第3話 『”ヒヨコ女”』
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この回では、加宮くんの居る世界にようやく情報的動きが出てきます。さて、どんな動きでしょうか。
*
「……この人、隣の部屋の…」
「どうしよう。起こした方が…いいわよね、うん。」
白崎 良風と杉守 芽衣の両名は、失踪談義で忙しい教師たちを良いことに、学校を無理やりに早退して再び加宮の部屋を訪れた。夏の訪れを予感させる、昼下がりの熱い日差しを浴びたこの部屋は、それなりの熱気が充満し始めており、ふたりも腕まくりを余儀なくされているくらいだ。耳を澄ませばどこからか、掃除機のモーター音や主婦の短い笑い声が微かに聞こえる時間帯。
加宮の部屋に入るなり、ふたりは汗を拭くこともせぬままにその場で硬直した。これには理由がある。ひよこパジャマの女が、不衛生に散らばった長い髪を左右に展開し、それも眼鏡をかけたまま加宮のベッドの上で寝息を立てていたからだ。口を大きく開けてよだれを垂れ流し、日向の猫のように身体を丸め、他人の家で爆睡をこく女など、果たして、この女を除き他にいるものだろうか。
「…おーい。隣のおばさーん。」
「…おばさんは失礼でしょ。この人、確か大学生って言ってたし。」
「見ろよ、ひよこすげーたくさんいるぞ。袖もびっしりひよこ。」
「止めてあげて…良風…」
「起きろー隣の…えっと…お姉さん?」
「…はひ?誰よ…こっちは寝不足なのよ…」
起きた。
サイズが合っていないのか、ぶかぶかに緩んだパジャマ姿の女は、喉の奥が見えるほどの大欠伸を手で隠しながら、ふたりを交互に見て、「?」と、首を傾げると、「…?」と、更にもう一度ふたりを見る。
「…あれ?なんでアンタたち、あたしの部屋にいるの?」
「寝言は寝て言え…じゃなかった。ここ、桐の部屋なんですけど。えっと…ひよこの人。」
「…桐の部屋…は、はは、はあ!?ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさい!ち、違うのよ?あたしは決して、忍び込んだとかそういうんじゃなく、ただ貸したものを返しに来ただけで、あ、あ、あんたたちこそ何しに来たのよ!」
全く不審であるが、あまりに無防備。隙という隙が一挙すし詰めされて差し出されるが如く、このひよこの人に浴びせようとする言葉は、ふたりの脳内を駆け回っては尽きることがなさそうだ。選り取り見取りの切り口には、言葉を選ぶという表現は使えない。
「俺達はいなくなった桐の手がかりを探しに来たんだよ。」
「ふ、ふうん。そ、そうなのね。いなくなったのね。ふうん。え?いなくなった?それ、加宮くんが?いなくなったってことなの!?ど、どうなのよ!この白バカ!」
ふうん、桐のこと、加宮くんって、呼ぶんだ。ふと、そんなところが気になった杉守はいざ知らず、白崎はひよこの人の憤激を引き気味に受け止めることで精一杯だ。これで目を血走らせていようものなら、白崎が裸足で逃げ去る様も想像に容易い。
「えっと、桐のやつ、昨日学校から帰った後、行方不明で。あいつ、電話も持ってないから…」
「ふ、ふうん、そう、持ってないのね。しょ、しょうがないわね。」
「ねえ、良風。桐の部屋っていつも散らかってるの?なんていうか…歩きにくいほどではないけれど、あまり片付いてない感じ。目の置き場が少ない?うん、そんな感じ。」
それゆえに、カーテンが無く空間を切り取っただけのような外の景色が一様に目を引く。向かいは空き地、周囲は背の低い一軒家。遠くにいくつかの鋼幹か、数多の葉域を侍らせ聳え立つ。昭和の時代の、臨海地域にある工場の煙突群を描いた絵画と似た印象がある。
一方、加宮の部屋といえば。部屋の隅に平積みされた教科書の山が幾ばくかの雪崩を起こし、クローゼットの引き出しは人差し指が挟まる程度に開き、あまつさえ、少ない家具が少ない床面積を埋めているにも関わらず、上に置かれた雑貨や衣類が小さくまとまっていない印象だ。
