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          9  王都

 現国王は第ニ王子を皇太子にした。咎める貴族もいるが、現国王は頑として第ニ王子の皇太子就任を撤回しない。波乱含みだ。

           9  王都


 その頃我が国王都の経済も順調だ。農作物も順調に生産されているし様々な産業が生まれ事業も活発だ。流通も盛んだ。これは北部のマリエ商会が技術を導入したりマリエ商会が物流を活発にしたりしたのが原因なのだが、第ニ王子の手腕のお陰と評判される事が多い。確かに第ニ王子は優秀で素直で優しい立派な王子だ。だけれども第ニ王子は自分で計画したり決断したりする事がない。ただ果実が落ちて来るのを待っているだけの凡庸な王子だ。

 悪い事にマリエの第一王子は、あまりにも功績を上げ過ぎて国王や多くの貴族達が第ニ王子を推し出した。貴族では少数だが国王が第ニ王子を推しているのは致命傷だ。次期国王を決めるのは現国王だ。第一王子はマリエに聞いた。

「現国王に嫌われている私は次期国王になれぬ。私はどうしたらいいのだろうか。」

マリエは怪訝な顔をして、

「第一王子はどうしても国王になりたいのですか。弟を助けてやる器量はないのですか。」

そう言われて第一王子は、

「そうゆう考え方もあるのだろうか。弟が国王になれば弟が私を消しにかかると思うのだが。」

呆れた顔をしたマリエは、

「今現実に国を支えているのは誰ですか。第一王子でしょう。その第一王子を殺したらどうなるか判らないほど国王も第ニ王子も愚かではありません。今あなたするべき事は粛々と業務を熟す事です。そうすれば、誰が国王になっても関係がありません。」

マリエは確信持ってそう答えた。

 後日サラサが北部軍令本部にされた。分身体はサラサをマリエのところに連れて来た。簡単な挨拶を済ますとマリエはサラサに伝えた。

「あなたの事は担当に聞いて知っているわ。あなたにやって貰いたいのは主に流通よ。より良い製品や農作物などを作り出すのも仕事の内よ。より良い物をより多く流通させるのがあなたの仕事よ。まだ足りない魔法や知識があるようね。人に頼ってもいいわ。早く身に付け最善を尽くしなさい。あなたの担当する部署には担当に案内させるわ。後は部署の者があなたに教えるわ。早く慣れて早く一人前の仕事が出来るようになりなさい。期待しているわ。」

サラサは緊張しているようだ。

「畏まりました。ご助言ありがとうございます。最善を尽くします。」

サラサは担当に連れられて退室した。マリエはサラサの幸多からん事を願った。

 更に数日経った。第ニ王子が皇太子に立ったとマリエは第一王子に呼ばれて聞いた。第一王子は焦燥しているようだ。マリエは第一王子に、

「何も心配する事はありません。第一王子はこれまで通りに事を進めるだけです。第ニ王子が足りないところはあなたが助けてあげればいいのです。」

そうマリエが言えば第一王子が少し落ちつく。

 王都にいる分身体がマリエに連絡して来る。大多数の貴族が第ニ王子の就任は誤りだと言っているようだ。中には直接国王に直訴する者もいるらしい。しかしながら国王は頑として第ニ王子の皇太子就任を撤回しない。国政は波乱含みだ。

 サラサが北部軍令本部に採用された。マリエのところに挨拶に来た。マリエはサラサに良い物を沢山作り沢山流通させるように伝えた。

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