3 改良
軍部への技術支援は戦況を大きく変える物だった。軍部から多額の顧問料が支払われた。軍部の信用を王子は得た。
3 改良
幾つかの特別授業を行った。それぞれ提案してきたのでその提案に乗ってきたところが多かった。先ず軍部である。体力増強のポーションに取り敢えず乗ってきた。これは前世の薬剤であるが薬草からも出来る事を知っているので作ってあった。見本と作り方を書いた物を渡したら感謝された。武器の改良は、この時代火薬はあるので大砲や銃器は出来る。鉄の改良のアドバイスも添えて提案した。軽くて丈夫で破壊力のある剣や槍、弓矢の提案もした。簡単な実物本格的な作り方を書いた物を渡した。実戦に導入されて戦況は好転したらしい。
軍部の担当者が来た。丁重な挨拶の後ある物を出した。大量の金銭である。
「報酬です。本来はもっと正式な形でお支払いしたいのですが、軍部幹部との協議で顧問料としてこの様な形でお支払いする事になりました。」
王子はチラリとマリエを見た。マリエは頷いた。王子は、
「その方や軍部幹部の申しようもっともである。この金銭は顧問料として受け取ろう。もっと助言致したい事がまだある。これまでの事でも尋ねたい事もあろう。このように話し合いの場を持つ事に異存はない。その方はの存念聞かせるが良い。」
軍部の担当者は特に銃器の改善点を尋ねてきた。王子は武器が変わったので戦略、戦術についてアドバイスしたいと申し出た。次回の打ち合わせの予定を決めて会談を終了した。
王子はマリエに、
「軍部も随分思い切った金額を出してきたな。軍部の総意というわけか。」
マリエはにこやかに、
「戦況が一変してこちらの有利は揺るがないのですから、この金額は妥当でしょう。軍部が王子の味方についたと見てもいいでしょう。軍部が求めた武器の改善点をまとめておきますし戦略や戦術についてもまとめておきます。」
マリエは冷静に、
「今後も王子の提案を評価する声は高まると思いますが、その事は王子を評価する一端でしかありません。あくまでも善政を行う賢王たる資質を披露しなければなりません。王子は民にも貴族にも愛される存在になるように勉学に励み、民や貴族が何を求めているか知る必要があります。」
王子は苦虫を噛み潰したように、
「判っている。」
とだけ言った。
季節は冬、マリエはこの王宮に来て半年以上経った。北の戦況は安定した。武器は改善して戦術戦略も見直された。我が国が優勢だがこれ以上戦争を拡大したくない国の意向で戦線は動かない。戦争は止まっている。
財務担当者がやって来た。
「複式簿記が正式に採用されました。各省庁でも採用される予定です。予算額と支出額、残高が明確に判り合理的だと判断されました。来年度から導入予定です。つきましては印刷技術をご教授頂きたく参りました。ご教授料として些少ですがこちらをお受け取り下さい。」
正直本当に些少だった。木版印刷なら妥当だろうか。マリエールは王子に待ったの合図をした。王子は、
「国王にもご許可を得なければならない。しばし待て。」
印刷技術の教授は保留となった。
財務は複式簿記を採用する事になった。そこで書式の印刷技術を王子に提供する事を求めたが、その代金は些少な物だった。