白崎は目線を天井の木目に、記憶を呼び起こす。
「んー…なんか、違うな。こんな、片付けるのに骨が折れるイメージじゃなかったような。片付けようにもとりあえずはちゃんと物が置かれているから動かしようがないイメージだった。」
「あ、動かそうにも置き場がそこしかないような?」
「そうそう、そんな感じ。少なくとも、中途半端に開いた引き出しなんて…」
「そ、そういえば、変なところがあったわ…あたしが、この部屋に入ったとき、窓が開いていたのよ。あんたたちが開けたの?」
白崎と杉守は首を横に振る。ひよこの人は散らばった後ろ髪を手串で整えながら、小さな声で所感を口にする。
「き、昨日は、窓なんか開けていたら、雨が多量に吹き込んでくるくらいの、天気だったじゃない。それなのに、その痕跡は、ないわ。」
白崎と杉守は顔を見合わせる。掃き出し窓のそばの床を指でなぞっても、確かに、一切のよごれというものはなく、むしろ若干のほこりが絡みとれるくらいだ。これはどういうことか、白崎は答えを求めて杉守を見た。杉守は、自らの名前を呼びかけた良風を手で制し、思考を一巡させる。
「…ひよこさん曰く、朝の4時まで桐がこの部屋を訪れることはなかった。」
「ひ、ひよこさんって止めなさいよ。」
「単純に考えれば、朝の4時以降、私達が桐の部屋を訪ねる…7時半くらい?までに、桐が帰って来てたと考えるのが自然ね。それまで、家の鍵は閉まってただろうし。」
「か、加宮くんとは限らないんじゃないかしら。」
「?」
杉守はひよこの人の理解がどこまで及んでその発言に至ったかが計り知れなく、普段ならば自らの思考に割って入る人間には容赦がないが、しばし閉口して彼女に説明を求める。ひよこの人は、おどおどと目線を泳がせながらも語り始めた。
「そ、それは、加宮くんが…い、家の鍵を落としたからよ。」
「…?それは推測ですか?」
「ち、ち、違う、わ。あ、あたしは加宮くんに傘を、貸したの。ずぶ濡れになって帰って来て、ターミナルに鍵を落としたから、戻るんだって。家に入れないから、傘を貸してほしいって。そのとき、あたしのこと、か、か、軽いって…」
「…え?ひよこさん、もしかして…下校した桐に会ったんですか!?」
「ひっ…え?え、ええ。言って無かった…かしら。」
まるでそんな話は無かったぞ、と、白崎は首を振る。それを先に言ってくださいよ、と杉守は彼女をジト目に批判したが、彼女はそれを読み取れるほどに人の顔色が分かるわけでもなく。「ふ、ふふ。知らなかったようね。」と、得意気ににやけるところがなお気に食わない。
「…つまり、桐の家の鍵を拾ったか盗んだかした人が、朝の4時から7時半の間に、桐の家に入ったのではないか。そういう話ですか?」
「そ、そうよ。むしろ、加宮くんではないに、決まってるわ。」
「…?それは…」
どうしてですか。という言葉を、杉守は喉につっかえさせた。プライドが意識の淵で立ちふさがっているのだ。それに無理はなく、目の前の歳こそ上のこの女の調子の良いことたるやこの上ない。白崎とは違う図の乗り方が、彼女にとってはいけ好かなく、下手に回ることを嫌った。―それを白崎は、何食わぬ顔で感じ取っていた。「どうしてそう思うんすか?」彼女の代わりに白崎は問う。恩着せがましさもなく、優しさを滲ませた口調でもなく、ただ、ぶっきらぼうに。
「朝は、雨が上がっていたのよ。だから、一度帰って来たなら、あたしが貸した傘を、返すか、家に置いて行くはずよ。でも、それが無かったんだから、加宮くんは帰って来ていないと推測するのは、容易だわ。」
「…憶測に過ぎないわね。でも、監視カメラの話からすれば、桐はターミナルの中で消えたことになる。桐ではない、誰かがこの部屋に入った…そういうことなのかしら。しかも早朝に。何が目的?金…そう、金品は、盗られてないの?良風!」
「はいはい。んー…高そうなものとかは、そもそも桐の家には無いしなあ。一応財布が無いけど、カバンも一緒に無いからな。あーこれなんか高そうだ!」
部屋の雑貨類を手当たり次第にまさぐった白崎は、そこに置かれているものから『何か』を手に取りふたりへ見せる。
