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悪役令嬢から攻略対象にジョブチェンジします。  作者: 音音
第 4 部

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第56話 婚約式①

 王太子の婚約式というには地味であった。


 急ぎ通達された王太子の婚約式だが、祝福し広める場である夜会は執り行わず、午餐会さえも設けない書類を交わす事務手続きのみの婚約式だという。


 王家の侍従によって案内された室内を見回した中立派の伯爵家当主である彼は、なぜかウィデント国の大使だけが居ることと、立ち会う貴族家当主の顔ぶれに違和感を感じ、情報収集も兼ねて序列の近い友人の側へ向かった。


 王国にとって重要な立場の貴族家当主は呼ばれており、他にも王弟派と知られるマグルザ伯爵家をはじめとした貴族家も並ぶ。

第二王子を押している神殿からも、王太子の婚約式を執り行うために神官長が来ているのだから、事務手続きだけのものとはいえ、顔ぶれだけは王太子の婚約式を行うには十分ではある。


 ただ、勘のよいもの、見る目を持つものは、その違和感に気がついたはずだ。

王都に居を構え、王宮に出仕する法衣貴族家が多いのは仕方がないことであるが、その法衣貴族の顔ぶれや参加する伯爵以下の領地貴族家当主に偏りがあることに。


通常、社交期以外に行われる公式行事は、当主が王宮に出仕していれば別ではあるが、王都から離れた場所にある地方領主も兼ねている伯爵家以下の貴族家に招待状が届けられることはない。

結婚式や戴冠式などの公式行事であれば全貴族家へ招待状は届けられるが、今回のような夜会などを開催しない、1時間もかからない事務手続きのみの婚約式では、領地貴族の移動にかかる時間や負担を考慮して招待状を以てして通達とすることになっている。


 体裁としては招待状として届けられるため、出席することは爵位、領地の場所等に関わらず可能ではある。

可能ではあるが、領地から出てきたにしては良く間に合ったな。という顔ぶれがいくつかあった。



 もともと予定していた婚約式を急遽前倒しで行うことになったのは漏れ聞く公爵侯爵らの会話から察することができた。

婚約を祝う夜会などは前倒しせずに、もともと予定されていた婚約式の日に執り行うでもなく未定だという。


婚約を広めるための夜会はともかく、午餐会さえも行わないのであれば、ウィデント国の大使を招き、各貴族家当主を呼びつけ事務的な婚約式だけを行う理由が判断できず、大半の貴族家当主は表情を取り繕ったまま周囲を窺った。


 前倒しされたという王太子の婚約式の知らせに国王の体調になにか問題でも? と勘ぐる者も多数いたが、それも健康を絵に描いたような国王が、昨日の兵士の訓練に混じっていたと話が聞こえてくれば、その懸念は早々に払拭される。


 ならば王太子とカプレーゼ公爵令嬢との間で前倒ししなければならない状況になったのか?

それならば喜ばしいことであり、夜会が後日というのは納得できるとは考えつくのだが、カプレーゼ公爵令嬢が毒に倒れ領地で療養していたのは貴族社会では周知の事実であり、いつそのような交流をとる時間が? と疑問が残る。


今回、夜会や午餐会が行われないのも彼女の回復がそこまで至っていないためと事前に触れ回られていたが、婚約式は本人が立ち会うのだから、夜会や午餐会が開催されない理由には弱く、それは国交を結ぶ大使の中で、なぜウィデント国大使だけが出席を? という疑問に戻り、大使が出席するというのに午餐会さえも行わない理由とは?となるのである。


 ウィデント国大使の妙な動きに気付いた僅かな貴族家当主は、何かあるかもしれないと気を引き締め、自分の連れてきた従者の位置を確認して、目配せをする。


大使は王太子派、中立派を選ぶように立ち話という名の社交を重ねる。 

その動きは、ウィデント国の第三王子がアマリリスに心を寄せていること、その第三王子がウィデント国の王太子に決定するであろうという情報を合わせ、今後の国交に影響が出ないようにと大使が根回ししているともとれるが……





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