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55.討伐戦(3) 二班の戦闘

 章設定を付けました。

「ふぅ……」


 交代が上手くいった事で、わたくしは安堵の息を吐きました。


 正直に言うと交代のタイミングが一番危険だと思っていましたので、誰も負傷する事無く交代が出来て本当に良かったです。


 さて。


 わたくしが率いる二班は、ディッシュ殿、ラマイ殿、ルーミス殿、リン、ファイス殿、セーア。

 前衛がディッシュ殿とリン、ファイス殿の三人。

 後衛がわたくしとラマイ殿の二人。

 遊撃がルーミス殿とセーアの二人。


 遊撃部隊であるルーミス殿とセーアの働き次第で、前衛部隊の負担は少なくなる事でしょう。


 後衛部隊であるわたくしとラマイ殿は、火属性と風属性という攻撃に適した属性ですので、かなり戦いやすい筈です。

 それに、ファイス殿とルーミス殿はある程度の闇魔術が扱える様ですし。



 一班の方々が八時間の間戦っていた様ですが、眼前にそびえ立つアグマ・ネタルは、一切負傷している様子を感じません。

 単純な魔物としての再生力なのか、はたまた光魔術を使っているのか。


 後者であればまだ良いですが、もし前者であれば、これ以上の回復能力を有しているという事になります。そうであれば、かなり厄介でしょう。


 なんにせよ、これ以上奴を強化させる訳にはいきません。

 それ以前に、犠牲は許容されません。

 つまり、誰一人として死ぬ事は許されないのです。


 命を最優先で戦いましょう。







「はっはっは!我が手に集え闇よ!我が敵を撃ち滅ぼしたまえ!」


「おい!真面目にやれ!」


 地上のファイス殿が詠唱をしながら闇魔術を発動させると、ディッシュ殿が文句を言っています。


 よくもまあ、こんな生死を分けた戦いの中で、あの様な言い合いが出来るものです。逆に凄いのではないでしょうか?


「何を!我は常に真面目に戦っ――うおっ、危なっ!」


「絶対にふざけてるだろ!!」


「その様な事実は無い!」


 まったく、無言で集中しているリンを見習って欲しいものですね。


 しかしまあ、Cランクパーティーを引っ張っているだけあって、あれだけふざけていても充分に戦えている様です。

 恐らく本気を出せば、うちのリンよりも活躍してくれる事でしょう。


 わたくしのやる事はただ一つ、彼らが死なない様に援護をするだけです。







 三時間程が経過しました。


 最初は文句を言い合いながら戦っていたファイス殿達ですが、今はもう真剣に戦っている様です。


 最初は魔術を発動させる度に口上を述べていたファイス殿も、今では無言で魔術を使っています。出来るなら最初からやって欲しかったものですが……。


 しかし、ずっと膠着状態の戦い程つまらないものはありません……。

 何か仕掛けてみましょうか。


「ラマイ殿!次の攻撃を阻害しましたら、魔術を合わせて右手に攻撃を致しましょう!」


「了解した!」


 ラマイ殿は一も二も無く承諾して下さいました。班長であるわたくしを信頼して、の事でしょうか。


 丁度その時アグマ・ネタルが左腕を振り上げたので、ラマイ殿は風魔術でそれを妨害しました。


 直後、わたくし達は目を見合わせ、それぞれの杖を同時にアグマ・ネタルの右手に向けます。


紅炎(プロミネンス)!」「風斬陣(エアスラッシュエリア)!」


 ほぼ同じタイミングで、わたくしの杖から紅の炎が、ラマイ殿の杖から大量の風の斬撃が放たれます。


 炎は右手に激突すると美しい大爆発を起こし、風の斬撃は右手の周りを高速で動き回り連続して斬撃を与えます。


「煙で見えませんわね……」


「手応えは感じられたが……」


 紅炎(プロミネンス)が起こした土煙で目では結果を観測する事が出来ませんが、ラマイ殿は魔術を通してある程度分かる様です。


 数秒が経って土煙が晴れ――右手首から先が欠損しているのが見えます。

 一先ず目論見は成功の様です。


「やりましたわね!」


「ああ、これでかなり楽に――」


 ラマイ殿の言葉はそれ以上続きませんでした。


 その瞬間、アグマ・ネタルの右手が発光し始めたからです。


「――光魔術!」


「妨害を!」


 わたくし達はそれに気付くと、すぐに杖を構え直します。

 しかし、先程かなりの大技を放ってしまった為、小手先の技しか使えません。


火槍(ファイアジャベリン)!」「風斬(エアスラッシュ)!」


 炎の槍と風の斬撃が放たれ――しかし、まったく手応えはありません。


「チッ、回復中は防御力も上がるのか!?」


 そのまま発光は強まり、右手首が根本から次第に再生されていきます。

 あれ程の速度で失った部位を再生させるとは、相当強力な光魔術です。かなりの魔力を消費しているとは思いますが――アグマ・ネタルからは一切そんな様子が感じ取れません。


「どれだけの効果が出ているのか分からない上に、こちらの魔力消費も多い……やめた方が良さそうだな」


「……ええ、そうですわね。今のは愚策でしたわ」


 本当に、援軍が来ればあの怪物を倒せるのでしょうか?


 わたくしは、少し不安になってしまいました。

 少しでも面白いな、と思って頂けたら、感想・評価・ブックマーク等して下さると非常に嬉しいです!今後の活動のモチベーションになります!

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