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黒の聖女と白銀の騎士  作者: 赤葉響谷
第1章 王都動乱編~前編~
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第21話 のんびり空の旅

「そう言えば、今回のダンジョン探索って私のレベル上げがメインだけど、私の手に負えないと判断したらクロード神父も戦闘に参加するんだよね?」


 ガブリエルさんが赴任しているエルトナド村(正確にはエルトナド村が存在するアルサド領の主要都市メルポティシアだが)に向かう飛空艇の中、私は今まで見ていたおすすめのお土産品が載ったカタログからクロード神父に視線を向けながらそう尋ねる。


「ん? ああ、そうだな。てか、一応言っておくがメインはお前のレベル上げじゃ無くて未確認ダンジョンの調査な」


 私の問い掛けに、クロード神父は広げていた新聞から目を離さないながらもきちんと答えを返してくれた。


 ここで一応、何故私達がわざわざ飛空艇で移動を行っているかを王国の地理的情報と合わせて解説したいと思う。

 そもそも、私達の住んでいるブルーロック村は王国の最東端に存在する村でありながら、王都まで魔動車で2時間ちょっとと言う近場にある。(因みに、魔動車の速度は自動車とほぼ同じだ。)

 それもそのはずで、ブルーロック村が所属するエルム領は王都がある王家直轄領と隣接しており、王国の東部にはエルム領の他に北側と南側に小さな領土が1カ所ずつあるだけでほとんど領地が存在せず、その大部分をエルム家が統治している。

 それは何故かと言えば、ブルーロック村より東には国内最大の森林地帯であるティターン大森林が広がっており、それより東側になると険しい地形と強力な魔獣が生息することで人類未到の地となっているラズベルト山岳地帯が広がっているため、そもそも人類の生息圏が少ないのだ。

 因みに、カルメラ王国はパルティアン大陸の8割を治める大国で、パルティアン大陸北部からエリンベラ海峡を挟んだ先のアルセニア大陸ほぼ全土を治めるフェルミナ帝国と言う超巨大国家と隣接しているが両国間の関係は良好なため比較的平和な国であるらしい。

 そして、カルメラ王国西部はそれなりに領地が存在するのだが、最西端には貴重な動植物が保護されているオーラント自然公園(この世界では学校や孤児院、ダンジョンなどの施設が国営のパターンが多いのに、この自然公園は何故か教会管轄と言う珍しい施設だ)に代表されるように豊かな自然が多い地域で、国内の食料を生産する一大農業地帯となっている。

 それと、私達が向かっているエルトナド村が存在する南部は1年を通して比較的過ごしやすい気候で、アルサド領の主要都市であるメルポティシアには王家を初め様々な大貴族が別荘を構える影響か多数の娯楽施設(カジノや大型遊園地など)が存在するだけでなく、王国最大の湖であるルスペン湖を初めとした観光名所も多数ある事から国内最大の観光地となっているのだ。

 だが、このアルサド領は王都からかなり離れた位置に存在し、魔動車で向かおうとすると20時間も掛ってしまうのだ。

 そのため、王都から南部に移動する場合は基本的に今の私達のように飛空艇を利用するのが一般的なのだ。(それでも4時間くらいは掛るのだが。)

 因みに、この世界にも前世で言う列車や新幹線のような乗り物もあるのだが、『線路を魔獣が破壊した』などの理由で運行の停止が度々起こるため、長距離の移動手段にはほとんど選ばれないと言う事情があるらしく、ほとんどが食料など物資の輸送にしか活用されていないらしい。

 そんなこんなで現在、私達は魔動車で1時間ほど掛けて飛空艇の停留所があるエルム領の主要都市ブルームヘルトへ向かい、そこから飛空艇(因みに、飛空艇は空を飛ぶ船型の乗り物で魔石により風魔法を発生させて浮かんでいるらしい)に乗り換えてメルポティシアに向かい、そこで教会が用意しくれている魔動車で更に1時間ほど掛けてガブリエルさんが担当するエルトナド村へ向かう計画となっているのだ。

 あと、どうでも良い話しではあるのだが飛空艇は『飛空艇運航規程法』と言う法律で規定の停留所以外の着陸を禁止されているのだが、有事の際に自由着陸が出来ないと不便だと言う事で国家の重役(何故か国営機関で無い教会のトップである教皇様も)の乗船する飛空艇だけは何処でも着陸出来るらしい。


