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効率厨のサブ上げ光景

 翌日ログインしてみると、二人はまだのようだった。

 俺はとりあえずスケルトンを召喚しておく。レベル5スキルにしては召喚スキルはどれもクールタイムが長く、こうしてこまめに使っておかないと熟練度を上げることは難しい。


 後は今のうちに周りを見て採集を行っておく。鉄鉱石は≪鍛冶師≫と≪炭鉱夫≫のクエストに、薬草は≪薬草摘み≫のクエストに必要だからだ。

 どうせ熟練度を上げるための材料に必要だし、二人が来るまで採集を続けておいた。






『悪ぃ遅れた』


 ユウがやってきたのは予定時刻の30分過ぎであった。


『おせーよ』


『どうかしたの?』


 心配する俺らをよそに、ユウは朗らかに言い放った。


『いや、昨日一日ゲームやったし今日もだろ? なんか体が鈍った気がしたからちょっと走ってきた』


『まぁ、いいけど、今日は後から嫌ってほど走ることになるんだぜ?』


 俺はにやりと笑ってそういった。まぁ、アバターには口の端が吊り上ったくらいにしか変化はないが。


『えっ』


『えっ』


『さぁ、とっとと10まで上げちゃうぞ、それで午前中の狩りは終了だ』


 俺はそれだけ言って獲物を求めて歩き出した。






 今日は最初からゴブリン狙いである。本当はマンイーターが経験値的にもおいしいのだが、プレイヤースキル強化優先である。

 止まった的にはほとんど外すことがなくなったシンもゴブリン相手だとまだ8割ってところだ。それでも頭部狙いで結構な数のクリティカルだしているあたりさすがだ。


『早く銃を使ってみたいな』


『10まで待て、10まで。・・・・・・一応言っとくがシャレじゃないぞ?』


『お前にギャグセンスは期待しねーよ』


 そういって笑う二人。

 失礼な! 俺だってギャグくらい言えるんだぞ。


「ふとんがー ふっとんだー!」


『アホ言ってんじゃねーよ』


『ぷふ、無表情なのが結構ツボだ』


 うるせーよ、ユウ。あとシン、俺はお前のツボがわからない。






 時刻は10時を回ったところでレベル10を達成した。


『おっけー、で? 必殺スキルだっけ?』


『そうだ、クールタイムが滅茶苦茶長いスキルがあるだろう? それだよ』


 いわゆる必殺スキルというものは十の倍数レベルで開放されるスキルの中にあるクールタイムが30分やら1時間やら長いスキルのことだ。そのほかにも消費MPが少なめな代わりに特定のアイテムや装備の耐久度を消費して発動するという特徴がある。


 ≪パラディン≫の≪グランドクロス≫は消費に聖水を一つ使う必要があるがそれなりのダメージを誇る範囲スキルである。属性も聖属性なので後半のモンスターに利きやすく耐性持ちが少ないのが利点だ。

 さらにもう一つ加えるなら範囲にかなりの高さがあることが最大の利点であろう。

 近接職は対空スキルが少ないことが多く、飛んでる敵に対して有効打を与えるのが難しい。それをカバーできる点でこのスキルはかなり優秀だと思う。


 ≪レンジャー≫の≪ブレイクスルー≫は消費に武器耐久度の10%を消費するスキルだ。1mくらいとはいえ一応横にも範囲があり、縦に至っては200mとかなりの長距離まで届く。絶対に貫通するスキルであり、防御力も無視できる。ダメージはそれなりとしかいえないが、必殺スキルのなかでも消費コストはかなりの安さを誇るため気楽に使っていけるスキルだ。


