自己紹介
「姫様!ご無事ですか!」
「ご無事だと言っているでしょう」
おお、騎士団長みたいな人がメイドに怒られているのを見るのは何か変だな。周りがたいして慌てていないから、いつものことなのか?
「あれって、いつもなのか?」
「ええ、あのメイドさん団長の妹さんですので大体あんな感じですね」
「へ~」
しばらくすると、怒り終わったらしく綺麗なドレスを着た女の子と一緒にこちらに来た。
「先ほどは助けていただきありがとうございました。私はメイドをしております、ラウラともうします。こちらはノゼス王国の第二王女のミミ=リンドグレーン様です」
「初めまして、ミミ=リンドグレーンです」
ドレスを着た女の子はそう言ってペコリと頭を下げた。
「俺は……」
どうするか、俺は物心ついたときにはスラム街に住んでいて師匠に拾ってもらうまで名前もなく暮らしていたから本当の名前は知らないから師匠に呼ばれていた名前でも名乗っとくか。
「俺の名前はクラウンだ」
「クラウンですか?」
「変か?」
「いえ、聞いたことのない名前だったので」
「まぁ、いいや。で、このあとはどうするんだ?」
「ワイバーンの死体を処理したら、街へと戻る感じだ」
騎士団長がそう言ってきた。
「そういえば、自己紹介がまだだったよな。俺はバロウだ」
「そうか、俺はクラウンだ。おっさん」
「おっさんって歳じゃないんだが」
「見た目がおっさんだからいいんだよ」
「おい、それはないだろ」
「何してるんですか、速く指示を出してきなさい」
また、怒られてるよ。
「ほら、指示出してこいよ」
俺はニヤニヤしながら言った。
「このやろ……はぁ、指示出してくるか」
そう言っておっさんはワイバーンの方へと行き団員に指示を出していた。
そのとき、【ブーブー】という振動がポケットの中でした。