「ねえねえ、それじゃあ今回はいつもみたいに指導役って事じゃ無くて、私とクロード神父はパーティーメンバーって事で良いんだよね?」


「……まあ、そうなるな」


 私の更なる問い掛けに、何か嫌な予感を感じたのかようやくクロード神父が新聞から目を離して私に視線を向ける。


「じゃあさ、いい加減ステータスを見せてよ!」


 私の提案に、クロード神父はあからさまに嫌そうな表情を浮かべる。

 そもそも、今の私ならば『慧眼(えげん)』の能力を活用して無理矢理にクロード神父のステータスを見ることは出来る。

 だが、親しき仲にも礼儀あり、と言うように相手が嫌がるのであれば無理強いは出来ないだろう。(と言うか、その後に絶対やって来るであろう長時間のお説教を受けたくない。)

 それでも、今回は同じパーティーメンバーとして戦うのだから相棒の実力ぐらい把握していないといざという時の対応に困ると言う大義名分がある。

 そのため、(ゴルドラント高等学院入学までに互角に戦えるようになるための対策を練るためにも)この絶好の機会にクロード神父の実力を知っておく必要があるのだ。


「別に俺のステータスを見なくたって何度も手合わせしてやってんだから実力は分かるだろ」


「それでも、実際にどんな魔法が使えてどんなスキルを覚えているのかを確かめるのは、いざという時の対応を決める上で重要じゃない?」


「まあ、確かにそうだが……」


 そうやってクロード神父はしばらく悩む素振りを見せ、やがて大きな溜息をつきながら持っていた新聞を畳んで口を開いた。


「わかった、見ても良いぞ」


 その答えに私は内心『やった♪』とガッツポーズをしながら、意気揚々と『解析技巧(アナライズ)』を発動させる。


クロード Lv.503 (守護者第3位階)

(能力情報)属性:土・人  疲労度:―  疲労補正:0%

 適性武器:槍  適性クラス:槍者(ランサー)騎士(パラディン)先導者(ヴァンガード)

 体力:18,256/18,256  魔力:6,000/6,000  技巧値:400/400

 攻撃力:5,834 +18,200  魔法力:9,982(7,382)-2,600

 防御力:12,225(6,425)  俊敏力:6,928(5,728)-400

(装備)

 武器:

  巡礼者の槍(攻撃力+18,200 魔法力-2,600 俊敏力-400)

 防具:

  バトルジャケット(防御力+3,800 魔法力-400)

  風加護(かざかご)の靴(俊敏力+1,200)

  聖者の外套(魔法力+2,500 防御力+2,000)

 アクセサリー:

  聖魔の首飾り(魔法力+500)

  守護者の証(CP自動回復付与)

(状態)

 【疲労無効】【全状態異常無効】【CP自動回復】【弱体無効】


(習得魔法)

 土弾(ロックバレット) 熟練度6/10 MP40

 土槍(アースランス) 熟練度2/10 MP74

 岩石の砲弾(ロックブラスト) 熟練度1/10 MP110

 大地の咆哮(プラネットロアー) 熟練度2/10 MP275

 大地の脈動(アースクェイク) 熟練度3/10 MP340

 土壁(アースウォール) 熟練度10/10 MP55

 大地の要塞(アースフォートレス) 熟練度7/10 MP138

 大地の加護(プラネットフォース) 熟練度10/10 MP20

 土神の加護ハイプラネットフォース 熟練度10/10 MP80

 砂地獄(サンドホール) 熟練度8/10 MP47

 大地の守護 Lv.Ⅹ MP250


(保有スキル)

【特殊】

 守護者(ガーディアン) Lv.Ⅹ

 屈強なる者(ザ・ストロング) Lv.Ⅹ

【パッシブ】

 解析者(アナライザー) Lv.5/5

 攻撃強化(大) Lv.5/5

 防御強化(大) Lv.5/5

 魔法力強化(大) Lv.5/5

 俊敏強化(大) Lv.5/5

 縮地 Lv.5/5

 回復体力量向上(大)5/5

 不屈

 回復魔力量向上(大) Lv.5/5

 消費魔力軽減 Lv.5/5

 心眼

 雲隠れ

 道具生成技術向上(大) Lv.5/5

 採取能力向上(大) Lv.5/5

 製薬者(ケミスト) Lv.5/5

 護人(もりびと)の決意

【戦技】

 解析技巧(アナライズ) CP5

 地走 Lv.5/5 CP20

 閃撃 Lv.5/5 CP20

 流水 Lv.5/5 CP30

 守護結界 CP100


 そのステータスを確認した瞬間、私はゴルドラント高等学院入学までにクロード神父と対等に戦える実力を身に付けると言う目標を諦めたのだった。

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