったら、最初に武器屋に突撃しそうだ。


ところがそううまくは、いかなかったのである。二人とも忘れているが、トトマス男爵がまだ領地視察中のため、領事館にはいなかった。つまり、ミノルの持ち金は1300バルのままだ。


それからリノは家具屋に行き、ミノルの椅子(1800バル)と自分のベッド(2500バル)を買った。

布を扱っている店では、カーテン生地・2.6メートル(1400バル)とティッシュの代わりに使うためにガーゼ生地・1メートル(300バル)を買った。

てまり屋では、布巾三枚(210バル)、蒸し器(900バル)と大布巾(280バル)、漉し布(150バル)、手拭きタオル二枚(200バル)、ランプの油・一瓶(400バル)、ランプの芯・一巻き(100バル)を買った。


食料を買った後の所持金、53710バル-家具屋、4300バル-布屋、1700バル-てまり屋、2240バル=45470バル←これが現在のリノの所持金になる。


ちょっと買いすぎたかな?



さて、領事館に向かったミノルだが、そこで思わぬ出会いをすることになったのだった。

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