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ゆるふわな感じで進行します。


足を運んで頂き、ありがとうございます!



 私、ティアラ・シュバルツは二歳上の幼馴染のリュダール・ルダインと八年前から婚約を結んでいる。

 元は互いの両親の仲がよく、家格も同じな事もあり歳の近い私達を婚約させる流れは当然と言えばそうだった。



 ずっと友達みたいな関係性が続いていくんだな、と当時子供だった私達は思っていたのだが、その認識が変化して来たのはリュダールが学園に入る頃。



「俺、ティアラが好きだ。お前の笑顔を俺がずっと守るよ」

「嬉しい…私も好きよ、リュダール」



 二人きりの部屋でそっと抱き合った事は今でも忘れられない大切な思い出だ。

 リュダールと結婚をして、幸せな家庭を築いて行くんだと思えば毎日楽しくて。ルダイン侯爵家の女主人としての勉強にも熱が入った。お義父様もお義母様も小さい頃から知っているし、私の事も本当の娘のように接してくれている。後は私が学園を卒業したら結婚式を挙げるだけと順調に物事は前に進んでいた。



 ……はずだった。



 リュダールの小さな変化に気付いたのは、約半年ほど前だった。私が十七歳の誕生日の日、両家揃って誕生日パーティーを開いてくれたのだがそこでリュダールが少し、ほんの少しだけそわそわとしておりそっと会場を後にした。私はリュダールの様子が変だった事もあって、そっと後をつけたのだ。



「ちょっと、お姉様に見つかってないでしょうね?」

「あぁ、大丈夫だ」

「バレたら大変なんだから、気を付けてよね!」

「わかってるよ」



 そんな会話が屋敷の奥にある倉庫から聞こえて来た。薄暗い倉庫の扉は少しだけ開いていて、私は思い当たる声の主を頭に浮かべては消すという作業を繰り返していた。

 嫌な音を立てて弾む心臓、ズキズキと痛くなる頭。

 それでも、私は自分の大切な人達を信じた。


 これは、何か理由があるんだ、と。きっと二人でサプライズを用意してくれているんだ、と。



 そう、思いたかった。



「これ、渡しておくよ」

「じゃあ、私もこれ」



 そっと扉の向こうを覗き見ると、リュダールと二歳下の妹、アリーシャが互いに何かを渡しあっているようだった。



「ありがとう、本当に嬉しい」

「あぁ、俺もやっと渡せた」

「それ、見つからないでね」

「あぁ、絶対に見つからないようにするよ」



 会話が終わりに近付いている事を察知して、私はさっと物陰に身を隠した。その後すぐに、倉庫から出て来た二人は慣れた様子で早々に別のルートに消える。リュダールの手には何かの袋、アリーシャの手にはアクセサリーが入っていそうな箱が握られていた。



「…嘘…あれ…何?…いつから……?」



 完全に人の気配が無くなった後、そう呟いた私は足元が崩れ落ちたかのような錯覚に陥りその場にへたり込んだ。



「…やっと渡せた…?」



 という事は、リュダールは随分前からアリーシャの事を…?



 私達が想いを通わせてから三年、今日だって「ティアラ綺麗だな、大好きだ」ときつく抱き締められたというのに。



「…待って、頭の整理が出来ないわ…」



 こめかみがどくどくと脈打つのがわかる。ぐらぐらと揺れる床にぺたりと手をついた。もしかして、地面が揺れているんじゃないかと思った。



「リュダールは、アリーシャを想って…いる?」



だから、プレゼントを?やっと渡せた、という物を今日…私の誕生日に…アリーシャに。



「……まさか」



いや、もしかしたらプレゼントではないのかも。あれくらいの箱の物は多い。私の思い違いかも知れないわ。



だって、私はリュダールとも、アリーシャとも凄く仲が良いのだから。私に隠れてどうこう…なんて、二人に失礼だわ。



「そうよね、まさか二人に限ってそんな事…」



あるわけがない、と私は二人の笑顔を思い浮かべてそう自分に言い聞かせた。

震える足を何とか動かし、パーティー会場へ戻ると二人がケーキを食べていて時折笑い合うのが見える。



「……っ!!」



その笑い合う表情は、何故かとても特別な物に見えてしまって…私は引き攣りそうになるのを必死に堪えてゆっくりを二人のもとへ足を進めた。


ここまでお読み頂き、ありがとうございました。


次回をお楽しみに!!

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