表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の聖女と白銀の騎士  作者: 赤葉響谷
第1章 王都動乱編~後編~
52/192

第19話 激闘を終えて

 結局、私が会場を吹き飛ばしてしまったことにより武術大会決勝トーナメント最終戦は引き分けという扱いになり、その後1週間ほど私は会場の修繕作業に駆り出されることとなるのだった。

 ただ、修繕作業と言っても『転移魔法(テレポーテーション)』で資材を運び、『道具錬成(アイテムクリエイト)』でコツコツと会場を作り直しただけなのでそこまでの重労働を課されたわけではない。

 それに、整地作業などはクロード神父も土魔法を使って手伝ってくれたので、完成した時には以前より会場が綺麗になっていたほどだった。


 ただ、その1週間は授業以外の時間を会場修繕に全て取られた影響でユリアーナ様とはきちんと話を出来ずにいた。

 それに、ユリアーナ様とジルラント様も今まで隠していた真の実力が公になったことで色々とあったらしく、国王様からの呼び出しを受けたらしいという事をドロシーちゃんから教えてもらった。

 それに、私の方も教皇様から呼び出しを食らって厳重注意と再度ユリアーナ様達との接触を自重するよう要請があったのだが、既に私の中で教皇様は悪の親玉判定を出しているので話半分に聞き流し、『こちらから積極的に関わるつもりは無いが、立場上向こうから接触されれば断りづらいので』と言う曖昧な回答でお茶を濁し、どうやって教皇様の魔の手からクロード神父、ミリアさん、ガブリエルさんの3人を守るかに頭を悩ませるのだった。


 それと、あの1戦以来オルランド様の様子が少しだけ変わったような気がする。

 まず、会場を吹き飛ばした責任を当事者である私が取るよう指示を出した際、そもそもこうなったのも自分が私を無理矢理武術大会に出場させたせいだと頭を下げて来たのだ。

 勿論私は『周囲の貴族を押さえるためには仕方のなかった事なんですよね? それに、やり過ぎたのは私の落ち度なのでオルランド様が頭を下げるような事はありませんよ』とフォローを入れたのだが、それでもオルランド様は『そもそも、その貴族達の意見を取り入れるよう助言をもらい、深く考えもせず同調したのは自分の落ち度だ』と頭を上げることは無かった。

 この時、その助言を行った人物が誰なのかは明言しなかったものの、オルランド様は間違った政策を行えば国王にすら意見するほどの人物であることは有名であるため、そんな彼が全幅の信頼を寄せて素直に助言に従うのは幼少から師として崇める教皇様なのだろう事を容易に察する事が出来た。

 それに、この武術大会出場も教皇様の差し金だと知り、『何か他に言われたことは無いか?』と探りも入れてみたが、特に何か言われているわけでも無いらしかったので純粋に私や実力を隠しているユリアーナ様達の力量を測る事が目的だったのだろうと解釈することにした。

 あと、これからもその助言をくれた方の意見を聞き続けるのかという問いには、一言『分からないと』と悩む心中を語った上で、『一度ジルラントやユリアーナとしっかり話をしてみるつもりだ』とも語ってくれたので、この先3人の関係が少しでも良いものになれば良いな、と願わずにはいられなかった。


 そう言えば、試合終了後案の定クロード神父に『あの人型魔道具は何だ?』というところから始まり、『素材はどうやって集めた?』、『本当だったらあの時何をするつもりだった?』と散々質問攻めにあい、最終的には『どうしてあんな物を作ったんだ』とか、『そもそも何で俺に隠してた』や『危険性が無いかろくに試運転もせずにいきなり実戦投入するやつがあるか』と散々お叱りの言葉を受ける事になった。

 だが私にだって言訳はある。

 そもそも、あんな人型ロボットなんてこの世界では明らかなオーバーテクノロジーをそう簡単に広めるわけにも行かないので、アレは本当に単純な趣味で作っていただけの物だったのだ。

 それが、ユリアーナ様と言うもう1人の転生者が現れた事で、『同じ転生者だったらこのロマンを共有してくれるはず!』とか、『基のゲームを知ってる相手でも流石にこれは見た事無いだろうから自慢したい!』と言う欲求に負けてしまったのだ。

