第10話 穏やかに過ぎる日々
生徒会室に呼び出された日から約2週間、特に問題も起こること無く穏やかな日々が過ぎて行った。
この間、戦闘訓練科目の実施や生徒会の依頼によるダンジョン探索によって経験値を得られるようになったものの、やはりと言うべきか遭遇する魔獣が弱すぎるため一桁しか経験値を得られず、まともにレベル上げを行う事が出来なかった。
ただ、購買部から要望される素材探しにはドロシーちゃんも同行してくれて、初めて同年代の同性と一緒にダンジョン探索を行うと言う貴重な体験を出来たので個人的には楽しい時間を過ごすことが出来た。
そう言えば、この3年間、確かにほとんど経験値を得る機会が無かったのでレベルは変わらないものの、全く何も変わっていないと言う事でもないので現在のステータスを紹介したいと思う。
アイリス Lv.202(次のレベルまで3,937)
(能力情報)属性:星・人/竜 疲労度:― 疲労補正:0%
適性武器:剣 適性クラス:剣士、騎士、竜王
体力:20,120/20,120(10,060) 魔力:12,000/12,000 技巧値:300/300
攻撃力:11,242(3,042)+10,100 魔法力:16,402(6,102)+6,060
防御力:17,014(4,814)+2,020 俊敏力:16,081(5,481)
(装備)
武器:
神刀『三日月』
防具:
竜姫の礼服
竜姫の足具
アクセサリー:
幸運の指輪
戦神の祝福
ドラゴンハート
(状態)
【疲労無効】【全状態異常無効】【CP自動回復】
【弱体無効】【HP自動回復(極大)】【竜皮】
(習得魔法)
聖なる矢 熟練度10/10 MP25
聖なる槍 熟練度10/10 MP65
聖なる翼 熟練度10/10 MP90
聖なる光 熟練度10/10 MP250
漆黒の矢 熟練度10/10 MP25
漆黒の槍 熟練度10/10 MP65
漆黒の翼 熟練度10/10 MP90
漆黒の光 熟練度10/10 MP250
混沌なる光 熟練度10/10 MP520
小四大属性 熟練度10/10 MP40
中四大属性 熟練度10/10 MP130
大四大属性 熟練度10/10 MP250
極四大属性 熟練度10/10 MP450
回復魔法 熟練度10/10 MP30
自動再生 熟練度10/10 MP150
範囲回復魔法 熟練度10/10 MP285
光の加護 熟練度10/10 MP20
希望の光 熟練度10/10 MP200
闇の霊気 熟練度10/10 MP20
絶望の闇 熟練度10/10 MP200
転移魔法 Lv.Ⅹ MP200
創造魔法 Lv.Ⅹ MP360
幻影魔法 Lv.Ⅹ MP200
武器破壊 Lv.Ⅹ MP400
魔獣召喚 Lv.Ⅹ MP2,000
(習得技能)
ドラゴンスクラッチ MP300
ドラゴンブレス(小) MP500
ドラゴンブレス(中) MP800
ドラゴンブレス(大) MP1,200
ドラゴンブレス(極大) MP2,000
エリアバースト MP3,800
エナジーブラスト MP4,500
クイックチャージ MP???(ブレスの消費魔力×2)
フライ MP100
トランスポート MP1,200
テレパシー MP10~(念話を繋げる対処との距離により消費魔力が上昇)
(保有スキル)
【特殊】
次元の支配者 Lv.Ⅹ
創造者 Lv.Ⅹ
変質者 Lv.Ⅹ
破壊者 Lv.Ⅹ
召喚者 Lv.Ⅹ
竜の魂
完全なる肉体
【パッシブ】
属性支配者 Lv.5/5
解析者 Lv.5/5
縮地 Lv.5/5
不屈
回復魔力量向上(大) Lv.5/5
消費魔力軽減 Lv.5/5
心眼
収納空間
道具錬成
慧眼
装備破壊耐性付与
召喚魔獣強化
【戦技】
解析技巧 CP5
流水 Lv.5/5 CP30
分身 Lv.5/5 CP50
空間転移 CP30
物質変換 CP100
蜃気楼 CP60
寸勁 CP70
召喚魔獣狂化 CP100
見て分かるとおり、私はレベルアップで大幅に上昇した魔力を使って覚えられる残り2つの【特殊】スキル、『破壊者』と『召喚者』を習得したのだ。
正直、どちらかはハズレスキルかもしれないと半ば博打のつもりで習得した物だったが、幸いどちらも取得と同時に魔法を覚えて極めると同時に【パッシブ】と【戦技】を獲得するタイプで、覚えた魔法とスキルもそこそこ使える物だったので魔力を無駄に浪費せずに済んだ。
先ずは『破壊者』についてざっくり説明して行くが、この【特殊】スキルにより習得した魔法、『武器破壊』はライアーくんとの一件で発動したように相手の武器を破壊する魔法だ。
一気にレベルを上げてしまったので確認はしていないが、恐らくはレベルが上がるごとに魔法の成功率が上がって行くタイプで、現在相手の武器に破壊耐性が付いていない限りは100%の確率で相手の武器を破壊できる優れ物だが、魔法発動後に武器か手に宿る破壊の魔力を相手の武器に直接ぶつけないと効力が発揮されないのは多少難点かも知れない。