それは、加宮の部屋にも趣味にも似つかわしくないことは瞭然だった。赤い要に黒い漆塗りの骨組み。開けば、艶美な金箔の霞模様と、わずかに鼻をくすぐったアルコール消毒液のようなにおい。
黒い扇子が。平積みされた本の上へ、無造作に置かれていたのである。
*
もはや光を灯すことのない信号機を無視して。擦れたか剥がれたか、直線の原型を留めない横断歩道を横切って。今や崩れ落ちそうな、酸化の進んだ鉄パイプが繋いだ、『新横浜』と書かれた看板のいくつをくぐり。呼吸にも抵抗を感じる光化学スモッグのような灰と砂の混じった霧がようやく落ち着いたところに―くたびれた商店街があった。
僕は喫茶店の女店主から受け取ったコルトパイソンを腰のベルトに挟み、同じ過ちを繰り返さぬよう周囲を警戒しながらも歩を進める。
道の左右を横並びに敷き詰めた雑居ビルのほとんどはシャッターが閉まっており、まるで人の居る気配は無い。道はドーム型の天井が、およそ2階より上の高さで商店街の入り口から出口までを繋いでいた。
「食べ物でもありはしないだろうか。」
店こそやってはいないものの、所々のシャッターやガラスの扉は割られ、中を漁られたような形跡がある。油断ならないのは、それらや足元の不安定なコンクリートタイルに、弾痕のいくつかが見受けられることだ。
ここでは倫理や秩序というものを考える必要は無いらしい。経済があるとは思えなかった。この道中で見かけた、被災とも終戦時とも違う、荒れ果てた街でなおも危機の去らない有様は、なにより生きることが優先され、全てが許すことも裁かれることもない無法地帯に思える。
よって、どこへ行こうにも誰の許可も要らないと、肌で感じ取れた。加宮の足は自然と、商品棚が倒れ電球ひとつ割れていないもののない、ドラックストアへと向いた。
最初に店内で足を止めたのは商品棚の前ではなく、意外にも、半ば割れながらも体裁を保つ姿見の前だった。記憶においては初めて、自らの姿を目視したからだ。
髪は絡まりながらも肩まで伸び、髭は薄く短くも口の周囲を覆い。淀んだ目とぼろぼろに乾燥した皮膚が、こすると粉になって落ちていく。浪人。これが最初の印象だった。あまりに不衛生なもので、慌てて髪を整え肌を伸ばそうにも、それでどうにかなるわけでもない。
幸い、ここはドラッグストア。いつのものかは知らないが、それを解決できるような品は売るほどあるわけだ。
「…参ったな。よくこれであの人は僕を客だと思ったもんだ…」
喫茶店の女店主を思い出す。終いには銃まで持たせてくれた彼女の懐の深さを今になって実感しながらも、店内の物色を始めた。
シャンプー、リンス、ボディソープのボトル。歯ブラシに、チューブの歯磨き粉。そして、髪を切るためのハサミや手鏡。タオルと髭剃りも確保。店内のスタッフルームから奥へ進むと、畳の敷かれた居間や風呂場があった。どうやらここで生活していた者が居たらしい。生憎水は出なかったが、コンタクトレンズの保存液や業務用の化粧水ボトルで代用する。
最初、自らが着ていたゴム製のアンダースーツの脱ぎ方には困った。上下それぞれが身体にぴったりとくっついているので脱ぐことができず、手探りに脱ぎ方を模索していると、横腹に突起があることに気が付く。何度も押してみれば、突如空気を吸い込み始め、密着度が軽減されることにより脱ぐことができた。
丁寧に身体を洗い、顔を洗い、濡れたままに髪を切り、髭を剃った。洗面台に向き合うと、先ほどの浪人はいなくなり、代わりに若々しい好青年が現れたではないか。
「よし。これでいい。」
電気が通っていないため、ドライヤーは使えないのが残念だったが、それを差し引いても爽快な心地。視界が晴れ、心内に揺蕩う靄も打ち払えたように思う。
指先まで覆うアンダースーツを再度着用し、青い紐のキャンパススニーカーへ足を入れたところで、ふと、右の靴底だけが僅かに高い心地がした。中敷きが剥がれている。それだけではない。中敷きの下には、ひとつの茶封筒が入っているではないか。
(…!)
