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ロード・オブ・ロード〜零白の皇〜  作者: スメラギ・零
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三章-エピローグ【十四皇会と開く扉】


ーー龍皇市・零牙宅

零牙と婚約者達が住むこの家は位相空間を利用する事により、外見を遥かに超えて広い。

故に娯楽・訓練室・武器庫・リラクゼーションなどのさまざまな施設を完備している。

そして内の一つである温泉ーーここは位相空間を贅沢に使用した“常に”満天の星と満月が輝き照らす温泉。

この温泉にて、零牙の孤独な防衛戦が行われていた。







「・・・・・・・・・・・」

至る所に龍を模した装飾が施された風情ある温泉、そしてーー見渡す限りの“北半球”。

お湯に浮かぶ“12”のソレは全てが巨大であり、中にはメートル超えもーというかほぼ全員がメートル超えだ。

零牙は極上の絶景とも言えるそんな光景に圧倒され、縁に追い込まれていた。

既に包囲網は完成しつつーー既に零牙は両腕を深い峡谷に囚われており、逃げるつもりも無かったがもはや逃げられる状況では無かった。





「あの・・・さ。逃げるつもりも無いから、何もこんなにガチガチに拘束する必要は無いんじゃ・・・?」

「いけないかい?だって、三ヶ月も零牙と画面越しでしか会えなかったんだよ?それに大会中は忙しかったし、やっと家に帰って来れたんだから、ゆっくりと羽を伸ばしながら零牙を堪能しないとね」

「そうですね。自慢ではありませんが、先の襲撃ではかなり頑張ったと自負しております。であれば褒美として、しっかりと零牙を感じさせて貰いませんと」

そう言って零牙の両脇を固めるのは、銀黒の髪の凰照澪凰と白黒の髪の凰雷龍姫だ。

2人はそのメートル超えの谷間に零牙の腕のほぼ8割を挟み込んで極上の柔らかさを伝え、自分達は零牙のしっとりと濡れた髪や頬に頬擦りしていた。

「ふふ・・・三ヶ月は私も同じだぞ?零牙。我々は“もっと先のスキンシップ”をしたいが・・・ツクヨミ様より“まだ”待てがかかっているからな。これくらいは許してくれ」

そう背中に胸をピッタリと押し当てながら言うのは、“仮面”を外した藍色の髪のファントム。

ちなみに零牙が今どう言う状態かいうと、両腕をがっしりの澪凰と龍姫に絡められ、まるで自分を背もたれにしろと言わんばかりにファントムに背中から抱え込まれ、そしてその周囲を他の婚約者達が扇状に囲むという状態だった。