 それに、これだけは下手に誰かに見つかって大事にはしたく無かったので、そもそも20m以上はあるあの試作1号機を簡単に動かしてみることも出来ず、今までろくに性能テストを出来ずに終わっていたのだ。

 ただ、今回の失敗で見えたこともある。

 そもそも、今回の試作1号機では動力に魔石を複数固めて作り出した魔力核と言うアイテムを使用したのだが、やはり元々がそこまで貯蔵魔力量が高くない魔石が原料であった影響か、少し強く魔力を込めただけで直ぐに限界を迎えてしまった。

 本当は最初から起動に必要な魔力を魔力核に貯めていれば問題は解決するのだろうが、今回の試作1号機では起動に必要な魔力量がほぼ魔力核に蓄積出来る魔力量と同じなため、起動時から常に魔力を流し続けないと起動後直ぐに動かなくなってしまうのだ。

 それに、魔力核に魔力が満タンの状態で魔力を流すと今回のように炉心が暴走を起こすので、現況の素材で作れる機体では起動時に必要な魔力を随時供給した方が効率が良かったのだ。


(でも、それじゃあ今回みたいに何らかの拍子に魔力を過剰供給しちゃうと爆発しちゃうし、起動時の安全性を確保するためにも魔力核の改善は必要だよね。それに、試作1号機は稼働に必要な魔力供給の関係上最大でも10分間しか起動できない計算だったし、そこら辺もちゃんと考える必要があるかも)


 なんて事を考えながら、いずれ完成品を作る気でいる私だったが、その完成はしばらく先のことになるだろう。

 そもそも、今回の1件でほとんどのパーツが再利用不可能なレベルまで破損してしまったし、特にクロード神父から作成を禁止されたわけでは無いが今回の爆破騒ぎがあった以上あまり大々的に作業をやってもいい顔をされないはずだ。

 それに、国に私が謎の技術を持っていること知られてしまったので、アレは偶然出来ただけで再現不可能な技術だと押し通さないと後々面倒事が増えそうなので、これからも開発は人目に付かないようひっそりと行う必要があるのだ。

 もっとも、素材さえ集めれば『大体こんな感じのやつが作りたい』と想像するだけで『道具錬成(アイテムクリエイト)』が各種パーツの生成と本体の組み立てを行ってくれるので、私に技術的な知識は一切無いので技術的にアレを再現しろと言われても不可能なのだが。

 それと、実は私の『収納空間(アイテムボックス)』の中にはまだいくつかとっておきの魔道具が眠っているのだが、どれも試運転をしていないので今度お披露目する機会があるのならばその前に起動テストだけはしておこうと心に決めたのだった。


 そうして7月も下旬に入り、1学期が終了して夏期休暇の期間に突入することになる。

 この期間中、生徒のほとんどは実家に戻るか何処かに旅行へ出かけてしまうため、学院に残る生徒はほとんどいなくなってしまう。

 だが、私は別にブルーロック村に戻る必要が無い(唯一身内のような関係であるクロード神父が一緒にいるため)ので、この機会にエルトナド村にいるガブリエルさんを救出してしまおうかとも考えたが、もしガブリエルさんがエルトナド村を離れれば残された村人に危険が及ぶ可能性が高いのと、私が教皇様に敵対したことが明るみに出ることで向こうがどう言った手段を取るか分からないので一旦保留とすることにした。

 そのため、特に夏期休暇中やることも無いのでレベル上げでも頑張ろうかと考えていると、オルランド様を通じてユリアーナ様から王家の別荘があるメルポティシアへ一緒に行かないかとの誘いが舞い込んできた。

 正直、教皇様の目がある中大丈夫だろうかと心配はしたが、オルランド様が武術大会決勝トーナメント最終戦で戦ったチームが互いの健闘をたたえ合うため、夏期休暇中に交流会や強化合宿を開くのはそれほど珍しい事ではないのだと教えてくれた。

 そのため、この機会にユリアーナ様から色々と情報が聞き出せるかも知れないと考えた私は、二つ返事でこれを了承することにした。


 こうして、決勝トーナメント最終戦で戦った私、オルランド様、ユリアーナ様、ジルラント様、ドロシーちゃん、ライアーくんに加え、何故かクロード神父とミリアさんも一緒に王家が所有する別荘へと向かうことになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