表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/64

48.作戦会議(4) 作戦決め

「はいっ」


 会議が始まって早々、僕は手を挙げた。


「なんだ?アルティーノ」


「あの……僕はアグマ・ネタルについて、よく知らないのですが……」


「ああ、そりゃそうか」


 僕が質問内容を述べると、サールデさんは頷いた。

 本で名前ぐらいは見覚えがあるが、どんな能力を持っているのか、見た目などはあまり知らない。

 他の何人かも同じ気持ちなのか、うんうんと頷いている。


「まあ、俺も実物を見た事がある訳じゃないんだが……。昔見た本によると、見た目は黒い肌で黒い髪を生やした、三メートルぐらいの巨人。能力は二つ。一つ目は、自身の口元に周囲の生物を引き寄せる能力。二つ目は、捕食した生物の力を取り込む能力だ」


「捕食した生物の力を取り込む……つまり……?」


「ああ、そうだ。最初に相手をした『さざめきの並木』の能力も取り込まれている筈だ。アイツらは剣士、戦士、弓士、魔術師、斥候の五人パーティーだった。つまり、Bランク級の剣術、盾術、弓術、光魔術、索敵能力を持っている筈だ。それ以外にも、下層の魔物の能力を持っていても不思議じゃない」


 光魔術!?

 光魔術っていう事は、つまり……。


「相手は回復能力を有している、という事ですわね?」


「そうなるな」


 僕の疑問は、同じ疑問を持ったアメリアさんによって質問された。それに対し頷くサールデさん。


「つまり奴を殺す為には、瞬間火力で仕留めるか、魔力が尽きるまで耐久戦を挑むしかない。俺達にはそんな大規模な火力を放てる手段は無いから、消去法的に後者となる」


 なるほど。

 銃火器や爆弾の無いこの世界で瞬間的なパワーを出すには、魔術に頼るしかない。しかし、一人でそんな高火力を叩き出せる魔術師は、ほんの一握りだけだ。一般的には、数十人の魔術師で連携する事になる。

 しかし、この場に集まっている魔術師は四人。しかもその内一人は空間魔術なので、攻撃の術が無い。いや、あるにはあるのだろうが、まだ習得していない。

 となると、たった三人だが、その三人だけで高火力を叩き出すのは不可能に近い。

 ならば、援軍がやって来るまでの耐久戦を選ぶしかない。


「基本的な作戦としては、深入りせずあくまで遅滞戦闘に努める。その過程で出来るだけ魔力を消費させればベストだ」


 サールデさんの言葉に、全員が頷いた。


「最初の一時間は様子見として、三班全員が戦う。その後は八時間ごとの交代制とする。いいか?」


 再び全員が頷いた。


「様子見で何か問題があれば、随時作戦を変更する。班を再編成して二班にするか、ここを諦めて撤退するか……まあ、敵が想定通りならば、特に問題は無い筈だ」


 ……うわぁ、これ師匠を呼んだ方がいいのかな?

 うーん、でも魔力量的に時間が掛かるし……その間僕が居なくなるのは駄目だしなぁ。

 仕方無い、呼ばずに普通に戦おう。


 僕が悩んでいる間にも、話は進んで行く。


「各班に回復用のポーションを三瓶ずつ配る予定だ。これは各班長の判断で使用して構わない」


「「了解です」」「わ」


 僕とアメリアさんが同時に頷いたのを確認すると、サールデさんは話を再開する。


「周辺被害はなるべく出さないでもらいたいが、命に代わる物は存在しない。死んじまうくらいなら、建物なんてぶっ壊して戦え。いいな?」


「「「「「はい」」」」」


 サールデさんは全員が頷いたのを満足げに確認すると、パンパンと手を打ち鳴らして立ち上がった。


「よし、それじゃあ、各班に分かれて軽いミーティングをしてくれ。その後は各自の判断で準備活動に移ってくれて構わない」


 サールデさんの指示に全員が立ち上がり、それぞれの班長の元へと向かった。

 僕の所にも、ロマーンさん、サミナさん、ファイスさん、セーアさんの四人がやって来る。


「皆さん、よろしくお願いします」


 一先ず、僕は頭を下げて挨拶をした。


「ああ、よろしく頼む」


「よろしくね」


「我らが長よ、この命預けたぞ!」


「よろしく」


 ……ファイスさんだけセリフもポーズも大袈裟だったが、まあいいとしよう。


 取り敢えず、それぞれが出来る事を詳しく知っておく事が大切だろう。


「まず、みんなが出来る事を確認していきましょう。……僕は、目視範囲への転移、物品の異空間収納、結界による防御、銃――弩の様な武器を使った遠距離攻撃が出来ます」


「遠距離からの弓攻撃と、短剣での自衛が出来る」


「大盾での防御と、闇魔術で相手を衰弱させる事が出来るわ」


「双剣での攻撃と、闇魔術を一通り扱える」


「奇襲攻撃、気配を隠すとかは一通り。斥候の仕事も大抵出来るわ」


 なるほど、なるほど……。

 まあ、当初の予定通り、サミナさんとファイスさんが前衛、セーアさんが遊撃、僕が中衛、ロマーンさんが後衛がいいかなぁ。


「それじゃあ、サミナさんはタンクとしての仕事に集中しましょう。無理に魔術で弱らせて隙を生むぐらいなら、最初から防御一辺倒にした方がいいと思います」


「分かったわ」


 サミナさんが頷いたのを確認し、次にファイスさんに。


「ファイスさんはサミナさんと協力して攻撃を。ヘイトを買い過ぎない様に注意しつつ、攻撃を受けそうな時はサミナさんの陰に隠れる感じで」


「了承した」


 ファイスさんが大袈裟なポーズで頷いたので、次のセーアさんに。


「セーアさんは遊撃をお願いします。もし大技などが来た時はそれを潰すのもお願いしたいです」


「ええ、了解したわ」


 セーアさんが頷いたのを確認し、最後のロマーンさんに。


「ロマーンさんは弓での遠距離攻撃を。セーアさんと同じく、大技が来た時の対処をお願いします」


「了解した」


 ロマーンさんが頷いたのを確認した後、僕自身の役割を言う。


「僕はロマーンさんと同じく遠距離攻撃を行いつつ、結界でサミナさんの防御の補助をします」


 全員が頷いたのを確認し、僕はその他の細かい作戦を話し合った。

 少しでも面白いな、と思って頂けたら、感想・評価・ブックマーク等して下さると非常に嬉しいです!今後の活動のモチベーションになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓こちらの作品もどうぞ!↓
対極の二人が交わるまで
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