表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロード・オブ・ロード〜零白の皇〜  作者: スメラギ・零
10/49

一部 ー二章[神と影の槍] 二章ー零節 〜二章ー一節[朧の苦悩]


ー軍神は進軍す 龍の都へと


ー影の皇は降り立つ 漆黒の皇の元に


ー空海は揺れる 龍と神の力により


ー蘇るは亡き神姫 龍刀と神槍を携えし蒼き皇と神姫は並び立つ

ーーー【■■の書】二項目


ーー朧、これを・・・。


ーーそんな顔しないで。


ーーまた会える。それまで、私の槍を預かっておいて。


「ーーーッ!」

私、【蒼月朧(そうげつおぼろ)】は、零牙を中心にした冬華姉さん・刹那・アンジェ・アイナス・織火・私、そして新しく加わったアリシアさんとモルガンさんの9人が、更に多くが余裕で共に出来る特注のベッドの上で、目を覚ます。

「はあ・・・またあの時の夢・・・」

ヴォーティガン討伐より、一ヶ月。

最近、よく夢に見る。

私達の友人が亡くなった時の光景。

「・・・スルカ・・・」

私は胸に手を当て呟く。

皆が起きるまで、まだ時間はある。

(こんな沈んだ気持ちでは、零牙に心配をかけてしまう。零牙は鋭いから、取り繕っても見抜かれる。気持ちを変えねば)

私はベッドから出て、鍛錬場に向かった。

寝室を出て行く、自分を見つめる視線に気付かずに・・・。


ーー鍛錬場


朧は、静か佇んでいた。

四方向から、仮想の敵が形成される。

形成された仮想の敵はそれぞれ、剣、槍、銃、盾を持って、朧に同時攻撃を仕掛ける。

ーダァン!

銃から、魔力弾が放たれる。

朧は魔力弾を、最小限の体捌きで躱し、背後から迫る槍の切っ先を、背後に向きながら瞬時に呼び出した天羽々斬で受け流して、胴体を斬り捨てる。

次いで振り下ろされた剣を、身体を横にずらして躱し、敵の背後に身体を回転させながら回り込み、斬りつける。

続いて、大盾を正面に構えながら突進してきた敵の直上に跳躍する。

空中の朧に再び魔力弾が撃ち込まれるが、刀で斬り払う。

朧は自由落下に身を任せながら、刀を逆手に持ち、大盾の仮想敵の頭部に突き立てる。

残った銃兵が、大盾兵の肩に立つ朧に魔力弾を連射する。

朧は大盾兵の頭部から刀を引き抜き、足場にして再び跳躍する。

銃兵が空中の朧に照準を合わせようとする。

朧は刀を順手に持ち直し、空中で手放した。

朧は空中に浮いた刀の柄頭を蹴り込んで、銃兵に向けて蹴り放った。

銃兵は高速で飛来する天羽々斬に向けて、魔力弾を放つが、魔力弾は天羽々斬の切っ先で斬り裂かれてそのまま銃兵を貫いた。

仮想敵の全滅でシュミレーターが終了した。

「・・・ふう」

朧は息を吐き、鍛錬場の地面に突き刺さった天羽々斬の元に向かい引き抜いた。

(どう?気は晴れた?朧?)

朧の内に宿る【蒼皇龍・アズラル】が聞いた。

「少しな・・・。だけど・・・」

胸に手を当て自身の内に意識を向ける。

アズラルを感じ、自分の天羽々斬を感じるが、それは当たり前だ。

朧が探すのは、自分に託された、彼女の象徴。

「朧」

不意に呼ばれ、朧は入り口を振り返ると、近づいて来ている女性がいた、冬華だ。

「冬華姉さん・・・」

「やはりまだ、呼び出せないか?」

「はい、でも顕現出来ないのは私の・・・」

「自分の今の状況が原因だと?」

「・・・⁉︎」

朧は冬華に次の言葉を言われて驚いた。

「顕現出来ないのはもしかしたら、まだお前に馴染んでいないからかもしれないな」

「・・・・・・」

「フッ」

冬華は朧に頭をクシャクシャと撫でられた。

「そう考えこむな。あいつはお前に預けたんだ。焦らずに慣らしていけ・・・」

冬華は笑みを浮かべ、朧に優しく言った。

「さあ、そろそろ朝食の支度をしなくてはな」

「では冬華姉さん。急いでシャワーを浴びて来ます」

そうして、朧はシャワールームに向かった。

「・・・少しは、いつも通りに戻ったか」

(・・・冬華)

「アルジェか。どうした?」

(言わなくてよかったのか?)

「まあ、あくまで推測だからな。希望を持たせて、落胆させたくない。・・・あの時から疑問はあった。・・・そもそもスルカは本当に“死んだのか?”・・・あの時あいつは光になり、槍に吸収されて朧の中に共に入っていった。そして、あいつは預かってくれと言った。・・・まるで後で取りに戻るかの様な言いようと、何かを確信してるかの様な目だった」

アルジェも冬華に自分の考えを告げる。

(ああ、私もそれは思った。それに彼女も極めて特異な血だろう?だとすれば死を回避する術を持っていたとしても、おかしくはない)

「“神と龍の娘”としてか・・・」

この世界には、一般的なハーフのほかに、異能的ハーフが存在する。

異能的ハーフは大きく5つに分類される。

【龍血(ドラゴン・ブラッド】、【神血(ゴッド・ブラッド)】・【魔血(デモン・ブラッド)】、【天血(ヘブン・ブラッド)】,【獣血(ビースト・ブラッド)】。

この異能的ハーフは、基本的外見は人間と同じだが、身体能力や魔力が総じて強力になりやすく、それぞれの血に基づいた多様な能力が発現する。

零牙や冬華、婚約者達、龍護や影刃は【龍血(ドラゴン・ブラッド)】で、アリシアとモルガンは、先祖であるアーサー王が赤龍の化身といわれていた為、また彼女達の才能も抜きん出ているので、おそらくは【龍血(ドラゴン・ブラッド)】だろう。

そして彼女ーースルカは“神と龍の娘”、【神血(ゴッド・ブラッド)】でもあり【龍血(ドラゴン・ブラッド)】でもある希に存在だ。

ただこれは零牙と冬華にも該当するが、ツクヨミ曰く、あくまで【龍血(ドラゴン・ブラッド)】だそうだ。

「だが、スルカの【神血(ゴッド・ブラッド)】の能力は、私も知らないからな。本人からも聞いた事がない。死を回避する能力でも不思議はないな・・・」

冬華は少し考えた後、呟く。

「今日当たりに朧の為に、模擬戦を組んでみるか・・・」


ーー・・・シャワールーム


朧はシャワーを浴びながら考えていた。

(この間の戦闘も・・・私は皆と共に戦えなかった)

スルカが亡くなってから、一年半が経つ。

あの時から、朧は実戦で戦う事が出来なくなった。

この前のヴォーティガンとの戦いの際も、皆に守ってもらうばかりだった。

“神槍”はそんな自分の状況に呆れてるからこそ、顕現出来ないのではないかと、最近考えていた。

(このままじゃ駄目だ!・・・私も零牙や皆と共に戦いたい。スルカの想いにも報いる為にも!)

朧は強く決意した。


ー・・・一説・[朧の苦悩]



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