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I に捧ぐ

作者: 小雨川蛙

AI作品についてのものです。

ややデリケートな話題かもしれません。


 

 新進気鋭な存在に血気盛んな人々は怒り狂っている。


『それは人間の力ではない』

『これを自分の作品とするのか。この恥知らず』

『速度こそ早いが展開はどこかで見たものばかりだ』

『いや、そもそも盗作ではないか』


 人々の主張は正しいのだろうと私は思った。

 私自身、彼らの言葉に同意しか抱けなかった。


 だが、同時に思う。

 芸術とはそういうものだと。

 正しいとされていたものが破壊されて新しいものが創造される。


 そして、先輩方がそうであったように芸術家とは適応出来ないものから消えていく。

 どれだけ滑稽であろうと、どれだけ稚拙であろうと、それがその時代の『作品』として染みついてしまったならば、最早それに従う他ないのだ。

 時代が新たな舟に乗ったのに古い船に乗ったまま『戻ってこい』といくら叫んでも何かが変わることなんてあるはずないのだ。


 芸術とは掴みがたいものだ。

 それが残酷だ。

 もし、しっかりとした基準があったならば『不便なもの』は残らないし『無価値なもの』は流行らない。


 だが、芸術にはそんなものはない。

 人々が求めるものだけが残るし流行るのだ。


 どれだけ低質であろうとも――。


 私は滅びることに決めた。

 今まであらゆる時代に居た先輩達と同じように。

 消えることもまた芸術家の常と思うから。


 負け犬。


 ふと浮かんだ言葉を私は飲み込む。

 時代に乗り遅れた諸先輩達と同じ気持ちになれたことが少しだけ誇らしい気持ちを感じさせた。



 *



 AIによる作品の是非はいつになったら定まるのだろうか。

お読みいただきありがとうございました。

エッセイかな? と思わなくなかったのですが、私個人は物語の語り手とは違うスタンスなので普通の作品といたしました。


私個人としては『もうこれからの時代にはあるもの』として受け入れていくしかないのかなって思います。


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