そして次は【パッシブ】の『装備破壊耐性付与』だが、これは読んで字の如く装備してる武具全てに破壊耐性を付与するという優れ物だ。
これのおかげでどれだけ無茶をしても私が装備する『竜姫の礼服』と『竜姫の足具』だけで無く、下着なんかの日常的に着ている衣類も劣化や破損を起こすことが無くなったので、体型の変わらない私の場合は永遠に新しい服を買い足さなくても生活できるのは非常にありがたい。
それと【戦技】の『寸勁』だが、これは相手の防具による防御力上昇を無視してダメージを与えるという強力な技だ。
ただし、この技を使用する際には素手で攻撃を行うため、神刀『三日月』を装備した場合の能力向上が適応されないデメリットもある。
ただ、『竜姫の礼服』と『竜姫の足具』を装備した事による攻撃力上昇は適応されてはいるようなのだが。
次は『召喚者』についてだが、先ず習得した魔法『魔獣召喚』は読んで字の如く魔石を核として私の魔力で魔獣を召喚し使役する魔法だ。
ただ、呼び出す魔獣の強さによって一度に召喚出来る数が変わってくるのに加え、複数呼び出す場合はその数だけ魔石が必要で、更には強力な魔獣になるほど大きな魔石を準備する必要が出て来る点は多少面倒臭いかもしれない。
因みに、この呼び出した魔獣を倒すことでレベルを上げられないかと試してもみたが、どうやら私の魔力から作り出されている影響か私が倒しても経験値は1も入らなかった。(ただ、クロード神父が倒した場合は強さに見合う量では無いが一応経験値は入ったらしい。)
それと【パッシブ】で習得した『召喚魔獣強化』だが、正直こちらも一気にレベルを上げた影響でどれだけ効果があるのかはさっぱりと分からない。
ただ、私の召喚した魔獣は野生で出現する個体より同レベルでも多少手強いとミリアさんが言っていたのでちゃんと効果はあるのだろう。
そして【戦技】の『召喚魔獣狂化』だが、召喚した魔獣の制御を失う代わりに対象の魔獣が大幅に強化されるスキルだ。
正直、このスキルを初めて試した時にそこそこ強力な魔獣が暴走し、村に被害が出ないようにクロード神父がかなり苦労したので余程のことが無い限り使用を禁じられている。
大きく変わったのはこの2つの【特殊】スキル関係だが、他にも色々と変わった部分もある。
先ず、覚えている全ての魔法を熟練度10/10まで上げている事だが、これはレベル上げが行えない分暇な時間で魔法の練習をしたおかげの産物だ。
現在私は技巧値が300まで上がっているので、最大6体まで分身体を召喚出来る。
そのため、7人で魔力が尽きるまで魔法を使い続ければかなりの速度で熟練度を上げることが出来るのだ。
ただ、『混沌なる光』(私がエルダードラゴンに発動しようとした技の完成形のようなやつ)だけは熟練度がある程度上がるまで魔法の発動に失敗することがあり、そのせいで山を1つ消し飛ばしたりして極めるまでにほぼ丸々1年の月日を必要としたのだが、極めてしまった今では発動を失敗することはほぼ無いのだ(全く無いわけではないが)。
次に(特殊技能)の『テレパシー』だが、これは半径1m以内の相手に消費魔力10(の半分の5)、そこから1m距離が伸びるごとに倍に増えた魔力消費で発動出来(つまり2m以内で10、3m以内で20、4m以内で40と言った感じ)、発動中は常に魔力を消費して相手に念話を送る事が出来る技だ。
ただ、一方的にこちらが念話を送るだけで会話は出来ず、遠くの相手に念話を送ろうと発動するとその発動範囲内にいる全ての生き物(ある程度の知能があることが条件のようだが、普通の魔力を持たない動物は勿論魔獣にも効果があるっぽい)に念話が届くため、正直凄まじく使い勝手が悪い。
最後に、新たに習得した『心眼』と『流水』だが、『心眼』は周囲に潜む敵がいれば察知出来るスキル(確率は100%で、相手が隠密系のスキルを持っていれば確率が少し下がり、隠密系最高のスキルである『雲隠れ』で大体50%くらいになる)で、『流水』は発動時に相手の物理攻撃を受け流す防御系のスキルなのだ。
そしてこの3年間、自身が扱える力を最大限活用して戦う術をクロード神父に叩き込まれた事で私の戦闘能力はかなり向上しているのだ。
そのため、ダンジョンに素材集めに行く時には私にほとんど経験値が入らないのでドロシーちゃんのレベル上げをメインにし、時々は戦い方のアドバイスを行える程度には余裕があった。(ただ、ドロシーちゃんもある程度レベルが高いのでそこまで効率は良くないのだが。)
そうやって毎日授業を受け、頼まれれば放課後や休日などを利用してドロシーちゃんと近場の小規模ダンジョンに素材集めに行き、少しずつ私に慣れてきたのか話し掛けてくれるクラスメイトも増え始め、ある程度充実した2週間があっと言う間に過ぎ去って行く。
そして、風邪なんかひきそうにも無いマッスルくんが突然欠席した事が話題になった日、放課後に私は生徒会室に呼び出されてとある依頼を受ける事になるのだった。