茶封筒の裏の端には、『自分へ』と、そう書き添えられていた。
「自分へ…?僕が、僕に宛てたのか?」
鼓動が高鳴る。思いもよらない、自分への手がかり。興奮は隠せない。口の中が乾いてくる。封もされていないそれには、一枚の紙が折りたたんで入っていた。便箋でもない、ただのA4大のコピー用紙を三つ折りにした、簡素な手紙。それを僕は、大事に、大事に、開く。どこか見覚えのある手書きの文字が、横流しに並ぶ。たちまち、分かった。それが僕の文字であると。
『記憶はあるか?無ければいいんだ。これは、記憶の無いお前に宛てた手紙だ。』
『お前は加宮 桐だ。』
『そしておそらく、お前がいるのは滅んだ日本だ。』
『今、お前が立っている日本が、どんな状態かは分からない。』
『だが、これだけはハッキリしている。お前は日本を復活させるために、そこに立っているんだ。』
『日本は、第四次世界大戦にて先進諸国により滅ぼされた。これは日本に非があることだ。インド洋同盟に武器を流したこと、そして、3つの悪魔の発明が事の発端だ。』
『まずは、今の日本がどうなっているのかを把握しろ。そして、徒党を組むんだ。やがては、記憶の無い者たちで日本を再構築しろ。』
『与えられる情報はこれだけだ。これ以上の情報は、真偽に欠け、また、無垢なお前の判断に水を差すだろう。であるから、情報は自らの手で掴め。国会議事堂の首相官邸だ。そこの首相執務室の資料を漁れ。』
『そして、情報の共有には最善の注意を払え。どんな悪が潜んでいるか分からない。敵は目に見えるものだけではないかもしれない。』
『健闘を祈る。』
「…加宮 桐」
耳当たりの良い名前。きり。桐。そう、やはり、『きり』は失われた記憶の欠片であった。それだけでも十分すぎる情報であるというのに、この手紙には―
「ロボットだ!逃げろ!お前ら!」
突如。店の外から若い男の声が店内に走った。間髪入れずに、連続した破裂音が響き渡る。
聞き覚えが確かにあった。あいつらだ。あいつらに違いない。僕と喫茶店を襲ったあいつらがやってきたのだ。
「挟まれた!応戦だ!応戦しろ!」
先ほどの声とは異なる、あれに比べて低い男の声が応戦を呼び掛けている。僕は冷静のままに店内の出入り口へと走った。コルトパイソンを腰から引き抜いて、人差し指と親指の中間がハンマーの当たらない位置の瀬戸際になるよう、なるべくグリップの上方を握り―
(…まただ。銃の扱いを、身体が覚えている…)
人差し指が、トリガーに余裕をもって届くことを確認し、商品棚越しに外の様子を窺う。100メートルほどの商店街の出入口左右に人型のロボットが1台ずつ。いずれも、数時間前に僕を襲ったタイプと同じ。頭部は楕円形ながらに奥深く、関節それぞれは細くも所々が球体の接合部で幅広い可動域を確保しているようだ。メインカメラこそ頭部にあるが、胸と手足の装甲が機動性を損なわない程度に厚みを帯びているところを見ると、部位それぞれの動力部はそれほど小さくなさそう。白いボディであることを除けば、典型的なエイリアンを模したような、そんな外観。
「関節を狙え!」
