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第1話 異世界転生だなんて…

 まぁ…良くあることなんだろうか?

 小説ではよく見たよね。

 目が覚めたら異世界だったとか、転生してたとか。両方とか。

 まぁ…それに自分が該当することになるとは思わなかったけど。

 中世風の世界で、凄い美男美女の子供に生まれた夢を見てたと思ってた。

 意識はふわふわふわふわしてて、その子供の視点から見る世界を見てる夢だと思ってたんだよ…ついさっきまではね…。

 3歳の誕生日、これが現実だと認識して、カプレーゼ公爵家が長女、アマリリスとして異世界転生していることを理解しました。

 理解したけれども、前世の記憶もしっかりばっちりあるけれど、思い出せないことが一つだけ。自分の死因。死んだときの記憶がないんだよ…

 まぁ…十中八九、過労死なんだとは思うけど。苦しんだ記憶がなくて良かったと思うべきか、残された者たちに申し訳ないというか…


 前世、私は医者だった。学費と生活費を抑えるために狙ったのは地方の国立大。

 それだって猛勉強してやっと入った。それからはもともとの目標だった離島や無医村、限界集落的なところで仕事がしたいと、猛勉強。免許を取ったらさらに勉強。

 最終的に目指す場所は、離島や無医村、限界集落的なところだから、内科も外科も整形も皮膚も耳鼻科も眼科も小児科も、ある程度のことは身につけたい。

 診療科をこえて他の科の医者とコミュニケーションをとりつつ、事務員さんに請求の極意を教わりつつ、そろそろいいかな~とネットで、まずは第一希望の離島の医者の募集をピックアップしてたところだった。

 なんで離島が第一希望って? そりゃもちろん漫画の影響に決まってます。あのマンガ読んで医者になること決意したからね。

 で、これからってときに、勤務していた病院がマスコミに追いかけられる様な大ミスをやらかしてくれた。で、タイミングが年度末だったこともあって、もともと移動予定だった医師がいなくなり、問題を起こした科の医師は全員撤退。当事者はもちろんだが、名前を伏せての報道から勘違いされては困ると当事者以外の医師も撤退していった。

 評判が悪くなった病院にきたいという医師が居るわけもなく、大学病院から急場しのぎとして外来担当の医師を派遣してもらえただけ良かったと考えるべきか……

 一般の市の中心を担う病院だったから、もともと医師不足の部分もあって、日勤で午前は外来・午後は入院・救急・夜勤、オンコール当番とハードワーク。

 勤務していたのは市の地域密着型病院。評判が悪くなろうが、医師が居なくなろうが、患者はくるし、救急車も患者を運んでくる。

で、私が一番若かったのもあって頑張った。で、過労死したらしい。

今度の目標は長生きにするかなぁ。公爵家の娘じゃ、離島や無医村で医者はやらせてもらえないだろうし。身元ばれたら誘拐されそうだし、政略結婚が当たり前なんだろうし…。身分を捨てれば、そんなこと関係ないかもしれないけれど、平成の時代を生きていた人間に、電気ガス水道のインフラがない生活は無理だ。でも、せっかく前世で培った医療知識を使わないのももったいないよなぁと思っていた時期もありました。

私、アマリリス5歳の誕生日、魔法がこの世界に存在することをしって狂喜乱舞しました。

カプレーゼ公爵家が長女、アマリリス。治癒魔法を極めさせていただきます!


 ※ ※ ※


前世の記憶があるからか、淑女教育も勉強も優秀すぎる8歳児のアマリリスです。

そんな私に、負けず劣らずの優秀さを見せているのが、1歳下の弟、ディビット。

なぜか、最近は少し距離を置かれているような気がするのは気のせいと思いたい…

仲良くしようと近づくと一歩下がるのはなぜなんでしょう、ディビット。

お姉ちゃんがそんなにこわいんでしょうか? ちょっと泣きたくなってきます。なにもしてないと思うんだけど……


庭でディビットが魔法の練習をしているのが見えたので、バルコニーに出てみると、家庭教師の方の慌てた様子が目に入る。ディビットを見れば、魔力が一気に跳ね上がり暴走寸前なのが見て取れた。

え…もしかして、練習見られるのも嫌なくらい、お姉ちゃんのこと嫌いですか…ディビット。

あまりのショックにバルコニーの手すりにもたれ掛かると、家庭教師の方の悲鳴とも怒声ともわからない声が聞こえ視線を上げると、弟の魔力が暴走して、私の方へと風の刃となって襲ってきました。

防御結界を張ろうしましたが、間に合わず腕と頬に走る痛み。そして、モノが破壊される音にガラスの割れる音に足元が崩壊する感覚。落下するなぁ…と思いましたが、残念ながら魔法で空は飛べません。

下は芝生だし、植込みもあります。二階からの高さなら何とかなるだろうと諦めて落ちることにします。

うまい具合に、植込みの方に落ちたみたいで、落下の衝撃は想像ほどでもなかったのですが、足に刺すような痛み。ちらりと痛みのする右足を見ると崩れたバルコニーの床材の一部が刺さってます…

音を聞いて、執事や侍女、警備の人たちが駆けつけてくれました。執事が医者の手配と父への連絡の手配をしてるのをぼんやりききます。ぼんやりしてないと色々と傷の痛みに耐えられなさそうなんで。

とりあえず、痛いのは我慢するので、誰かこの植え込みから出して板を抜いてくれませんかね。

これじゃ体制が悪すぎて治癒魔法もかけられない。と助けを待っていると、家庭教師の方が魔力暴走をしたディビットを抑え込むことができたのでしょう、正気に戻ったらしい弟が、背後で起きている騒ぎに気づき、こちらを見て顔を一気に青ざめました。

そうでしょうそうでしょう。頬や腕から血を流し、足には細いながらも板が刺さった状態です。

子供には恐ろしい光景だよな…ディビットのトラウマになったらどうしようなどと、弟の心配をしていた私の耳に届いたのは……

「なんか状況がシナリオよりひどくなってる!! これからは俺、悪役令嬢の姉にいじめられる生活確定だなんて、なに!? いじめもシナリオよりひどくなるの!?」

という言葉でした。

怪我を治したらディビットにお説教確定です。

まずは、お姉ちゃんの心配をしろ!!




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