表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

決意一.

 青島孝は深く考えていた。ジョージが指摘した、「自分たちの世界が正統ではない」という言葉が、彼の心を重くしていた。しかし、そうだとしても、罪のない人々が次々と命を奪われていく現状は、あまりにも悲惨だ。


 林田未結は言っていた。「地球環境の悪化は、人間の数が多すぎるからであり、その人間を間引くことは、地球のためになる。地球は、人間だけのために存在するのではないというアークの考えには、私も賛成できる。でも、アークが目指している社会は、結局のところ強者が弱者を支配する差別的な社会であり、エゴイストの主張に過ぎない。それは、どうしても許せない」と。


 ジョージを監禁することで、地球の分岐を防ぐことはできた。しかし、時折未来へ跳び、その都度報告に戻ってくる関森リコからの報告は、状況が一向に変わっていないというものだった。


(やはり、我々のいた世界が、正統な世界というわけではないのか…)

 青島孝は、深く落胆した。

(こうなったら、もう一つの地球に乗り込んで、レジスタンスとして戦うしかないのか…)


 林田未結は、もし向こうの地球へ行けるのなら、自分もレジスタンスに加わって戦うつもりだと言っていた。


 関森リコは言う。「正統な世界なんて、どこにもない。時空を旅すればわかるけど、世界は無数に分岐していて、どの世界が正統かなんて、誰にも決められない。私たちが生きるこの世界を、少しでも良い場所に変えていくしかないんだ」と。


 過去を変えたところで、未来が必ずしも良い方向に変わるとは限らない。変えられた世界は、新たな分岐した世界として続いていくだけなのではないか。そうであるならば、ここに留まっている意味はない。自分たちがいた現代に戻り、自分たちの手で戦うしかない。青島孝は、皆にそう伝えることを決意した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