先ほどの声の主たちは、店の影に隠れて応戦する。男たちは3人であったが、それぞれが異なる物陰に身体を寄せ、また、1人は重傷らしく首から血を流して物陰にて細い息を潜めていた。
「寄せ付けるな!」
リーダー格と思しき30歳手前のバンダナを巻いた男が、アサルトライフルにて応戦する。が、脇が開いているのとストックが付いておらず、銃身のブレが激しい。関節部を狙っているようだが、それを掠めることもなく、ロボットはなおも前進。ロボットが搭載する白いマシンガンの射程範囲に彼らを収めつつある。
「ねえ!脇締めて撃ってよ!リーダー!」
「そ、そうだった!」
ロボットに近い位置で機を窺っていた少年のアドバイスで、リーダーと呼ばれた男は撃ち方を改める。『安全第一』と書かれた黄色いヘルメットの少年が片手に持っているのは、あろうことか、ナイフ一本。勝算があってのことか、単なる無謀か、はてまた武器を持ち合わせていないのか。
「…No bounty.」
(ん?)
今、ロボットが何かを喋った…ような気がした。いや、気のせいではないだろう。チカチカと、頭部のカメラに光が点っていたのを見た。そしてそれはアサルトライフルを構える男を目視しての反応であった。日本人の発声とは異なる、連続する母音には慣れなさそうなその発音は、間違いなく外国のもの。
(『日本は先進諸国に滅ぼされた』か…)
手紙の一節が頭を過ぎる。このロボットたちに日本は滅ぼされたのだろうか。なるほど、武器が自然に人々へ流通しているのは日本が戦場となったから、という至極簡単な答えらしい。そしてそれは、今も。
「援護する。」
僕は歪んだシャッタ―と壁の隙間から、ロボットの胸部を狙う。高周波リボルバー銃というやつの射程はどれほどのものか、試す必要があるだろう―通常のリボルバーとは何が違うのか。威力は?反動は?握り方はこれで良いか?弾道の偏差は?全ての疑問を棚に上げ、ただ一点に銃口を向けた。それで全てが解決するからだ。
トリガーを引き、撃鉄が雷管を叩く。瞬間、機構は震える。小さくも幾千回にもわたるかと思わしき小刻みの振動は、コンマ1秒も立たぬうちに、腕を伝い奥歯を揺らし、それがリボルバーの震えであると理解するより先に―
「っ」
燃え尽きるほどの振動で、超音波を振り撒いていく弾丸が。高速に回転を織り成す細く鋭い弾丸が。音を裕に超えていく速さで、光に届くと錯覚する視力の限界を超えた加速度で。一直線の軌道を描く―空も色も力も、何もかもに亀裂を入れて。痺れるほどの衝撃を手の内に残した、たったひとつの弾丸が、通り過ぎる何もかもを刻んでゆく。
そして刺さるような通過点のうちの、白いロボットの装甲を、それはそれは綺麗な、十円玉大の風穴にて。刹那の内に切り取っていったのだ。
次回更新予定日は来週の日曜日です。なお、早く仕上がればその分早く上げます。
正直、この小説はべらぼうに読まれておりません。ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございます。ぜひ、ブックマークだったり感想だったり評価だったり…いえ、いえ、心内にとどめていただけるだけでも書いた甲斐はありますゆえ。どうかよろしくお願いいたします。
つ・づ・く。