6 土魔法
北の蛮族との境界に堀を作る。巾500m、深さ500m
長さ1000kmに及ぶ。土魔法だと思うだろうが実はアイテムボックスへの収納だ。
6 土魔法
北部の人々には事前に説明した。予定地の内側には防護柵を設置して外にはでないように周知した。北部と蛮族の棲家の間に巾500m深さ500m、延長1000kmの堀を作るのだ。1000kmというのが味噌だ。西は山間部で騎馬で越える事は出来ない。東は我が国の友好国で列強国で蛮族が周り込む事はない。周知や準備の間にも武器、防具の補充や修理、本部長からの引き継ぎ、民衆への炊き出しと余念がない。討伐で得た魔獣の肉だ。内臓も入って味が濃厚だ。軍人の評判もいい。
いよいよ本番だ。土砂が掘り上がっていく。両陣営も見守っている。土魔法だろうと誰もが思う。マリエが使っているのだ。しかも強力な魔法が、これは転生特典だ。魔法と知識それがマリエの武器だ。曖昧に覚えている知識でも鮮明に思い出せる。魔法のお陰だろうか。銃器の構造や原理も仕事の関係上簡単な物を覚えただけだ。そんな知識が転生先で役に立つとは思わなかった。アイテムボックスもフライも分身体もできる。土魔法だと思われるが、実はアイテムボックスへの収納だ。多くの分身体が出せるから出来る。掘はどんどん出来上がる。土砂は全てアイテムボックスに入る。乾燥地帯だ。それほど水が噴き出す事もない。頑丈な岩盤のようだ。崩れる事もない。尤もある程度補強がしてあるが、こうしてアイテムボックスに入った土砂は資源にも建材にもなる。無駄な物はないのだ。
こうして北の蛮族と我が国の間に巨大な掘が出来た。もう蛮族が攻め込むと恐れる者はいないだろう。王子は本部長に、
「これで、北の蛮族は此処に来れなくなったとみて大丈夫ではないだろうか。様子を見た上だが治安維持や魔獣討伐をお願いする事は出来ないだろうか。」
本部長は、
「現実に行っている事とも思えません。これほどの魔法があるならば蛮族を討ち滅ぼす事も可能でしょう。このような力が味方にあるならば北側に掘があれば全兵力を北の守りに当てる必要もないでしょう。様子を見た上ですが治安維持や盗賊、魔獣の討伐に兵を充てる事も可能だと思います。」
本部長も賛成してくれた。復興にはマリエがあたってくれるそうだ。明るい未来が待っている。
マリエの分身体達が農地を耕している。戦災で荒れた農地も分身体ならば容易く耕せる。農地の所有者は国だ。小作で貸し出した時期もあったがとうに放棄されている。耕した農地に様々な物、魔獣の死体、人間の糞尿、落ち葉、雑草------------。から作った肥料を撒いて麦や大豆を植える。野菜や果物、芋や豆色々な物を作る。東の海では漁業もやる。林業もこれからだ。先ず分身体がやる。そして人間に教え任せる。難民状態だった人々に職を与える。様々な職を増やし生産を高め、流通させていく。マリエ商会の始まりだ。始めは自給自足が目標だった。次第に流通が活発になり北部の税収で北の防波堤の役割が担えるようになった。そして国に税金を収めるに至った。
分身体が農地を耕す。農地の所有者が国であるこの世界では所有権問題は起こらない。自給自足から流通へ北部税収で北の防波堤になり、国に税金を収めるようになる。