 あ、≪サモナー≫の必殺スキルはうまみが薄いので、今の段階で取るつもりはない。取ったのは別のスキルだ。


『じゃあ、町に戻りますか』


『ああ、その前にこれってある程度捨てちゃっていいか?』


 ユウが取り出したのはただの石ころだ。

 実は昨日の狩りを始める前からそこらへんの石を拾っておくように指示しておいたのだ。無論、≪キャリアー≫の熟練度上げのためにである。


『ちょっとした裏技に使うから取っとけ。まぁ、今持っている以上はとらなくてもいいけどな』


 そのまま俺たちは『セントラル』へと戻るのであった。






「お、確かに鉄鉱石だな。うし、それは選別だもってけ」


≪クエストをクリアしました。≫

≪報酬:鉄鉱石×5 つるはし を獲得しました。≫

≪サブ職業:炭鉱夫 に転職できます。≫


 町に戻ってすぐ、まずは武器屋でクエスト報告を行う。これであとは鉄インゴットを作成すれば≪鍛冶師≫のサブ職業クエストも完了だ。


『うし、ちょっとインゴット作っててくれ。俺は道具屋いってくるから』


『うーい』


『いってらっしゃい』


 俺はそのまま隣の道具屋に向かう。


「はいよ。確かに。じゃあこれは選別ね」


≪クエストをクリアしました。≫

≪報酬:薬草×5 を獲得しました。≫

≪サブ職業:薬草摘み に転職できます。≫


 NPCのばあさんに報告を行い、出てきたウィンドウのYESを押して≪薬草摘み≫に転職する。これで俺の方のサブ職業は埋まった。






 戻ってくれば当然二人ともクエを完了していた。


『ただいま』


『おう』


『おかえりー』


『さてと、じゃあ適当に生産しながら今後の予定について話そうや』


 俺は店に備えてある溶鉱炉を指差した。ゲームなおかげで暑さとかを感じないのが救いだ。


『だったら鉄鉱石をもっと拾っておけばよかったね』


 そんなシンの声に俺は裏技的なチョットしたテクニックを伝える。


『いや、実はな。さっき拾ってきた石ころもインゴット作成に使えるんだよ』


『は?』


『え? そうなの?』


『そうなんだよ。あの石ころは岩場での採掘の言わば失敗アイテムなんだ。あ、ギャグじゃないぞ』


『話を進めろ』


 ユウの言葉が冷たい。


『はい。で、同じように金属加工の失敗材料となるわけだ』


『それってインゴットできないんじゃ?』


 シンの疑問に俺はあっさりと答えた。


『できない。生産は必ず失敗する。で、こっからがおもしろいところなんだが、生産って失敗したほうが熟練度が上がるんだよ』


『マジか』


『ええぇー』


 まぁ、この方法にも欠点はある。


『まぁ、失敗材料って材料アイテムの中でグレード0扱いらしいのでグレード2が扱えるようになってしまうレベル5までしか熟練度が上がらないんだけどね』


 生産はレベルによって大きく1から5までのグレードに分かれており、各グレードにあった材料が必要となる。そして熟練度が稼げるのは一つ下のグレードによる生産までだ。

 ≪鍛冶師≫を例に挙げると、グレード2を扱えるようになるレベル5まではグレード1とグレード0=石ころで熟練度が手に入る。

 だが、そこからはグレード1の鉄鉱石かグレード2の銅鉱石を扱わないと熟練度が入らないのだ。

 で生産の失敗は成功の1.5倍の熟練度を稼ぐことができるため、グレード1の鉄鉱石から鉄インゴットを作る(ちなみに成功率は90%くらいだ)よりもグレード0の石ころで失敗し続けたほうが稼げるというわけだ。


 納得しないまでも、とりあえず二人には石ころでインゴット作成を失敗し続けてもらう。

 ちなみに二人には連続して生産ができるよう、マクロの組み方についても教えておいた。

 これで溶鉱炉前に座ってるだけで勝手に生産してくれる。


『で、ちょっと相談なんだが。午後の予定についてな』


 本当は俺も≪薬草摘み≫のレベルを上げたいところなんだが、内容的に面と向かって話しておいたほうがいい内容だろう。


『たしかシンの彼女が来るんだろ?』


『うん、レイちゃんにはとりあえず今日のところは一緒に遊ぶって伝えておいたけど?』


『ああ、それなんだけど、候補が二つあってだな』


 そう、遊ぶんだったらみんなで楽しめたほうがいい。だが、しかし、おれはレイさんをよく知らないのだ。こういうゲームで敵を倒したりすることが楽しめるかどうかぐらいは知らないと対策が立てられない。


