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みるふうぇうぶ  作者: 天ノ 羚羊
詐欺師は響きだけならかっこいい
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拾われたゴミ4

皆さんいつもありがとうございます。

天ノです。

キャラの名前、憶えてってくれたら幸いです。

それじゃあ楽しんで。

だが、一緒には謝らねぇ。


「島津江、お前自分は悪くないと思ってるだろう?」


「ええ。もちろんよ」


ここまで開き直られるといっそ気持ちがいい。


「と、当坂(とうさか)さんはどうなのかね……?」


「どうって?」


島津江(しまづえ)が悪いと思うかどうかだよ」


当坂は腕組(うでぐ)みをして、う~んと唸ると


「悪くないよ。ていうか何が悪いのかがわからないよー。どっちかというと二人に気を使ってもらってる私のほうがもうしわけないよー。だって二人ともいつもは気を使ってないじゃん?」


「……」


事実である。

じじつであう。

……あう。


「そんな二人に気を使わせるなんてもう恥だよー。私上手に会話できる方だと思ってたんだけどなー」


島津江は首を振って


「いえ、当坂さん。あなたは凄く気持ちの良い人よ。甘南備(かんなび)君がクズだっただけよ」


「いやなんで最終的に俺”だけ”が悪いことになってるんだよ」


「当坂さんそのごみはもう燃やしていいわよ」


「うん、わかったよー」


「おーい!おま、お前そっちにつくのか!?早まるな!今ならこっちにつくともれなくこの、キシリトールガムをプレゼントしよう!!」


「ガムはいらないかな、私が欲しいのは……」


当坂はここで黙るとこっちに近づいて来て


「”愛”だよ……」


と耳元で(ささや)いた。

ドキィとした。

心臓の鼓動(こどう)が早まる。

顔、顔が近い近いちかいtかいちか


「もー何顔赤らめてんのー。可愛いねぇ」


「当坂さん、そろそろやめてあげなさい。甘南備君が幸せになってしまうわ」


「いぃーことじゃねぇーかぁー」


「本当だねー。でもぉ、私ではそんなに幸せにならないと思うけど」


「まぁそうだな。俺もなめてもらっちゃあ困る。こんなんで幸せになってたら将来もたないからな」


しかしこいつは警戒しないとな。

うっかり勘違いしちまうぜ。


「あなたって本当に失礼な人間ね。人の気持ちがわか……人の気持ちがないの?」


「おい、言い直してんじゃねーよ。意味がきつくなってるじゃねーか」


「まぁ友達がいない人に言ってもしようのないことね。くれぐれも私を傷つけないように」


「お前以外にしといてやるよ」


「そう。もう傷ついたわ。どうしてくれるの?」


「メンタルよわ!!お前そんなメンタルでよく人にあんな(ひど)いこと言えるな」


「え?あなた罵声を浴びせると喜ぶタイプじゃないの?!」


島津江は驚いた顔でそう言う。


「ちげーよ!」


「えー違ったんだー。私もそうだと思ってた」


「なんでだよ……。まぁ、誤解が解けたなら良かった」


「いえ、私はまだ信じていないわ」


「なんでだよ!!」


ここで島津江はコホンと、(せき)をすると


「…ではボランティア部としてその依頼受けましょう」


忘れていた。


「いやまて。時間は?日時を教えろ日時を」


「えっと明日の放課後なんだけど…」


と、当坂。


「かまわないわ。私達に明日予定はないもの」


「なんでここでは私達なんだよ。俺に予定がないのが前提なのやめてくれる?」


「なら予定があるの?」


と不思議そうな顔をする。


「それを聞くんじゃねー」


「なら、明日そのボランティアに参加しますね」


「本当?ありがとう!生徒会長に伝えておくね。あ、もうこんな時間……」


そういやもうだいぶ時間がたって……いない。

が、この感じだともう帰ってもいいころである。

この時間になると運動部以外は引き上げ始めるのだ。


「ねぇ、皆で帰らない?」


「いや、一人で帰るよ」


「この男と同意見なのは腹が立つ……吐き気がするけれど、私も一人で帰るわ」


「えー皆で帰ろうよー。ねぇ甘南備くーん」


俺なら説得出来ると思ったのか、矛先を向けてきた。

なめられたものである

。俺はそんなにちょろくない。


「いーや、一人で帰るよ。それにもうちょっとここに居たいしな」


勉強が今丁度いいところで終わっているのだ。

どこかで聞いたのだが、丁度いい、つまり、切りのいいところで物事を終わらすより、中途半端で終わった方がまた気になって次のタイミングに始めやすくなるらしい。

普段からやるべきことができる人間はいいが、俺みたいな人間にはちょっとした工夫が必要なのだ。


「それだったら待つよー」


「いや、待っても一緒に帰らないからな。時間の無駄だ」


「そう、でももうちょっと一緒に居たいから、まだいるね」


いきなり島津江は立ち上がると


「私は帰らせてもらうわ。ごゆっくりね」


「うん。また明日ねー。バイバーイ」


と手を振る当坂。

島津江は上げかけた手をおろし「さようなら」といった。

「じゃあな」と俺も返す。


ガラガラとドアが閉まり、コツンコツンと足音が遠ざかったところで当坂が


「二人きりだね」


と囁いた。

俺は黙って勉強をしている。

こいつはどういうつもりなのだろう。

その後は二人並んで何を喋るでもなく時間だけが過ぎていった。

俺は勉強が進んだ。

当坂は何もしていなかった。

そんなこんなで俺達はゴミ拾いをすることになった。

さて、部活に入っての初仕事。

それなりにやってやりますか。



気合いを入れたのはいいのだが、残念ながら俺はこの手の活動をやったことがない。

まぁ単純にゴミ拾いなのだろうし、何かゴミを拾うのにテクニックがいるわけでもない。

そんなに、気にすることはないだろう。

それにしてもゴミ拾いというのは範囲によって仕事量も違うし、人数が足りないと当坂はいっていたので、いくらか覚悟が必要なのかもしれない。

何処でするんだろうか。

そんなことを考えながら、俺は眠りについた。

眠れない時に答えのない問題を考えていると、割と眠れるものである。

この前かなり強引な切り方で終わってしまったんですが、お許しを。

会話は続いております。


妹を楽しみにしている方には申し訳ないですがまだでません。

その分お楽しみいただけるよう頑張りましたので、妹目当ての方はもう少し我慢してください。

因みに妹は現実で考えるとたいして魅力的だと私は感じませんが、物語に出てくる妹のなんと魅力的なこと。

別にこの作品の妹が魅力的なのかは皆さんのご判断になってくるのですが、ほかの作品のことですね。

すごく妹が魅力的に描かれています。

キャラ全体でそうですが。

いや本当にそんなキャラを書けるようになりたい!

まだまだこれからも邁進してまいります。


妹が大好きな人間 天ノ

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― 新着の感想 ―
[良い点] ぼっち気質である主人公が、全く性格の違うヒロインと共に様々な活動に投じる姿が見ていて微笑ましかったです。キャラクターを前段階で絞っているのでテーマが大きく逸れないのも強みであると感じました…
2021/09/03 00:59 退会済み
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