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4-2 b さいきんの学園もの

 「陛下、あなたはアリス殿下の父親でしょう。親なのに自分の愛娘を危険にさらすのはどうなのでしょうか。」ロッシフォールがネルヴァリウス王に上申した。

 オリヴァの執念深い提案が身を結び、アリスの学校行きが王によってついに承認された。

 いや、される段階になって、ロッシフォールが全力で王に咬みついた。ロッシフォールは本当にアリスを学校には出すのは嫌らしい。

 ロッシフォールの反対っぷりがあまりに激しいので、オリヴァもほかの公爵も王とロッシフォールの話に入っていく隙がない。

 「危険なことはあるまい。ジュリアスも通っている学校だ。」王は答えた。「妃もアミールが学校に行くのは喜ばしい、ゆくゆくは預けたいと言っておる。お前が反対していると言ったら怒っておったぞ。アミールもかごの鳥とする気か、と。」

 「アミール殿下もお預けになるおつもりなのですか?」

 「当然だ。」

 「しかし、次期国王候補を代替わりの直前に城外にだすなど・・・!」王を思いとどまらせるのに必死のロッシフォールはここまで言って、自分がとんでもないことを口にしたことに気が付いた。

 「確かに、今予が死ねば世継ぎはアリスだ。そのアリスが予よりも先に死ねば、世継ぎはアミールだな。ならば、アリスを狙うとしたらエラスティアの人間であろう。エラスティアの人間ならお主が何とか出来よう。」

 「ベルマリア・・・いえ、ジュリアス派の人間もまだ残っております。彼らがアリス殿下を狙うやもしれません。」

 「それは、無理だな。」

 「何故に、ございますか。」

 「だって、アリスが死んだら予はショックで死ぬもん。」

 じ、じじぃ・・・

 「そうしたらアミールが世継ぎとなるのだ。そう広めておけ。」

 「ジュリアス派ではなくても、国に反感を持つ街の商人連中や、農民たちがアリス殿下に危害を加えるやもしれません。」

 「なぜだ?そんなことをしても彼らにとって何の意味も無かろう。」王は聞く耳を持たない。「だいたい、恨まれておるのは予やお前だ。お前が後継人をしているアミールが狙われるのは分かるが、アリスは味方にしようと接触されることはあれど、命を狙われることなどなかろう。」

 合ってる。さすが一国の王。

 「しかし、その他にもアリス殿下を狙う人間が居ないとは限りませぬ。」ロッシフォールが食い下がった。予想のほかしつこい。

 「誰が狙うというのだ・・・」

 「その・・・たとえば、金持ちを狙う強盗とかにございます。」

 「そんなもの、貴族街の学校を襲撃するわけなかろう。」スラム街の道端では起こりうるけどな。「そのような行き当たりばったりのリスクまで考慮して、アリスを閉じ込めていては可哀そうだ。そのくらいのリスクは『我々』大人が負わなけれなならん。」

 「我々・・・」ロッシフォールは暗い声でつぶやいた。

 「そう。『我』と」王は自分を指さし「『ワレ』じゃ。」今度はロッシフォールを指さした。

 なんだろうなぁ。なんだかんだで、こういうとこアリスの親だなぁ。

 「今まで、ずっと城の部屋の中に閉じ込めてしまった。それこそあんな子だというのに。」王が言った。「閉じ込めていたのも親心であれば、王になるまでの少しの間だけでも外の世界を見せてやりたいのも親心なのだ。」

 「しかし、王よ・・・」

 「予はもう長くない。最後に3つくらい言う我儘の一つと思って聞いてくれ。頼む。」王がロッシフォールに頭を下げた。てか、3つも言うのかよ。

 「・・・・」王に頭を下げられてしまってはロッシフォールはどうしようもない。

 「心配するな。予はあと三年は死なん。」王は静かに笑った。

 なかなかどうして、予言者のごとく聡明な王は、この3年後に死ぬのだ。


 こうしてアリスの学校行きは確定した。

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