『一つはタイムアタックダンジョンで、遊園地のアトラクションとかアスレチックみたいな感じ。レベル10だとメルヘンチックなやつになる。報酬が優秀で、いずれマラソンすることになるよ』


『もう一つはランダムダンジョンで、これはPT全員強制的にレベル1になって普通にダンジョンクリアしていく感じ。トラップもあるし運が悪いと速攻で全滅だけど、運がいいとあっという間にレベル10までいけるし当たりのアイテム引いたら大金持ちになれるよ』


 ちなみにお勧めは前者だ。後者は一応このゲームにおけるエンドコンテンツの一つに数えられ、現状の鍛え方程度ではよほどの運に恵まれない限り3階踏破も難しい。

 ただ、前者はある程度全員が動けないとつまらない。レイさんが運動まったくダメという感じの人だとつまらないと感じてしまうかもしれない。


『うーん、その二つならタイムアタックダンジョンのほうかな? というか普通に狩りをするという選択肢はないの?』


『レベル15か装備そろえるまではタイムアタックダンジョンをマラソンするのが一番効率がいいんだよ。というかレベル10のタイムアタックは見た目的にもやる分にもかなりお勧めなんだよ』


 ダンジョン内やモンスターもかわいい系が揃っており、ダンジョン内のギミックも凝っていておもしろい。βのときはギルメンと一緒に爆笑しながら走り回ったものだ。


『まぁ、会ってみないことにはどうにもな。もしはずしてもちゃんとフォローしてやるから』


 根本的にそういうのがダメなら、ただひたすら景色のよいMAPを教えるつもりであった。


『まぁ、とりあえずやってみようぜ。ダメなら他をあたればいい。俺のためにすまんなカズ』


『ナナだ。ゲーム中はそう呼べよ。まぁ、リアルでナナと呼ばれても困るがな』


 ユウのフォローもあってとりあえずの方針は決まった。

 13時に集合することにして俺はその場を後にした。






「ふとんがー ふっとんだー」


 二人と別れた俺は『セントラル』の中央広場の一角に来ていた。


「そのかこいー かっこいー」


 そう、昨日あったピエロと子供たちのところだ。


「ねこがー ねころんだー」


 何をしているかというと、サブ職業の≪ピエロ≫の熟練度上げである


「あるみかんのうえにあるみかん」


 そう、オープンチャットでギャグを言いながらジャグリングをしていた。ボールの数は10個、それをガンガン回していく。


 正直に言おう。めっちゃはずかしい。

 アバターで赤面が表示されないのがせめてもの救いだ。

 だがこれが一番熟練度稼ぎにはいいのだ。


 ≪ピエロ≫の熟練度はオープンチャットでギャグをいう(定番が理想。登録されていないギャグは無視される可能性が高い)のとジャグリングをするという二つの方法で挙げられる。

 さらに観客がいるとその人数に合わせてブーストが入る。

 現に15分もやらないうちにレベルが一つ上がっている。


 しかしアレだ。

 周りにも同じような方法で熟練度上げを行っている人がいるのに、妙に俺だけ注目されているように感じる。

 アレか? アバターのせいなのか? 出来がいいとは思うが、よすぎて作り物だということがモロわかりだし、だったら中身は男だとわかるはずだ。

 あー、でも傍から見てる分にはおもしろいのかな? おんなじようなことをやっている人がもしいたら、足を止めてしまうかもしれない。


 まぁ、熟練度上げのためならばその程度のこと瑣末なことなんだが。


「となりのきゃくはよくきゃきくうきゃくだ」


「ばすがすばすはつ」


 定番が切れて早口言葉になっている。ちなみに失敗したほうがポイントが高い。

 ギャグは同一のものはカウントされず毎日6時にリセットされる。その数は膨大で、現在進行形で増え続けているらしい。

 攻略サイトにある専用ページを開けば、1ページ全部ギャグの羅列というシュールなものが見られる。最近になってモノマネも有効になったらしいが、判定がシビアすぎて俺は手をだしていない。


