6,仕事
広告代理店も、大きくなるとそれはそれは手広くやる。
某アメリカのそれはアメリカに敵対している国をどうやってアメリカの隷属国家にするか?まで請け負う。同時に各方面への利益供与も考えながら。
だから東欧南部でのあの時はNATOが臓器売買でかつて無いほど儲けた。一般兵士たちには何も入らなかったが。そしてCIAのNATO支配は強まり、ネオコンのそれは弱まった。
日本の代理店にそこまでの能力はないが、プロパガンが流布くらいはできている。
今回、その立案、総指揮をやらないか?というオファーがあったわけだ。勿論露骨にそう言ったわけではない、が、わかるものだ。
6年後ならできるかも、と応えておいた。6年後でも受ける気はないだろうが。
だが奴等もしつこく、立案数件出してくれないか?と。
内容を聞いてしまえば逃げられないので断った。立案だけだと軽く見た者達はみなその策にはまり、抜けられなくなっていることだろう。
僕らを嵌めるにしてもその程度しか考えつかないのだろう、よほど人材がいないのだろうな、とは思う。
この一件で僕は危機感を覚えたので、依頼元を手広くしてみよう、と、幾つかの国に作品見本も添付したオファーを出してみた。
流石向こうは早い。1週間もしないうちに返事が来た。ビジネスというものを理解している者達との関わりは、手強いけど効率的だ。なにせもったいぶる低能等居ないのだ。そんな程度の者達は一生ペーペーでしかいられない。そういうものを上に上げる会社はほかから相手にされなくなる。そういう世界だ、向こうは。
幾つかの会社と契約をし、作品を送り始めた頃、やはり日本のその代理店は仕事を減らしてきた。兵糧を断てば降参して受けるだろうと子供のような考えを実行したようだ。
もしそれを海外の相手にもやっているのであれば、自らの愚かさを喧伝している無能者だと認識されていることだろう。
日本のその代理店に僕は「全て切ってもいいですよ?」と答えておいた。なにせ新たな顧客の支払う報酬は日本の数倍から10倍以上だから。今までの数分の1の仕事で同額稼げる。
この機会をくれた愚か者達に感謝を!
とりあえず日本マーケットの公告コピーからだ。
注意しなければならないのは、公告依頼主の詐欺レベル。日本以上のもあるし、結構まじめにほとんど事実のみしか許容しない、という会社もある。なので当該顧客の最近の公告を参考にしてその具合を理解し、それに沿って、しかもマーケットに受け、更に依頼主も納得できるようなものを。
日本語でのコピーだが、依頼主の言語での説明を付ける。日本マーケット顧客の傾向やら他社の良い公告を比較に出したりする。
公告の図柄が出来上がってればやりやすいのだが、ラフだけ、とかもある。
その場合、コピーに沿った注文があれば書いてしまう。そういう主張は、通る通らないに関わらず、関係者に一つ以上の情報を与えるのでポジティブなことなのだ。
日本だと「出過ぎたマネ」と言われていたのでやらなくなったが。
大半が2−3回の直しで済んだ。一回で通ったのは1つのみ。
最初に何点か出して、向こうが選んで、直しが有れば直しを、という形が多い。
まぁ、そういってもつきあい始めなので向こうもこちらを試している程度の案件、なのだが。
でも気持ちいいものだ。自分の好きなセンスを活かせる作品にさせてもらえた。今までの代理店はなんか田舎臭いものばかりに修正させられていたので、知らず知らずに鬱憤が溜まっていたようだな、自分の中に。
これで、学校でもプライベートでも気持ちよく過ごせる大きな要因が増えたというわけだ。
良いことだ。ありがとう、僕を切ってくれた代理店!!♪