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みるふうぇうぶ  作者: 天ノ 羚羊
詐欺師は響きだけならかっこいい
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拾われたゴミ5

楽しんで。

「な、なんだと…」


俺と島津江(しまづえ)がボランティアとして当坂(とうさか)に連れてこられたのは、学校だった。


「まさか学校でのボランティアとはね。まぁ確かに何処とは言ってなかったけど」


と腕組みをして考えこむ島津江。


「いやー実はね大鳥(おおとり)先輩、小竹島(ささじま)先生に頼まれたんだって。ボランティアへの参加と人員補充」


なるほど、正直なんで当坂がボランティア部を知っていたのかが気になっていたが、小竹島先生の差し(がね)なら確かに納得がいく。

本当、部活の私物化だな。


「あ、千智(ちさと)ちゃん。ボランティア部の人連れて来てくれたんだねー。ありがとうー!」


手を振って元気よく声をかけてきたのは、生徒会長と書かれた腕章(わんしょう)をつけた大鳥だった。

腕章なんて初めて見たな。

物語の中だけだと思ってた。

しかし元気いいなーこの人。

まぁ俺は元気な人は嫌いじゃない。

俺が何もしなくても勝手に空気が悪くなるのに対して、空気をよくしてくれるからな。

大鳥はニコッ!と笑うと


「あ、そこの君はお初だね。生徒会長の大鳥(かなで)です」


「えぇっと、1年F組の甘南備(かんなび)灯籠(とうろう)です」


「甘南備君ね。よろしくー!」


「よ、よろしくお願いします」


何これ〜幸せパワーが(あふ)れているんですけど〜。

まぁこういう元気な所があって、生徒会長なんかになれたんだろうしな。

というか、俺の説明だとこの人ただ元気だけの人間みたいになってない?

まぁ事実そうだと思うけれども。

しかし周りの(うわさ)を盗み聞きしていると、性格も良く、成績も良いらしい。

素晴らしいことである。

いや、そんな人間いるのかよ。

こうして俺達のゴミ拾いがはじまるのだった。

 


「では、学校内清掃ボランティアを始める。皆作業にかかってくれ」


小竹島の合図で一斉(いっせい)に掃除が始められた。


「では、私達も行きましょうか」


俺達(俺と島津江と当坂)は西校舎の西側の掃除に取り掛かる。

外の掃除なので落ち葉でも集めんのかと思ったが今は秋ではない。

そんなに葉はないはずである。


「ええっと、今回はどういう掃除をするんだ?」


「プラスチックなどのごみを拾うことよ。あら、こんなとこに大きな生ゴミが」


と島津江は俺を火箸(ひばし)でつまんだ。


「おい、こんな大きなしかも(しゃべ)る生ゴミがあってたまるか!俺は生身の人間だよ!」


「あら、このノリ小学校でやらなかった?」


そういやあったな、いきなり誰かが

「あ、こんな所に大きなゴミが!」

っていって人を(ほうき)ではくやつ。

何故(なぜ)か俺は人一倍ゴミにされたことが多い気がするが、気のせいと言うことにしておいてやろう。


「お前小学生の頃のノリ持ち出すなんてさては小学生以降友達いないな?」


又は小学生以降はいじるといういじめから、無視といういじめに移行した可能性もある。

これ以上の考察(こうさつ)は何か古い記憶(きおく)を掘り起こしそうなのでやめておこう。


「元々一人で部活をしていた人に友達なんていると思ってたの?いるわけないじゃない。キリッ」


「そんなことないよ〜島津江さんは私の友達だよ〜。ニコニコ」


「いやいや当坂ちゃんまだ出会って一日で友達ってのは早すぎじゃないなか〜?ニヤニヤ」


「うわっ気持ち悪っ」


……………こうして俺の一日がおわった。


「いや、終わってないわ。こんなので終わっていたらこの先どうするの?」


「いや、この先これより酷いことがあるのか?!もう帰っていいかな?!」


「よく今まで生きてこれたわね。もう死んだ方がいいんじゃないかしら。このまま残るか、死ぬかにしなさい。(ちな)みに後者をお(すす)めするわ」


凄く生き生きとした島津江。


「ふっ、そこまで言われたら仕方がない。ここに残ってやろう」


「ふふっ、なんやかんやで二人とも楽しそうだねー。仲良いんじゃない?」


「当坂さん、私はこの学校で温厚(おんこう)と言ったら私の名前が挙がるほど温厚だけれど、怒ることだってあるのよ?」


「こんなことで怒る人が一番温厚な学校ってどんな学校だよ。なに?ヤンキーがバイク乗って走り回ってんの?この学校」


「あなたはいつも下向いているからわからないのよ。上を向いて歩けるような人になってから言いなさい」


「本当にこの学校ヤンキーがバイク乗って走り回ってんのか?!」


「それはどうかしらね。自分の目で確かめてみなさい」


目で見なくても音でわかりそうなのだが、今度確かめてみよう。

ここで、島津江がパンと手を叩くと


「そろそろ作業に入りましょう」


「そうだね。甘南備くん、頑張ろうねっ!」


「お、おう!」


では始めよう。

まずはゴミを見つけるところから。



そんなにプラスチックは落ちているのだろうか。

あまり見かけないと思うが。

と、心の中で思いつつ、地面をにらみつけていると


「あ、ガムの銀紙」


プラスチックではなかった……


「以外とおちているものでしょ。普段はあまり注意して見ないものね。あ、火箸どうぞ」


なるほど、この調子ならかなり集まりそうだ。

以外と掃除してみるものである。

今回は前書きが適当になっているのですが、立て込んでいるのでごめんなさいね。まぁ誰も読んでない説濃厚ですが、、、

元々前書きはそんなに書いてる方ではないのでこれからもっと適当になる可能性大です。

後書きは何故か前書きより書きやすいです。

前書きはネタバレになるので作品の内容に触れられないからかな。


そんなかんじで今回は、初仕事です。

自分は委員会で、学校の掃除というのをやったことがあるのですが、こだわれば大変ですね。

地面を睨みつけているとゴミはわりと見つかるんですよ。

下を向いて生きるのはあれですが、たまには地面を見つめてみては?


中学生になってようやく歩くとき前を向くようになった人間 天ノ

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