「あの、すみません、よかったら一緒にダンジョンいきませんか?」


 目立つことをすれば、変なのが釣れることもある。

 俺に声をかけてきたのは大学生くらいの5人組みであった。


「あかまきがみ、あおまき――いえ、間に合ってますので」


 俺は定例文を連呼するマクロを止めてそういった。ジャグリングのほうは継続中だ。


「それ初期装備でしょう? 俺たちと一緒にダンジョン回ればすぐに装備が揃うよ?」


「いえ、午後から友人と回りますので」


「じゃあさ、フレ送るから今度空いたときにでも――」


「初対面でいきなりフレ送ろうとするような人とはちょっと」


 というかしつこいな。


「ちょっとしつこいよ、あんたたち。その子困ってるじゃん」


 そんなやり取り中に別の声がかかる。

 年下に見えてしまうが背の低さと撫で肩の所為だろう。ただやたらと目付きが鋭く、その所為で『背伸びをしている小学生』に見えるのは、まぁ知り合いだった所為であろう。初対面の人にはキツい人に見えるはずだ。


「あ、ミーコさん、こんにちはです」


「へ? あ、こ、こんにちは」


 知り合いが現れたと思ったのであろう。舌打ち一つして男たちはすごすごと立ち去っていった。


「えっと、誰?」


「俺ですよ。というかこのアバターもらったときに言ったでしょう。俺はオープンでもらったナナエルでやり直すって。女性のミーコさんはアダムもらってましたっけ。」


 PTを飛ばせればいいのだが、今はユウたちが繋いだままなのでしょうがない。


「あー、はいはいはい。うわー。で、今はナナちゃん?」


「です」


 ようやく合点がいったらしい。一応このアバターをもらった際にキャラを作り変えるときに使うといっていたんだけどなぁ。


「へー。ああ、言われてみればなんか雰囲気同じだねー」


「ミーコさんも相変わらずのようで」


 この『ミーコさん』はβテスト時に入っていたギルドのギルメンの一人だ。メインは≪ブラックスミス≫でギルドの製造担当の一人であった。解散したあとは何人かと一緒に知り合いのギルドに移っていったはずだ。


「まぁね。ナナちゃんは今は?」


「リア友と一緒にプレイ中ですよ。今はサブ上げです」


「ああ、なんかリア充二人とやってるんだっけ?」


「ですよ」


「やっぱこっちのギルドに来る気はない?」


「すみません、ギルドは多分自分で作るだけですね」


「ってことはやっぱりやるんだ。ダンジョン制覇」


「はい」


 そう。俺にはこのゲームでの目的がある。

 それはこのゲームのエンドコンテンツの一つであるランダムダンジョン『天覇の塔』の制覇だ。全1000階層が存在するのにβ中に103階層までしか到達されなかったといういわくつきのダンジョンだ。


 βテストでそのダンジョンの魅力に取り付かれた俺はそのダンジョンを制覇するためにキャラの作り直しをすることを決意したのだ。

 その結果、今に至るというわけだ。


「たしか今更新中で208階層だっけ?」


「昨日の時点で215階層ですね」


 ランダムダンジョンは踏破階層でランキングされ、現在のトップは215階層。この人は今日もそのまま攻略するだろうから、さらに更新されるであろう。


「というか先越されちゃわない?」


「無理だと思いますよ。レベルは上限外れるので何とかなりますが、スキルは40までですし、今の段階じゃろくに熟練度も上げられていないでしょう。個人的にはレベル100が開放されるまでは無理じゃないかと思ってますよ」


