4-7 a さいきんの学園もの
さて、コンソールオープンだ。
まずは感染者リスト。
こんな時のために集めておいた仲間たちだ。
蛾00000001、ゴリ0000001~0000008、ネズ子、ネズミ00000001~00000005、ネオアトランティス、ウィンゼル卿、クロ、タツ、タツ母、オリヴァ、スラム民*2、兵士*3、ウェイトレス
あと、アリスをいじめている一味のエドワルド(そばかす)、アルベルト(金髪)、ゲオルグ(ノッポ)だ。アンドリュー(茶髪)とクリスティン(でぶっちょ)にはまだ感染できていない。
そして、シェリア。
やはり、ある程度アリスに絡んでくれると感染がしやすい。
リスト上でネズ子とネズミが分かれている。やはり個体認識がきちんとしていると種族名のナンバリングではなく個体で認識するようだ。
ゴリに関してはゴリ01、ゴリ02と言っているが、実はどっちがどっちのゴリだか分かっちゃいなかったりするのでナンバリングのままなのだろう。
・・・よく考えたら、そもそも、この生き物の正式名称ゴリじゃなかった。
そして未使用のスキルポイントが1点。
“彼“が任意に発動できる【症状】のスキルが有ると教えてくれた。
人に対して、【症状】を与えるのはどうかとは思ったが、場合によっては全く容赦してやる気は無い。
こんくらいでと思うかもしれないが、もう自分は人でない。多少は手加減してやらんでもないが、そこまで甘くしてやる必要もないだろう。今後の成長で、いい具合の【症状】のスキルが取れそうだったら取ってみるか。一生足が臭いくらいは覚悟してもらおう。
少しずつ思考が菌よりになってきてるのかもしれない。
さて、先のベルマリア公への嫌がらせで重々分かったが、この手の仕掛けはどんなにバカらしくてもやっておいて損がない。成功しようが失敗しようが、こちらは、相手から認識されないのでやり得なのだ。
まず、水をかけようとしてきたのはアルベルト。
君からだ。
彼らは普段校舎の二階の広めの一室でまとまって昼食をとっている。
今日も、いつものように集まって昼食だ。
いつもより雰囲気が明るい。朝のアリスの一件があったからだ
「見たかよ、あいつ。」
「しょぼんとしてたぜ。」
「ざまあねぇな。」
「自分の匂いかいでやんのwww」
「www」
アリスが机を見ていた様子を思い出して談笑する彼らに、はらわたが煮えくり返るような怒りを覚える。
「ちょっと水取ってくれ。」ゲオルグがアルベルトに水差しを要求した。
アルベルトが水差しを取ってゲオルグに渡そうとする。そのタイミングでアルベルトのDEXを激下げしてやる。狙い通り、アルベルトが水差しをゲオルグのズボンに落っことした
これ、強いな。戦いの最中とかにやったらヤバいぞ?
「おい!気をつけろよ!」
「ご、ごめん。」
「つめてえなぁ。」ゲオルグがアルベルトを睨みつけた。
地味な仕返しだと思うかもしれない。
でも、タイミングを見計らって、これを3日間毎日やった。
被害者は全部ゲオルグ。加害者は全部アルベルト。
「おまえ、わざとだろう!?」3日目、ついにキレたゲオルグがアルベルトをぶっ飛ばした。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」侯爵家の跡取りに殴り返すわけにもいかず、丸くなって平謝りするアルベルトだったが、朝からいろいろあってものすごく機嫌の悪かったゲオルグがアルベルトを殴る蹴るの大暴れをし、この日の彼らの昼休みは散々の物になった。
授業中に木炭を書けなく細工してきたのは誰だったのだろう。
「では、エドワルド君。前に出てこの問題に答えて下さい。」数学でエドワルドが当てられた。
今かな?エドワルドが席を立ったて黒板の前に立ったところでINTを下げる。
解けて当然といった様子で自信満々で出てきたエドワルドだったが、黒板の前まで来てチョークを持つも、まったく答えが浮かんでこない。
「もう、よろしい。ちゃんと授業を聞いて、予習と復習も欠かさないように。」
エドワルドは恥ずかしそうにうつむき、誰とも目を合わせないようにして席に戻ってきた。
この調子で、彼らが答えようとするたびに知力をおとして恥をかかせてやろう
と、思ったのだが、この作戦はそうは上手くいかなかった。
どうも、パラメーター制御は感染対象の中にいる自分たちの数によって効果が違うようなのだ。それに合わせて消費も違う。アリスのパラメーターはガツンと落とせて消費も激しいが、この間のベルマリア公やエルミーネの時は効果が薄かった。
なので、アリスの時のように思考がうまくできなくなるほど能力を下げることができない。そして、その程度の知力を下げたところで、答えられる問題には答えられてしまうのだ。
なので、この3日間、チャンスがあれば試してみたが、この時のエドワルド以外には上手くいかなかった。無念。
DEXの場合は、ちょっとでも下がると思っていた通りの動きができなくなるのでファンブルするが、INTの場合、急に下がっても思考が一瞬つまるくらいで大きな問題にならないということなのだろう。
じゃあ、エドワルドがなんで答えられなかったかって?
