表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

僕の彼女は美しい

僕の彼女は美しい。




軽々とした足取りで坂道を登る。


僕たちの住んでいる地域は山の近くにあるため、短いのから長いの、緩いのから急なのまで、とにかく坂が多い。


そのため坂を登るのは楽勝だ、というのは嘘だけど、平地民よりは脚力は優れている。



長い坂を途中まで登り、右に曲がる。


白の壁が特徴の可愛らしい家の前で止まった。



髪と服装を整え、カメラ付きのチャイムを鳴らした。



「はーい」と中から声がした。


凛とした、綺麗な声。





僕には彼女がいる。



玄関の扉が開いた。


中から出てきた女の子。鈴宮流季(すずみやるき)


素敵な名前だろう。



長くて綺麗な黒髪は結ばずに下ろしてある。


服装は整っていて、制服を規定を守って着ている。



美しいのだ。溜め息が出る程。



僕の彼女は美しい。美しい。


大事なので2回言った。


もう何度でも言ってやる。



今僕は、リア充爆発しろと言われている時代の勝ち組なのだ。


罵ってもらっても構わない。事実なのだから。



自己満足に浸っていると、彼女が声をかけてきた。



「ゆかりくんおはよう。目がとろーんってしてるけど、眠たいの?」


不思議そうに首をかしげる彼女。



違う、美しい流季に見とれていたのだ。


と言いたいところだが、今は我慢しよう。



「少し、眠たいかな?じゃあいこっか」



歩幅を彼女に合わせて歩く。


僕にももうそろそろ彼氏としての余裕が欲しいな。





彼女と初めて話したのは、生徒会の顔合わせのとき。


こう見えて僕は副生徒会長なのだ。



そして、流季が生徒会長。


素敵だろう。



付き合い始めたのはそれから1ヶ月くらい過ぎた頃だろうか。



先に惚れたのは僕の方。一目惚れだ。


必死にアタックしに行ったが、見事に打ち返された。



「今は恋愛をしている暇はないの。ごめんね」


確かにそうだった。


入学シーズンはとても忙しい。



だったらその後なら良いだろうと、今度はゴールデンウイーク明けから再び猛アタックをした。


先に折れたのは彼女の方だった。



困ったように笑い、オッケーをくれた。



無理矢理感がすごいのだが、今こうして隣にいてくれるのが証拠。


朝一緒に登校するのを提案してくれたのも彼女の方だった。


気が付けばいつも隣にいてくれる。


言葉で言わなくてもきっと、お互いが好きでいるのだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