拾われたゴミ7
家に帰ると、妹がお菓子を机に並べて俺を待っていた。
俺には、妹がいる。まぁある程度仲が良いのでは?
二人で一緒にお菓子食べるくらいだし。
「で?そのポイ捨て対策みつかった?」
「いや、そう簡単にみつかったら困んねーよ」
「ていうかポイ捨てって、言い方可愛いすぎない。お兄ちゃんが使ってるからきもいけど」
と、妹は顔を顰める。
「ぐはぁっ そ、そこまで言う事ないのでは?」
「いやいや、お兄ちゃんだよ?お兄ちゃんが可愛いこと言ったらそりゃ気持ち悪いよ!」
「っていうか、そもそもポイ捨ての何処が可愛いんだよ」
「ポ」
「え、ポ?」
「いや、そんなに驚くこと?パ行が可愛いのは有名な話じゃん。日本国民としての自覚ないの?」
自覚云々ではない。
ただの認識の相違である。
いやでも、考えてみればパ行可愛いかもな。
プリン、ポーランド、ペンシルベニア…。
おう、中々可愛いではないか。
やっぱ自覚なかっただけかもな。
「とりあえず、ポイ捨てはきもいから、不法投棄と言いなさい」
何故命令形。
「いつから、そんな偉くなったんだ。俺はお兄ちゃんだぞ。歳上だぞ。お前よりも長く生きてるからな」
俺は腕組みをして胸を張る。
妹は手を左右に振って
「いやいや、偉さに年齢関係ないでしょ。うちは、実力主義だから」
「実力でも、負けた憶えはねーよ。お前、俺になんで勝ったんだ?成績も俺が上だし、運動だって俺の方が出来るぞ。他に何があるんだ」
「うわ〜凄いね。そんなことだから、お兄ちゃんは友達出来ないし、親にも褒められないんだよ」
なるほど、「こんなことだからは」はともかく友達はいないし、親にも褒められない。
「いや、まて、俺は親の代わりにお前に褒めてもらってるからな。褒められる量は関係ねーだろ」
「私に褒められている時点で、もう私の方が偉くない?ていうか、そういうの堂々と言えるの凄いね。恥ずかしくないの?お兄ちゃん」
「妹に褒められることの何が恥ずかしいんだ。むしろ、親に褒められることより、素晴らしいと俺は思うね」
「いや、そのシスコンっぷりには、流石の私もひくね」
いや、お前さっきからひきまくってただろ。きもいとか言ってたし。
「まぁでも、お兄ちゃんが部活やるなんてびっくりだね。何秒もつかな?」
「もたないんじゃね?ただ、今回は先生が辞めさせてくれないだろうな」
「とにかく、問題解決頑張ってね!お兄ちゃん!」
色々と言いたいことはあったが、それは妹なので、いいだろう。
気にした方が、負けである。
「おう。また、報告する。楽しみにしとけ」
その後、勉強をしてふと気づくいたらもう7時になっていた。
はえーなと思いつつ、今日の勉強はこれくらいにして、本を読み始める。
やっぱ本はおもしろいのだけれども、いつも読みすぎてしまうので、最近は程々にするよう心がけている。
まぁ読みすぎてしまうというのも、中々一興なのだが今はあまり時間がない。
というより、やりたい事が多すぎるのだ。
そうは言いつつも、時間というものは作ろうと思えば作れるもので、それを作るのが面倒だからと、やる事が多いを理由にしているだけにすぎない。
要は俺はもっと頑張れるということである。
まぁ頑張る気はないのだが。
俺には頑張るという才能がないのだ。
さっき話していた妹なんかは、口は悪いが、努力家ではある。
それに対して俺は割と才能がある方なので(自分で言うか)妹程頑張らずとも大体の事は妹より出来てしまうのである。
ただ、才能と引き換えにと言ってはなんだが俺には妹にはある大切な何かが欠落している。
よって一人でいるのだと、妹によく言われる。
こんなちんけな才能と引き換えにしては重すぎるだろとは思うのだが。
結局は妹の方が出来た人間なのだろう。
今日も下の妹と夕飯を作ってくれている。
勿論俺も作るがよく妹達に
「お兄ちゃんは勉強してて!」
と言われてしまうのだった。
いや、料理が下手な訳じゃないんだからね?!
因みに上の妹の名前、要はさっきまで話していた妹の名前は、藺緒だ。
そして、下の妹の名前は柬薇だ。
めっちゃキラキラネームでどうかと思うが俺も”灯籠”なので、人のことは言えない。
柬薇は小六で、藺緒は中ニだ。
柬薇は髪の毛は短めである。
身長は年相応というところだろうか。
藺緒は身長は百六十センチある。
髪はツインテールが多い。
ポニーテールも見かけるが。
長さはそれくらいのことが出来る長さだ。
因みに柬薇の方が、いい子で可愛いので、俺は好きだ。
よく贔屓にしているので、藺緒からクレームがはいる。
だったら、もっと口をマイルドにしろというんだが、一向に良くならない。
まぁそれも、ご愛嬌である。
さて、そろそろ夕飯かと思い、準備を手伝おうかと、本を机に置いて下に降りる。
俺の部屋は二階なんだ。
お読みいただきありがとうございました。
ま~た来週!!
色々なツケが回ってきている人 天ノ