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救世のカケラ  作者: 長谷川伊織
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第1話:運命の出会い

「ッ!!」


少年が路地裏で目覚めると、もう太陽は空高くまで上がっていた。空は雲一つ無い晴天だ。


「今日こそ仲間にしてくれるギルドみつけないとな。」


少年はここ数週間毎日の様に繰り返している台詞を今日も吐き出し、足早に大通りまで駆けていく。


ここはアルカディアの街。下界、中央大陸の中心より少し南に位置する人族の国カルバーン王国の都市である。ここは人族の都市の中でも比較的大規模な街であり、ギルドも多数存在する。少年はギルドに加入すべく、数週間に渡って街から街へ転々とし、数日前にここに辿り着いていた。


「おい、みろよ!あれアイクじゃねえか!?」


「おっ、本当だ。こんな真昼間からなにしてんだろうな。」


街行く人々がなんだかざわついている。


「オレもいつか強くなってあれくらい有名な術者になるんだ。」


少年はそう呟きながら民衆の間をすり抜け、目的のギルドへ急いだ。




「ん?なんだお前さん。依頼かい?」


目的のギルド、【ベリアル】に着いた少年に受付の大男がそう呼びかける。


「いや、ギルドに加入したくて」


「ほぉ、お前さん術者なのか。んで、どんな魔法を使えるんだ?」


「オレ魔法じゃなくて神気を使うんだ」


少年がそう答えると今まで賑やかだったギルドの中空気が静まった。


「神気だと?貴様、ここが魔導士ギルドだとわかって来てるんだろうな!?聖者なんかお呼びじゃねえんだよ!」


「な、なんだよ!どっちの力を使うのかなんて関係ないだろ!?」


そう言い放った瞬間、少年はスゥっと意識が遠退くのを感じた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「…………………え、……てよ。…え。

ねえ!キミ!!!」


気がつくと辺りはもう薄暗い。

目の前には今日の夜空様に黒い髪を後ろで束ね、飲み込まれてしまいそうな程澄んだ紫色の瞳を持つ少女が座っている。

おそらくこの子が起こしてくれたのだろう。


「ねえどうしたのキミ、大丈夫?」


少年と同い年位に見える少女がそう問いかけてくる。


「う、うん。なんとか。」


「どうしたの?こんなところで」


そう疑問を投げ続けてくる少女に少年は、今日起こった事を話した。


「居るのよねえ。そういう神族の恩恵を使うのか、それとも魔族の恩恵を使うのかに執着して他を認めない人。この街は特によ。もう神も魔王も争ってなんかいないのに。」


今までの街や村でも数回、今回の様な事になったがどうやらこの都市では他の街より術者の分断が酷いらしい。

どうしたものかと考える少年に対し、少女は語り続ける。


「ん?ってことはキミ、もしかして聖者なの!?」


「う、うん一応そうなんだけど…」


少年がそう答えると少女の澄んだ瞳がキラキラと輝いた。


「ならキミ、私のギルドにおいでよ!うちのギルドは聖者も魔導士も関係ない自由なギルドでね、今聖者が不足してるのよ。」


数週間もの間、各地を彷徨い続けていた少年は一つ返事で即答した。


「是非ッ!!!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



少年は少女に連れられ、街はずれにあるという彼女のギルドへと向かった。


「そういえば聞いてなかったんだけど、キミ名前は?」


そう言われて初めて気が付いたが少年も少女の事を何も聞いていなかった。


「オレの名前はイオだ。イオ・ハルトフェンゼン。君は?」


「イオ君かぁ。私はリツ・オオゾラ。リツって呼んでね。」


「なんか、凄く珍しい名前だね。知り合いに似た様な名前すら見当たらないよ。」


「うん、母さんから聞いた話だとここからずっと東の方に多い名前なんだって。」


「ナルホド、通りで聞いたことが無い訳だ。」


「ほら、イオ君!着いたよ!」


そんな話をしている間に彼女のギルドに着いた様だ。建物の外見からしてかなり古そうではあるが決してボロくはみえない。むしろ頑丈に見えるくらいだ。屋根には飛竜の紋章の旗がはためいている。このギルドの紋章なのだろう。ギルド内から漏れてくる声は今まで回ったギルドの中でも群を抜いて騒がしい。


「さぁ!ようこそイオ君!私の、私達のギルド【ドラゴンズクラウン】へ!!」


オレはその名前にどこか懐かしさを覚えながらギルドに足を踏み入れた。

少し短いですが、とりあえず第1話を書いてみました。よろしくお願いします。

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