もともとバカだったんじゃないかな?
さて、蟲のお礼は誰かな。
アリスはめっちゃ喜んでたけれど、自分は死ぬほど怖かったんだ。
彼らの話から類推するにアンドリューが例の蟲の主犯っぽい。
ゴリーズ総動員でアンドリューの引き出しの中に忍び込んでやろう。ゴリーズはネズミよりは思い通りに動かすことができるが、8匹も居ると全部連れてくるのが大変だ。とりあえず数日かけて学校まで誘導しておき、その後、夜のうちにアンドリューの引き出しの中に忍びこませた。彼の引き出しの隙間がゴリーズ好みだったので、彼らは揚々と自分たちの新しい住居に入っていった。
こうして、彼の引き出しの奥に30匹ほどのゴリ達が住まった。
あれ?数すげえ増えてね?
ゴリですらあの蟲の気持ち悪さに及ばないが、これだけ数が居れば足の本数なら負けていない。明日彼が引き出しを開けるのが楽しみだ。
臭いのをくれたのはゲオルグ。
弁当を食べたのは全員だったが、ゲオルグが一本多くグラディス謹製のフリットを食べていたのでこれも彼に負ってもらおう。
彼とアンドリューは侯爵。彼らには専用の個室が用意されていることを突き止めてある。
貴族であろうと所詮男子校生の部屋。はっきり言って汚い。このあたりを徘徊させている5匹のネズミの内の一匹がそんなゲオルグの部屋を自分のテリトリーにするのに協力的だった。
ネズミに彼の部屋に入るように促し、ゲオルグが棚に備蓄しているお菓子の場所を教えてやる。
ネズミはぎこちない足取りで、のそのそと天井の穴からカーテンを伝い棚の上に降り立った。
二段目の箱の中にとてもおいしいものがあるよ、騙されたと思ってかじってごらん。
ネズミはのっそりとお菓子の箱のある棚に降りていき、箱の角をかじった。しかし、歯で穴を開けようとするも固いことが解ると、ネズミは棚から箱を落とした。床に落ちた衝撃で箱のふたが開いた。
頭いいな、こいつ。なにか名前をつけてやろう。
頭は良いけど動きが遅いから、ノロイなんて良いかな。
ノロイの落とした箱から飴やクッキーが床に散らばった。すると、ずっと様子を見ていたのだろう、他の4匹のネズミたちが降りてきてお菓子に群がった。
ノロイは仲間たちが降りてきたのを見ると、棚に並んでいたほかの箱も落とした。
追加で二つの箱からお菓子が飛び散った。ノロイはすべての箱を落とすと仲間とともにご馳走にありついた。
さて、ネズミたち諸君。満腹になったところで、お手洗いは、そこのゲオルグ君のクロゼットの中にしようか?ちょうどタオルとかも入っているし心地よく用を足せると思うんだよ。
そして、次の日。
アリスが来る前の教室で、アンドリューが一生引き出しを開けられなくなるような思いをしたようだ。遅れてきたアリスが教室の喧騒を不思議がってシェリアに尋ね、彼女からことの顛末を聞いて状況を知った。
感染している生徒が誰も教室に居なかったのでゴリ目線でしか現場に介在することができなかった。ゴリはパニックで逃げ回るだけで、何一つ状況を知ることができなかった。残念だ。
是非見たかった。
「是非見たかったわね。」アリスも残念がったが、自分が見たいのはゴリのほうじゃない。
一方、話題にならなかったが、ゲオルグも朝から何やら不機嫌だった。
感染者に、マハル入ってたので削除しました。21/10/31