「うわ。いつになるやら」


「まぁ、2年くらいじゃないですか? 運営もゲーム開発後回し気味ですし」


「水と匂いと食べものだっけ? 一女の子としては食べ物優先してほしいんだけどね」


「運営としちゃ、夏までに水の再現が間に合わなかったのが痛恨みたいですけどね。開発ブログめっちゃ謝ってるのに非難轟々でしたからね」


 運営側が公式に優先して開発しているものにその3つがある。特に水は現在のところ見る分には本物と大差ないのだが、触ると細かい砂のように感じられてしまい、触感をうまく再現できていないのだ。

 おかげで釣りは再現できても水泳は再現できない始末だ。これの改善を開発は最優先しているとのことだ。運営としては正式オープンに合わせてアップデートしたかったようだが。


 次に匂いと味だ。このうち匂い優先なのは、味だけ感じても実際の食べ物は匂いも同時でないとうまさが半減どころではないためだ。その上力を入れているリラクゼーション関係の目玉である森林浴で、匂いが感じられないため本物を知っている人には不評が続いている。

 ここらへんは国からも優先して開発するよう言われているようだ。


「VRを使ったダイエットの可能性にはめっちゃ期待してるんだけど」


「最初はそこまでうまいものは作れないと思いますよ。うまいものほど味が複雑でしょうし。最初は甘いかしょっぱいかすっぱいかってところで、食感も一パターンじゃないですかね?」


「甘いのがあればいい!」


「砂糖だけなめ続ける気ですか」


「練乳だったら飲み続ける自信あるよ、私!」


「体に悪いんでやめたほうがいいですよ」


 あやうく『太りますよ?』っていうところだった。彼女は太りにくい体質らしいけど、女性に禁句だということはかわらないだろう。


「あー、いた、ミーコ。ちょっと時間過ぎてるんだけど?」


「おおう、ごめんイワイっち。ちょっと話し込んじゃった」


「ども、おひさです」


 そんな風に話していると後ろから声がかかった。

 現れたのは我が元ギルメンが紅二点のもう片方、『祝い』さんだ。ミーコさんと並ぶと姉妹のように見えるが、同い年らしい。長い髪のおっとりさんで言動含めて『お姉さん』という言葉がよく似合う。

 反面この人は根っからの戦闘狂で、前のギルドでギルマスがまったりギルドを目指していたにも関わらずレイドギルドとしてそこそこの知名度を誇るようになった原因とも言うべき人であった。


「あー、はいはい。っていうか、そのネタアバター本気で使ったんだ」


 どうやらミーコさんと違って一発で俺とわかってくれたようだ。


「ええ、十分実用に耐える代物っていうか思った以上によいものだったので、ギルマスには感謝です」


「確かに、あたしたちがもらったアダムも片手間に作ったって言ってた割りにすごい出来だったしね」


 ユウやシンにも聞いてみたが動いている最中に破綻するようなところは見られなかったらしい。思いの外しっかりと出来ていたようだ。


「気をつけなさいね。掲示板にも出来のよい特殊アバターってことで話題が挙がっていたはずよ」


 あー、なるほど。妙に注目されるワケだ。


「わかりました。まぁ、そのうち潜るんで話題もなくなるでしょう」


「現在進行形で話題提供している時点で説得力がないわー。っと、そろそろいくわよ。ミーコ?」


「はいはい。フレンドだけ飛ばさせて。じゃね、ナナっち」


「私も、それじゃあね」


 そういうと二人は去っていく。

 フレンド申請は両手がふさがっているので視線だけで承認する。


 しかし相変わらずな二人だった。元気そうでちょっとだけ安心した。

 そしてやっぱり『ナナっち』って呼ばれるだろうという予想は外れなかった。


 再会を懐かしみながら、俺はサブ上げを再開するのであった。 ん、ギャグじゃないぞ?

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