「そうよ、零牙。姉さん達の好きにさせてあげて」

刹那が自身の髪を梳きながら言った。

「刹那の言う通りだけど・・・次は私たちよ?零牙」

そう言った織火が、期待に満ちた眼差しを零牙に真っ直ぐ向けていた。

「先の襲撃では皆それぞれ、相応の働きをしたと自負している。なれば我等には褒美として、たっぷりと全員に自身を堪能させる義務が零牙にはあろう?」

最近アンジェは、自分の“深淵”を探り出してからと言うもの、性格に変化はないが尊大な口調が多くなっていた。

「別に逃げるつもりなんて一切無いけど・・・流石に長時間ここにいたらのぼせると思うが?」

零牙のその問いに、足だけ湯に浸かり縁に腰をかけた冬華が答える。

「心配するな。いざという時は、私の氷で冷ましてやる」

冬華は足を組んで足だけを湯につけた状態である為、抜群のスタイルを惜しげも無く晒されており、大事な所が長い黒銀の髪でかろうじて隠れている状態だ。

ちなみに零牙以外の全員が全裸であり、湯気や髪で大事な部分は隠されているが、何処を向いても視界に入る。

それ故に零牙の理性を着実に削りつつあるが、持ち前の強靭な精神力を持ってして耐えていた。

だが婚約者達の攻勢は苛烈で、ツクヨミの許可が出ていない為に“行為”とまではいかないが、その“寸前”の行為にまで持っていこうとするのだーー毎日。

なのでこの時間中は、婚約者達は捕食者に変貌する。

零牙は婚約者達の眼が、爛々と輝く龍眼に変化したの確認した。

これは彼女達が、攻勢に出る合図でもあった。

「ええっと・・・お、お手柔らかにお願いします・・・」

その瞬間ーー12人の婚約者達が包囲網を縮めていき、零牙は極上の女体という女体を相手に孤軍奮闘するのであった。




ちなみに零牙と婚約者達は、触れ合う事でお互いの位相空間が繋がる為、零牙の内の存在たるサイファスも同じ状況であった。






ーー龍皇市の凰月邸・■■の間

暗闇に包まれていたドーム状の大部屋に灯りがともり、円卓とその中央部に鎮座する龍を模した台座。そして、既に円卓の自身の席に座っていた黒銀の髪の美女を顕にした。

程なくして、他の席にホログラムが投映され参加者が揃う。

全員揃った事を確認した黒銀の髪の美女ーー【凰月ツクヨミ】は、二つ右隣の席に座るレクリエーナの側に控える人物に始める様に視線で合図した。

ツクヨミの合図に頷きを持って返した蒼髪の女性ーー【レヴィア・C・ハルファス】は、よく通る凛とした声で報告する。


「今回の襲撃によるレメゲトンの主要目的ーー魔王の暗殺、そして指輪の奪取。その場にいた者達の応戦によってそれどころでは無くなり暗殺は失敗。指輪はレクリエーナ様により無事に回収。また、【シーグリンデ・MA・キマリス】の証言により、レメゲトンネームド・ナンバーとの交戦時、【レリウス・K・バエル】の暗殺も狙っていた事が判明。強襲を仕掛けてきたネームド・ナンバー4人の内3人は逃走、もう1人は零牙様の手により討滅され、ゴエティアの欠片を1つ奪還に成功しました」

ここまで話してからレヴィアは、一旦報告を中断する。

ウェーブがかった長めの金髪の偉丈夫【ゼウス】が、レヴィアに聞く。

「撤退したレメゲトンの残存戦力は?」

「補給基地を内包する敵の位相空間にて集結していた残存戦力は、“零の獅子”により全滅。基地施設は完全破壊され、位相空間は“完全消滅”しています」

ゼウスは短く拍手を鳴らして、“零の獅子”を称賛する。

「自分の痕跡を消す為に空間を破壊するとは、流石はレーヴェ・ヴィクトリアだ。4大傭兵の一角にして“零の皇妃”は伊達では無いと言った所だな」

白髪の美女が、満足そうに頷いて口を開く。

「レメゲトンの目論見は完全に阻止され、奴等は全滅。学園交流戦は中断となったものの、我等の目的は達成された。今回は完璧な結果ではないか?ツクヨミよ」

「そうね。とは言え油断は禁物よ」

ツクヨミはそう答えてから静かに瞑目し、一拍置いてから口を開くと同時に眼を開き、真剣な声音で告げる。







だだっ広い部屋にツクヨミの声が響く。

「ーー敵の“(ロード)”が来るわ」

『・・・‼︎』

今回の結果に満足気だった全員がツクヨミに言葉に息を呑み、瞬時に表情を引き締めた。

「“どの”(ロード)か分かっているのか、ツクヨミ?」

レクリエーナが豊満な胸の下で腕を組みながら聞いた。

「つい先程、我が軍が“量子”ポータル生成を観測したわ」

ツクヨミは、円卓に両肘をついて両手を組み合わせながら言った。

「“量子”・・・と言う事は奴ですか。ーー“零“が最初に戦うのは”量子“・・・因縁ですね、(せんせい)

ゼウスが顎を右手でさすりながら言った。

「ふ・・・そうね。まあ、奴は自分の世界逃げ帰った組だから、恐らくはその子孫でしょうね。あるいはーー意地汚く生き残った”奴“自身か・・・」

「して、ツクヨミよ。時期は分かっておるのか?こちらへと通じる門を開くには、相応の時間と準備が必要だ。何せ、我らが世界は強固だ。おいそれと簡単に開けられるものでは無いだろう」

魔導師然したとんがり帽子を被り、長いエメラルドグリーンの髪の美女が言った。

「ええ、もちろんよ”オズ“。位相空間の破壊と生成もしくは空間干渉能力者による能力行使・・・奴等は局所的にこれを行い、一点集中で空間に負荷をかけて裂け目を作り出したのでしょうね」

そこまで言ってツクヨミは何も無い空間からドリンクが入ったコップを喚び出し、その中身を呷った。

「成る程、その裂け目を維持しつつゲートを作り出した、か・・・」

レクリエーナが得心がいった様に言った。

飲み物を呑み干したツクヨミが言う。

「ふぅ・・・それと時期は恐らく第四頁ーー“騎士王伝説の真の終焉”。奴はそこに介入して来るでしょう」

ツクヨミは左手を円卓中央の台座に向けて翳し、本型の記録装置である“零▪️の書”を起動した。

書はゆっくりと台座が数センチ浮遊してパララと(ページ)を開らき、空中に壁画の様に文字と場面を投映する。







ーー選定の剣が玉座に突き立てられ、伝説の続きが幕を開ける。



ーーかの王が治めた島が胎動し忠義の騎士達は列を成す、攻め入るは砲火の具現達。




ーー9名の騎士と王が邂逅せし時、真なる騎士王は覚醒し、悪しき道化は討ち滅ぼされ、至るは伝説の幕引きなり。


と本来の預言はここまでだったがーー

「続きが・・・?」

「“今”、追加されたのね」

ゼウスと左目に仮面をつけた長い蒼銀の髪の美女【オーディン】が言うと同時に、文字が浮かび上がる


それは漆黒の龍の全身鎧を纏った黒き皇が、煙の様な複数の何かを操る“(ロード)“と戦う姿。

















ーー黒き皇は邂逅す、かつての因縁に執着し異界より来たりし”量子の皇”と・・・“我等”はその戦いを歓迎し、その最中目醒めるは束の間の“零”なり。







ーー・・・三章-エピローグ【十四皇会と開く扉】・終

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